
スコッティ・シェフラーは初日ノーボギーで連覇へ視界良好(撮影/Yoshihiro Iwamoto)
大会前チャンピオンズディナーのホストという大役を果たしたシェフラーは「今年出場したどの試合より準備万端でマスターズに臨んでいる」と4バーディ(ノーボギー)をマーク。「コースがかなり硬くなってきてチャレンジングな状態ですが今日のプレーにはかなり満足しています」と納得の表情を浮かべた。
昨年は優勝争いの最中に妻が分娩室に入ったらすぐさま試合を棄権し駆けつけようと考えていた。幸い長男ベネット君はマスターズの週を避けて生まれてくれたため2度目のグリーンジャケットに袖を通すことができた。
契約先のナイキはベネット君がメジャー大会を避けて誕生してくれたことに感謝を込め(?)親子お揃いで着られるマスターズ仕様(グリーンと白)のTシャツやトレーナー、シューズの可愛らしい“お子様パック”を大会前にプレゼントした。
「優勝争いに加わるのはいつでも楽しい。2週間前のヒューストンでも勝てなかったけれど素晴らしいプレーをして2位タイだったので、今回は週末にもっと良いパフォーマンスをしてトロフィーを持ち帰りたい」

14番まではシェフラーと同じノーボギーで4アンダーだったマキロイだが……(撮影/Yoshihiro Iwamoto)
マキロイも決して悪いプレーではなかった。14番を終えた時点で4バーディ、ノーボギーの快調なゴルフで試合を支配しているかのように見えた。
ところが15番(パー5)で落とし穴が。残り230ヤードを4アイアンで放ったセカンドショットはグリーンを越え、下り傾斜の難しいアプローチを残してしまう。池に向かって打ったアプローチもミスではなかった。しかし選手たちが口々に「コースでもっとも硬い」といったグリーンを通り越し打球は池まで転がってしまった。
5打目で乗せて2パット、痛恨のダブルボギー。さらに17番でも2打目をグリーン奥にこぼし、アプローチを7.5メートルに寄せたがパーパットが1.8メートルオーバー。返しも外してダブルボギーの6。15番からの90分で貯金をすべて吐き出しイーブンパー72、27位タイまで順位を下げた。
ショッキングなフィニッシュにマキロイは待ち構えたメディアの問いかけに何も答えず真っ直ぐ駐車場に向かった。首位のジャスティン・ローズとは7打差。
過去19回のマスターズの成績を振り返ると、優勝した選手のうち18人がトップと4打差以内で初日を終えており、7打差のマキロイのグランドスラム達成に黄信号が灯っている。
初日60台で回ったのは16回中わずか2回。今回は3度目の60台が出そうな雰囲気だったがマスターズの女神は意地が悪い。
しかしゴルフは何が起こるかわからない。最後まで諦めないことが彼にできる最善の方策だ。