プロを目指すジュニアであっても、プロコーチに教わって本格的にスウィング作りをするのは高校生からでいいと、坂詰コーチは言う。では、実際に坂詰コーチは高校生にどのような指導をするのか。また、コーチを選ぶときにはどこに注意したらよいか、などを聞いていくことにしよう。
 
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個性を生かしながらスウィングを作る

――坂詰コーチは、「プロコーチに教わって型にはめるのは高校生からでいい」と言っていましたよね?

坂詰 そうですね。中学生までは、いろいろな競技をやりながら、体を使って目一杯振れるスウィングを身につけ、パターやアプローチなどの勘や感性を磨いておく。それで、高校生になったら本格的なスウィング作りに入る、というプロセスがおすすめです。
 
ただ、型にはめると言っても、ボクの場合、グリップの握り方とか、トップの形などは、本人が気持ちよく打っているのであれば、極力触らないようにしています。大事なのはデザイン(形)ではなく、機能(体の使い方)ですからね。個性の部分は生かしつつ、体の使い方が悪いときには直すという感じです。

――具体的には、どんなときに直すのですか?

坂詰 一番は、ケガをしそうなときです。たとえば、骨盤の前傾が深すぎて背骨を反らしていると腰痛の原因になります。だから、そういうものはすぐに直します。あとは、下半身や体幹部がちゃんと使えているか、体を正しい順番で動かせているかなどをチェックして、必要ならば修正していくという感じですね。
 
とにかく、プロを目指すのであれば、ケガをしないスウィングが絶対に必要になります。ですから、男子であれば高校の3年間でそういうスウィングを身につけ、大学の間に仕上げるというイメージでしょうか。

――仕上げるというのは?

坂詰 仕上げるというのは、スウィングや技術というより、体ですよね。スウィングや技術には、完成形とかゴールがありません。プロになってもずっと磨き続けていくものです。ですから、それをやりながらプロの練習量をこなせる体、長く戦っていける体に仕上げていくんです。
 
たとえば、松山英樹プロも中島啓太プロも、高校時代は体の線が細かったけれど、大学を出る頃には見違えるほど大きくなりましたよね。ああいう感じです。

――女子の場合は?

坂詰 女子の場合は、男子より成長も早いし、選手の年齢層も若いので、高校からスウィング作りと体作りを並行してやって、早めに仕上げていく感じでいいと思います。

――コーチを選ぶときのポイントなどはありますか?

坂詰 まず大事なのは、選手がコーチに「自分がどんなスウィングをしたいのか」「どんな選手になりたいのか」を伝えることだと思います。そのとき、ちゃんと話を聞いてくれて、これからどうすべきかという道筋を真剣に考えてくれる人がいいですよね。お互いに腹を割って話し合って、そこで提示してきたコーチの答えに納得できること、共感できることが絶対条件じゃないでしょうか。

――親御さんではなく、選手の意志が大切なんですね。

坂詰 はい。常に、選手がどうしたいかが一番大事だと思います。ただ、ジュニアの場合、親御さんのバックアップは絶対に必要なので、コーチを選ぶときにも同席して、選手と一緒に考えてください。それで、「なんかおかしいな」「共感できないな」と思ったら、そのコーチはやめておいたほうがいいでしょう。選手の話を聞かないで自分の話ばかりする人や、自分のやり方を押し付けてくるような人もおすすめできません。

――すぐに判断できないこともありますよね?

坂詰 その場合は、何回か教わってみればいいんです。そうしたら、自分に合うか合わないか、わかるじゃないですか。教わってわからないときは、球を打ってもらうのもいいと思います。自分が教えていることができない人より、ちゃんとできる人のほうが信じられますからね。

――理論ばかりではなく、ちゃんと打てる人がいいってことですね。

坂詰 ええ。それで「この人に教わる」と決めたら、親御さんは、そのコーチに任せる覚悟も必要だと思います。コーチはその選手を見て、一番いい方法を考えているわけですから。

――教え方に口出しをしないということですね。

坂詰 今どんな練習をしているのか、なぜその練習をすべきなのか、などを質問するのはいいと思うんです。実際、ボクがジュニアを教えるときには、そういうものを必ず親御さんと必ず共有していますから。でも、「動画でこんなことを言っていた」「あのプロはこんなことをやっている」「だからうちの子にもやらせたい」というような干渉の仕方をされると、コーチは困っちゃうんですよ。

――なるほど。それは気を付けたいですね。ちなみに、コーチに任せて、結果が芳しくないときは?

坂詰 やるべきことをやっているのに結果が伴わない場合は、コーチにも問題があるかもしれないので、そのときは考え直す必要があるでしょう。でも、最初に選手と親御さんとコーチがちゃんと話し合って、お互いに納得して始めたのなら、それなりに結果は出るはずなんですけどね。
 
ただ、それは絶対とは言えないので、自分を守るために、選手も親御さんも勉強をしておくことは大事だと思います。 TPIのホームページを見てもらえたら、スウィングやトレーニングの基本的な知識が学べるので、是非参考にしてもらいたいですね。

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