今年米女子ツアーに日本から挑むルーキーたちのなかで、注目度の高い一人に馬場咲希プロがいる。
画像: 米女子ツアーのブルーベイLPGAに出場し、最終日上がり5連続バーディを奪った馬場咲希(24年撮影/有原裕晶)

米女子ツアーのブルーベイLPGAに出場し、最終日上がり5連続バーディを奪った馬場咲希(24年撮影/有原裕晶)

2022年、高校2年生で全米女子アマに勝利すると、翌年プロテスト合格。2024年は米女子下部ツアーの「エプソンツアー」で戦い、年末のファイナルクオリファイ(最終予選会)の最終ホールのバーディで米女子ツアーの出場権をつかみました。高校生の頃からメディアを賑わせて馬場選手は2005年4月25日生まれで、記事執筆時点ではまだ19歳の若さです。

“ギリギリ”での出場権獲得となったため、なかなか試合に出られず今季の出場はいまだ1試合。しかし、唯一の出場となったブルーベイLPGAで最終日上がり5連続バーディという爆発で17位タイにはいり、賞金3万200ドル(約450万円)を積み上げています。

予選会最終ホールのバーディにせよ、待ちに待った出場機会の土壇場でのバーディラッシュにせよ、ここ一番での爆発力を持つ馬場選手の強みはどこにあるのか。女子ツアーに詳しい中村修プロに聞いてみました。

「馬場選手は、国内で経験を積んでから米ツアーに挑むという一般的なルートを選ばずに、下部ツアーのエプソンツアーから米女子ツアーを目指しました。これまでも、男子では大西魁斗選手、桂川有人選手らがPGAツアーを目指して下部ツアーに挑んでいますが、女子では馬場選手が下部から這い上がった初の選手になりました。米女子ツアーに実質最短でたどり着きました。以前お父さんに話を聞いたところ、『大学に留学させるつもりでエプソンツアーに送り出した』と言っていましたが、実力でそれを“短期留学”にしたカタチですね」

高校生で全米女子アマを制したことからもわかる通り、早熟な才能を示した馬場選手ですが、中村プロは、昨年のエプソンツアーを経て、その実力はさらに磨きがかかっていると分析しています。

「昨年、富士通レディース(10/11〜10/13、8アンダーで14位タイだった)で久しぶりにプレーを見たのですが、まず体格がたくましさを増していて、基礎的な体力が上がっています。デビュー当時の渋野日向子選手のような、持っている武器の数は少ないけれども、恐れずに振り切れる思い切りの良さでプレーしてる印象。つまり、プレッシャーの中でしっかり振り切れるメンタルを持っています。これは世界で活躍する上での絶対条件なので、先が楽しみです」

技術的には「アイアンの精度が上がっているし、難しいコースで戦っているからこれからも1戦ごとに成長してくると思います」と中村プロ。その思い切りの良さ、爆発力は、“なにかをやってくれそうな気配”に満ちています。

渋野日向子選手が全英女子オープンを勝ったのは20歳のころ。その年齢を、今年馬場選手は迎えます。限られた出場機会を活かしてチャンスを広げられれば、馬場選手にも大いなる可能性があるのではないでしょうか。

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