▶▶▶「ジュニアにはいろいろな競技を経験してほしいんです。【短期連載・わきゅうのジュニア育成術#1】」を読む
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気持ちよく振ってほしい
――プロを目指すジュニアが、小・中学生時代にやっておくべきことというのは?
坂詰 まず、大事にしてもらいたいのが、体を目一杯使って振るということです。小・中学生のうちは、スコアなんて気にしなくていいから、とにかく球を遠くへ飛ばす喜びを追い求めてほしいんです。
――それはどうしてですか?
坂詰 将来的に飛距離が大きなアドバンテージになるのはもちろんですが、曲がるのを恐れて振れなくなった子より、ちゃんと体を使って振れる子のほうが、大人になってからの伸びしろが大きいからです。
――飛ばすためには、ちゃんとスウィング作りをしたほうがいいのでは?
坂詰 基礎的なことは習ったほうがいいと思います。でも、本格的に型にはめるのは高校生になってからでいいと思います。とにかく、小・中学生のうちは、多少個性的でも、自分が気持ちよく感じる方法で目一杯振ってほしいんですよ。
正直に言って、飛ぶけど曲がる子を曲がらなくさせるのは簡単なんです。でも、一度振れなくなった子に振らせるのはものすごく難しいですからね。
――強く振れば曲がる恐怖が大きくなるから、それを嫌がるわけですね。
坂詰 そういうことです。じゃあ、なんで曲がるのを恐れるようになるかっていうと、スコアを求めるからなんです。だから、ボクは小・中学生のジュニアが試合に出ても、一切スコアを聞きません。スコアなんてどうでもいいから、とにかく振らせる。それが大事だと思います。
――他にも、小・中学生のうちにやっておくべきことはありますか?
坂詰 アプローチやパットの距離感、グリーン上の球の転がり(どのくらいの傾斜だとどのくらい球が曲がるのか)に対する感覚などは、子供のうちにしっかりと磨いておきたいですね。そういうものは大人になってからではなかなか身につかないので。
――詳しく教えてください。
坂詰 たとえば、キャッチボールをするとき「相手まで何mだから、このくらい腕を振ろう」なんて考える人はいませんよね? みんな、相手を見て、そこに投げるだけです。
ところが、ゴルフの場合、「何ヤードだからこの振り幅で打とう」とか、頭で考えちゃう人が多いじゃないですか。そうじゃなくて、アプローチもパットも、キャッチボールと同じように、目標をパッと見ただけで、そこに打てるようになってほしいんです。
――具体的には、どんな練習をしたらいいんですか?
坂詰 アプローチもパットも、素振りをせず、1球ずつ毎回違う目標を狙って打つといいですね。これはランダム練習と呼ばれるものですが、距離も方向も違う目標を狙って打つことで、体の中に本物の距離感が生まれてくるんです。
アプローチなどは、毎回違うライ(ラフや傾斜地)から練習しておくのもいいと思います。そうすることで様々な状況に対応できる感覚が磨かれていくはずです。
――苦手な距離やライがあると、そればかり練習してしまいがちですよね。
坂詰 同じ番手で、同じ目標に向かって打ち続ける練習をブロック練習というんですが、それだと様々な距離やライの変化に対応する力が磨かれないので注意したいですね。
――傾斜地の打ち方などは、ちゃんと教わったほうがいいんですか?
坂詰 いやいや、なんの情報がなくても、子供は自分の打ちやすいように握って構えて、上手く打つようになりますよ。そういう工夫をさせることも大事だと思うんです。
――教えすぎないことも大切なんですね。
坂詰 とにかく、子供たちにはゴルフが好きでいてほしいですね。プロになる子って、ホント、いつでも目をキラキラ輝かせながらゴルフをしてるんです。好きこそものの上手なれって言うじゃないですか。好きでいれば勝手に練習もするし、工夫もする。
だから、何より大事なのは、子供たちがゴルフを好きでいられる環境を作ってやることなんじゃないでしょうか。
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