ヘッドスピードが平均で2m/s、 飛距離は10ヤードアップ!
「まさか、こんなに変わるとは!」。今回テスターを志願した競技派アマチュアの佐多さんをはじめ、取材陣が抱いた試打後の感想だ。それほどに「RS SPEED」のヘッドスピードを最大化させるというコンセプトは明確に機能する。ではテストの模様を振り返ろう。
テスターは佐多俊一さん(55歳)。今年早々にドライバーを新調。打球がまとまるようになり、かなり満足度は高いというが、「願わくば、もう少し飛距離を伸ばしたい。やはり体力的に落ちてくる年頃なので……」と本音もチラリ。競技派らしく「パーオンを増やすために、400ヤード超のパー4の2打目を6番アイアンで打ちたい」という具体的な願望もある。現在、ドライバーの平均飛距離が約230ヤード、7番アイアンが150ヤード。確かに400ヤード超のホールでは、6番ではちょっと足りない計算だ。

佐多俊一さん(55歳・HC8)。ゴルフ歴は40年近いベテランゴルファー。HC5下を目指すために、あと10~20ヤードの飛距離アップを望んでいる
「RS SPEED」を打つ前に、佐多さんのスウィングタイプの解析から開始。担当してくれたのは、京村正利さん。ティーチングプロの資格を持つプロギア 銀座 EX店の店長だ。

京村正利さん。プロギア 銀座 EX店の店長。高度なフィッティング技術とスウィング分析力に加え、ティーチングプロ目線から的確なスウィングのアドバイスも行う
最新計測機器を用いたプロギアのサイエンスフィットでスウィング解析をおこなったところ、佐多さんはダウンスウィングでのタメが強く、リストターンを積極的に使っていくタイプと判明。
さらにインパクトでは、地面反力をしっかり使ってクラブを走らせるスウィングのようだ。

ダウンスウィングのタメは深く、インパクトでは体重の180%が左足に乗るというデータが。「リストターンを積極的に行って、ヘッドを走らせる技術に長けています」(京村さん)
京村さん曰く、「かなり上手くクラブを扱えていますね。地面反力も使って、効率良く打てていると思います」とのこと。
佐多さん自身、歳とともにいかにクラブに仕事をさせるかをテーマとしているようで、この診断結果にはご満悦。
「そして、佐多さんのようなゴルファーこそ、RS SPEEDがマッチすると思います」と京村さんは自信をのぞかせる。
いよいよ打球の計測がスタート。
今回は佐多さんのマイドライバー(総重量:301g)を持参してもらい、その違いを見ることに。まずはマイドライバー(10.5度・SRシャフト)から。
佐多さんの満足度を反映するかのように、芯を食う打球が多く、安定したドローボールを連発。
「ね? いいんですよ。もう少し飛べば最高です」(佐多さん)
続いて「RS SPEED」(総重量:276g)。こちらもマイドライバー同様、10.5度のSRシャフトだ。
すると最初の一振りで、いきなりヘッドスピードが約2m/sも伸びた。その後もマイドライバーに比べ1.5~3m/sぐらいヘッドスピードがアップ。ミート率が高い佐多さんは、初速も3m/s程度速くなり、飛距離でも10ヤード以上伸びた。
「軽いから速く振れるのは想定していましたが、ここまでとは。確かに軽く感じて、シャフトのしなりもしっかり感じられるんですが、全然ヤワじゃない。従来の軽量モデルってシャフトが暴れる感じがあって、どこか加減しながら振らなきゃいけなかったのに、RS SPEEDにはそれがない。しかもマイクラブに比べて、弾く感じがあってそれも初速につながっていそうです」(佐多)

重量が軽く、MOIも大きすぎないため、大MOIドライバーで起こりがちな振り遅れや、ヘッドスピードが乗らないといった現象が起こりにくいのも特徴
「佐多さんはリストターンを積極的に使って打つタイプ。それに対して、RS SPEEDは慣性モーメント(MOI)も大きすぎないので、リストターンの動きをやりやすいんです。バランスも重すぎないので、自分でクラブを動かしにいっても振り遅れずに、思い通りのインパクトを迎えられる。もともとドローボールが持ち球なため、ミスヒットするとスピン量が足りずにドロップするボールが出やすい。その点でも、打ち出し角が上がるRS SPEEDとは好相性ですね」(京村)

マイドライバーに比べ1.5~3m/sぐらいヘッドスピードがアップ。計測飛距離でも10ヤード以上伸びた。
【マイドライバー 試打結果】
・ヘッドスピード:38.2m/s
・ボール初速:57.3m/s
・打ち出し角:13.8度
・スピン量:1896rpm
・飛距離:230.8Y
【RS SPEED 試打結果】
・ヘッドスピード:40.3m/s
・ボール初速:60.0m/s
・打ち出し角:14.5度
・スピン量:2068rpm
・飛距離:240.7Y
マイドライバー購入直後に結果が出るドライバーがみつかり、頭を悩ませる佐多さん。

佐多さんのスウィングとのマッチングが非常に良かった「RS SPEED」
さて、佐多さんのヘッドスピードを最大化させた「RS SPEED」ドライバーとは、どんなドライバーなのか。具体的に見ていくことにしよう。
軽量化だけじゃない! シャフト、ヘッド形状もイチから見直した
2016年に発売された「RS」ドライバーで採用された、反発規制の“ギリギリ”を狙った高初速設計は、現行のRS Xシリーズ、そして今回の「RS SPEED」にも脈々と息づいている。
そのギリギリ設計がもたらす“驚初速”に加え、今回の「RS SPEED」はヘッドスピードを最大化させるために大きく3つの工夫が施されている。

RS SPEEDはシームレスのフルチタンボディ。シャフト軸とネジ軸をずらしたX(クロス)カートリッジにより、高初速を広範囲にわたって実現する
①RSシリーズ 最軽量設計
飛距離を左右する3つの要素は、ボール初速、打ち出し角、スピン量。そのうち飛距離の7割はボール初速で決まるとされる。そのボール初速を上げるのにもっとも直接的に影響するのが、当然ヘッドスピードアップだ。あくまで理論値だが、ヘッドスピード1m/s上がるとボール初速は1.5m/sアップするのに対し、ヘッド重量が15gアップで、同1m/sアップ、反発性能(COR)が0.03アップで同1m/sアップ。いかにヘッドスピードアップが効くかがわかるだろう。

RS SPEED(SRシャフト)/クラブ重量 276g ヘッド重量 194g シャフト重量 42g グリップ重量 36g スウィングウェイト D1.5。クラブ全長は45.75インチ。ロフト・ライ調整機能もついている
②専用設計シャフト
シャフトは「SPEEDER NX FOR PRGR」。ヘッドスピードを生かすための“走り感”、それでいながら頼りなくない“しっかり感”を両立。さらに打ち出しの高さと適度なつかまり感も備える先中調子に仕上げられている。

フジクラと共同開発の「SPEEDER FOR PRGR」。先端は剛性を抑えて打ち出しを高く、中~手元は剛性を保ち、しっかり感を出している
③シャローデザイン
ヘッドはフェースの高さを抑えた“シャロー”な形状。スウィング中、最も空気抵抗を受けるのはフェース面。その高さを抑えることで、従来のRSドライバーに比べて、約5%の空気抵抗の低減につなげた。また、シャローフェースなので、実際の重心位置も低くなり、結果フェース面上の重心点よりも 高い位置でヒットしやすくなる。高打ち出し&低スピン弾道につながる。またフェースの重量自体も軽く作れるので、最適な重量配分の実現に近づける。

ヘッド全体の高さは60㎜(RS比マイナス4㎜)、フェース高さは48㎜(RS比マイナス3㎜)。フェースはCNCミルド加工によって高精度に削り出されている
ヘッドスピードアップだけでなく、ヘッドとシャフトの設計によりハイドローかつ強弾道が打ちやすい「RS SPEED」ドライバー。軽量モデルというと、体力が落ちてきた人が手にするというイメージがあるかもしれないが、「RS SPEED」は、今の飛距離を大きく超えていこうとするポジティブなマインドのゴルファーにもフィットする。一度打ってみると、軽量ドライバーの概念がガラッと変わる、そんなドライバーだ。

今回テストを行った「PRGR GINZA EX」。プロギアの直営店で、解析ブース1打席、スクール打席2打席、ショップも完備。東京メトロ銀座線 銀座駅から徒歩4分と利便性も高い
PHOTO/有原裕晶、小林司
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