マン振り素振りはメリットだらけ!
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。僕は常々どうやれば飛距離が伸びるのかと考えているのですが、スウィングを変えるのは時間がかかりそうだし、筋トレも大変そうだし……。なんとか簡単に飛距離が伸ばせないものかと思うのですが、そんな美味しい話ってないんですよ。しかし週刊ゴルフダイジェスト4/8号に「飛距離を伸ばすなら”マン振り”素振り」という記事がありました。素振りだけで飛距離が伸びるのなら、こんなにありがたいことはないですよね。ってことで、マン振り素振りを試してみました。

週刊ゴルフダイジェスト2025/4/8号で特集されていた、飛距離を伸ばす「マン振り素振り」を実践!
実はこのマン振り素振り、小祝さくらプロが実際にやって飛距離を伸ばした方法らしいんです。小祝プロによると、とにかく全力で振ることで、自然と速く振るための最適な体の動かし方になっていくそうなんです。
また、この記事で解説をしてくれている米田貴プロによると、マン振り素振りにはメリットだらけだというんです。そのメリットとは「体の動かし方を知れる」「速く振れる」「理想の動きができる」「始動がスムーズになる」「一定のリズムが身につく」「下半身リードが身につく」「スウィングプレーンが一定になる」「軸ができる」などなど。マン振りだけでこれだけの効果があるそうなんです。
でもアマチュアの僕たちでも小祝プロのようにヘッドスピードが速くなるのでしょうか? 米田プロはアマチュアこそマン振り素振りは効果があると言っています。なぜなら、ボールがあると当てたい、曲げたくないなどの意識が働き、どうしても速く振ることにブレーキがかかるんです。なので、素振りがいいんですね。しかもマン振り素振りは、やるだけでさっき書いたようなメリットが勝手に身につくそうなんです。勝手に理想のスウィングになっちゃうってことなんですね。

(左)マン振り素振りはメリットだらけ。(右)ボールがあると当てたいという気持ちが出るので速く振ることができなくなる
マン振り素振りは力の入れ方が重要なんです。ボールを打つときのようにインパクトで最大の力が出るように振ることが大事。そのためにはトップで力感を「ゼロ」にするのがコツなんだとか。力というのは一度抜かないと全力で入れることができないそうなんですね。なので、トップでは力感を「ゼロ」にしてインパクトで「100」、そしてまたフィニッシュでも「ゼロ」にするのがいいということです。

(左)トップでは力感ゼロ。インパクトで100にして、またフィニッシュでゼロにする。(右)左の内ももでエネルギーを受け止めるようにするとインパクトで100の力が出しやすい
インパクトで「100」の力を出そうとすると上半身が伸び上がってしまう人が多いそうです。これは腕の力だけでクラブを動かそうとしているから起きることなので、上からボールに力を向けて押し込むように振るのがいいそうです。そのときに右から左サイドにエネルギーが移るのですが、それを左の内ももで受け止めるようにすると「100」の力を出し切ることができるそうです。

(左)上からボールに力を向けて押し込むように振る。(右)力を出そうとして状態が伸びてしまってはダメ
実際にやってみると……
さっそくマン振り素振りをやってみました。マン振りで素振りすればいいだけなので簡単でしょと思っていましたが、実はこれなかなか難しい。マン振りでなかなか振れないんですよね。かなり思い切り振っているつもりでも、あまりスピードが上がらない。やはりこれは体ではなく、手で振ってしまっているということなんでしょう。トップでの力感「ゼロ」というのも難しいんですよね。
30回近くマン振り素振りをやると、もうかなりハードで、息も切れてきます。しかしそうなることで、腕が疲れて力が少し抜けるんですね。なので、疲れてきてからくらいのほうがマン振りしやすくなってきます。そうなるとトップとインパクト、そしてフィニッシュでの力感の差も出しやすくなってきます。そして左内ももで力を受け止めるという意識も大事ですね。左内ももでしっかりと力を受け止められれば、ヘッドが走る感覚もあるし、パワーがしっかりとクラブに伝わる感覚もあります。しかしマン振り素振りはかなり疲れますね。
そして上級編として、連続マン振り素振りというのも紹介されていました。連続でマン振りすることで、頭が動いてしまったり、伸び上がるような動きになりやすくなるので、そうならないように頭の位置をキープして振り続けなければダメなんですね。小祝プロはこの連続マン振り素振りで飛ばせる下半身の動きが身についたと言っているそうです。

連続マン振り素振りは、さらに頭が動いたり伸び上がったりする動きになりやすいので、頭の位置をキープすることを意識する
これもやってみましたが、これはハードすぎます。連続で振る時も力を入れるのはインパクトの時だけなのですが、頭の位置をキープしながら何度もマン振りするなんてことは、普通のオッサンの僕にはキツすぎます(笑)。これは1回ずつのマン振り素振りがしっかりとできるようになってからチャレンジしたほうが良さそうですね。
で、マン振り素振りで本当にヘッドスピードが上がるのかを調べてみました。まずはマン振り素振りをする前にドライバーショットを計測してみたのが写真A。

写真A:マン振り素振りをする前のドライバーショットの計測結果
ヘッドスピードが41.7m/sで、ボール初速が60.7m/s。キャリーが222ヤードという感じでした。まあ、大体いつもの感じですね。
そしてマン振り素振りを30回ほどしてから計測してみた数値が写真B。

写真B:マン振り素振り後のドライバーショットの計測結果
ヘッドスピードが42.9m/sと少し上がり、ボール初速も62.3m/sと上がっています。そしてキャリーも230ヤードと伸びました。これはやはりマン振り素振りをしたことで、ヘッドスピードが上がったってことなんでしょうね。ただ、これは一時的なものなので、翌日になったら戻ってそうですが、毎日マン振り素振りを続ければ確実にヘッドスピードは上がりそうな気がします。そして確かに、何度も繰り返しているうちに、速く振るための体の使い方もわかってくるし、だんだん軸のようなものも感じられてきます。これはかなりいい練習方法だと思いました。練習場に行かなくてもできるってとこもいいですよね。いきなり連続マン振り素振りをやるのはハードルが高いですが、30回とかでもやるだけで効果がありそう。みなさんもぜひ試してみてください。