やわらかい打感と、伸びのある転がり。
秘密は新しいインサート
PINGが3月6日にリリースした『スコッツデールパター』シリーズ。アンサーから大型マレットのクレイジーまで、PINGらしい9種のヘッド形状がラインナップされているが、その最大の特長はシリーズ全モデルに搭載されたフェースインサートにある。

ピンの新モデル『スコッツデールパター』シリーズ(※クレイジーは標準シャフトと中尺モデルをラインアップ)
『スコッツデールパター』に搭載されたフェースインサートは、軽量で柔軟性がありながら反発力と耐久性をかねそなえた革新的素材「新PEBAX」。ハイテクシューズのミッドソールなどに使用される「PEBAX」をゴルフに最適化。インサート派をうならせるソフトで極上の打感と、抜群の転がりを両立しているのだ。

軽量で反発力に優れた革新的素材「新PEBAX」。「インサートが軽量なのでヘッドの重心が深くなります。そのぶん、慣性モーメントが大きくなりミスヒットにも強くなりますね」(関プロ)
ピンが「すぅーーーッ!」と表現する転がりの良さ。その実力を、関浩太郎プロとさっそくテストしてみることに。

試打/関浩太郎プロ
東京目黒にてSEKI GOLF CLUB目黒を主宰。これまでのレッスン生は8,000人以上でギアへの造詣も深い
打感はやわらかいのに、
「コツン!」と硬質ないい音!
関プロのスタジオにて、さっそく試打を開始。
「コツンッ」と気持ちのいい打音で打ち出されたボールは、約5メール先のカップに向かってなめらかに転がっていく。

「コツン」「コツン」と気持ちのいい音が響く
「打感は本当にやわらかいですね。でも、インサートが入ったパターらしからぬ"コツンッ"という硬質な打音のおかげで、距離感が合わせやすく、どんどんタッチが合っていきます。パターはなんといってもタッチが命。タッチが合っていなければラインも正しく読めませんし、カップインの確率を上げることはできません。アマチュアとプロのパッティングで大きな差があるのがタッチ。プロとトッププロも同様で、打ち出し方向のズレより思った場所にボールを止める"距離感の差"がスコアの差になるんです」(関プロ)

やわらかいのにしっかり打音が聞こえて「すぅー」っと転がる。これがスコッツデールパターの最大の特長
「ではタッチを磨くためには何が大切かというと。やはり打感と打音。やわらかい打感が好きな人、硬い打感が好きな人、大きな打音、小さな打音、高い音、低い音、それぞれ好みはありますが、打感と打音がしっかり伝わるパターがいい。このくらいの感触で、このくらいの音量で、それがタッチの目安になりますから。その点でもこのパターの打音はとてもいいですね」(関プロ)
なめらかに転がり、
カップ際で最後にもうひと伸び

『スコッツデールパター』のもうひとつの魅力、それが転がりの良さ
「今回は5メートルほどのパッティングで試打しましたが、50cmほどショートしたかな? と思ったパッティングが10㎝くらいショートしただけでした。インパクトの感覚より最後にボールが伸びてくれる印象です。打感のやわらかいパターは思ったより転がらない印象がありましたが、このパターはとても転がりがいいですね」(関プロ)

インパクトの打感から50センチほどショートかな? と思ったパットがほぼジャストタッチ。この差は大きいと関プロ
グリーン上での褒め言葉のひとつ「いい転がりしてるね!」。その「いい転がり」とは何なのか、関プロに聞いた。
「いい転がりと聞くと、カップまで届かないと思ったパットが、最後にスゥーと伸びてジャストタッチでカップイン、なんてシーンを思い浮かべる人もいるでしょう。転がりのいいボールを打つためには、インパクト直後のボールの挙動が大切。打ち出した直後、ボールは無回転でターゲット方向に移動(スキップ)してから順回転で転がりはじめます。この無回転で移動している間に、ボールが小刻みに跳ねるとボールの挙動が変わってキレイな順回転がかかりません。このパターは、やわらかいインサートのおかげでしょうか、打ち出し後のボールの挙動もいいですね。ボールが跳ねる感じもなく、吸い付くように転がっていきます。ボールの転がり方に一貫性があるので、結果、タッチがすごく良くなっていくわけです」(関プロ)

転がりのいいパッティングのためには、打ち出し直後のボールの挙動が重要だと関プロ
ヘッドタイプは全部で9種類
ソフトな打感と転がりの良さを実感したところで、最後に自分に合ったモデル選びについて。
「『スコッツデールパター』シリーズは、ヘッドの種類も9モデルと豊富。好きなヘッド形状があるなら、それから試打すればいいですし、真っさらな気持ちで選ぶなら、まずはヘッド重量の最も軽いアンサー(345g)と、最も重いクレイジー(370g)を交互に試打して軽いヘッドと重いヘッド、どちらが合うか確かめてみましょう。ヘッドやネックの形状、重心位置の違いによって、同じフェースインサートでも少しずつ打感・打音が変わるので、あとは好みに合わせて選べばOK。お近くでPINGのパターフィッティングが受けられるなら、そちらもぜひおすすめです」(関プロ)

(左)アンサー
(中)アンサー4
(右)アンサー2D
アンサー
PING史上最も勝利したパターであり、あらゆるブレード型パターの原点。「シリーズの中で最もヘッドが軽いモデル。形状、操作性、あらゆる点でスタンダードなモデルです」(関プロ・以下同)
アンサー4
ショートネックで左へのひっかけのミスを軽減。「アンサーよりブレード長が長く安心感があります。ネック部分が小さいのでより打感をダイレクトに伝えてくれるのも魅力」
アンサー2D
ツアープロの要望から生まれたモデル「アンサーよりヘッドが後方に伸びた安心感のある形状。ヘッド重量がアンサーより15g重くなるので、アンサーでショートすることが多い方にもおすすめです」

(左)DS72
(中)B63
(右)CRAZ-E(クレイジー) ※38インチのシャフトを装着したCRA-Z CB(クレイジーカウンターバランス)
DS72
アンサーのフランジ部分を後ろに伸ばした小ぶりなミッドマレット。「少しL字パターに近い感覚。芯で打ったときの打感、打音、それに操作性が素晴らしい。プロに人気なのも納得」
B63
従来のB60からトップレールが厚く、形状もわずかに大きく。「アドレス時にBに見える独自の形状は安心感がありますね。スラントネックのよりダイレクトな打感も好印象」
CRAZ-E(クレイジー)
アライメント効果の高い大型マレット。「打点と重心の距離が最も遠いので、ショートパットが苦手な人におすすめ。新しいインサートのおかげでマレットでも打感がいいですね」

(左)プライムタインC
(中)プライムタイン4
(右)オスロ3
プライムタインC
人気のツノ型のセンターシャフト仕様。「芯で打つことを要求されますが、シャフトが打点に近いので打感の伝わりやすさは抜群。芯に当てるために自然と集中力が高まります」
プライムタイン4
コンパクトなツノ型で転がりも安定。「個人的にはすごく好きな形状です。ショートスラントのパターの打感が好きなんですね」
オスロ3
長いアライメントでターゲットに対して合わせやすい。「見た目はマレットですがピン型に近い感覚があります。プロの少しやさしいパターが欲しいというリクエストを形にしたマレットですね」
スコッツデールパターシリーズで、
「いい転がりしてるね!」って言われよう!
いままでのインパクト感で、いままでより少し遠くまで転がってくれる「スコッツデールパター」シリーズ。興味のある方はぜひ試してみてはいかがだろう。