
うまくいっていたのに、急に調子を乱してしまう。なぜ、こんなことが起きる?(写真はイメージ)
自分のゴルフを見失わないことが大切
「思うようにならないスポーツ」のナンバー1といわれるゴルフ。それでも長く続けていると、気まぐれなゴルフの神様のどんないたずらか、思いがけなく「うまくいく」。そんな瞬間も訪れるようです。
ミスショットが木に当たって、フェアウェイに出てきたり、いつも苦手なバンカーから奇跡的にパーが取れたり、とんでもなく長いパットが一発で決まったり。いつもはボギーペースが精一杯なのに、その日に限って出だしからパー、パー、バーディー! このままいけばベスト更新も夢ではない!
でもこんなプレーの後はたいてい大きく崩れ、ダボ、トリのオンパレード。上がってみたら、いつもより多く叩いていた。これってかなりのゴルファーが経験していることではないでしょうか? 今回は「絶好調からの大叩き。その謎と対処法」について考えていきたいと思います。
ショットやパットの調子が悪く、リズムに乗れず、ずるずるとスコアを落としてしまう。これなら分かりますが、調子が良い時でも、その流れを持続出来ず、むしろ大きく調子を乱してしまう。こうした現象はどうして起こるのでしょうか?
やっぱりこれは心の問題。その人の実力以上に良いスコアが続くと、「あれ、どうしたんだろ?」「え、このままいけばもしかして!」などと、いわゆる「雑念」というヤツが頭をもたげてきます。この時点で既に「平常心」は失われています。そして、ゴルファーなら、なんとかそのペースをキープしたい、キープしよう、という気持ちが強くなっていくことでしょう。
これがプレーに大きく影響を与えます。なまじっかパーが続いてしまったせいで、いつもならボギーで御の字というプレーヤーでも、パー狙いのゴルフになってしまう。それはそのプレーヤーにとって「よそいきのゴルフ」と言えます。
いつの間にか、パーが自分の基準になってしまい、自ずとゲームプランに無理が出る。「ティーショットは必ずベストポジションに置かなければ!」「このパットは絶対決めなければ!」「OBや池は絶対ダメ!」。
「必ず」や「絶対」にがんじがらめになったら、シングルプレーヤーもプレーが苦しくなってしまいます。そう、自分ではそんなつもりがなくても知らず知らずのうちに自分への期待値、ハードルを上げてしまっているのです。
まさに「よそいきのゴルフ」になっていると言えます。こうした事態に陥るのを防ぐにはどうしたら良いのでしょうか? 結論から言うと、やっぱりスコアという「結果」ではなくプロセスに集中すること。
一打一打、自分の意図したスウィングをして、意図したエリアにボールを運ぶこと。そして、それだけに集中すること。良い結果でも悪い結果でも、ゴルファーの心は引きずられてしまうものですが、そんな時に心の支えとなるのが、しっかりとしたスウィングイメージとゲームプランです。
当たり前のように聞こえるかも知れませんが、思わぬバーディーやパーという結果に舞い上がった精神状態では、そういうことが疎かになりやすいのです。また、こんな時は無理な攻め方を避けること。好結果が続くと、知らず知らずのうちに身体が力んできたり、気合が入り過ぎたりするものです。また、油断や自分への過信、といった過ちも犯しやすくなります。
慎重になり過ぎる必要はありませんが、心に負担がかかるような難しいショットや攻め方は避け、丁寧なプレーを心掛けて頂けたらと思います。
こうした事は、その日のラウンド中だけてなく「数か月、好調が続いた」「前回のコンペではベストを更新して優勝!」。といった後にも当てはまります。こういう時もやっぱり自分への期待値が高くなっています。
「好調時の自分」を基準にしてしまって、ちょっとスコアが出なかったり、ミスが続いたりすると、「あれ、おかしいな?」などと考え込んでしまって、余計に調子を崩してしまう。そんな方も多く見かけます。
ゴルフには好不調はつきもの。結果に惑わされず、自分のゴルフを見失わない。そういう姿勢がなにより大切なのだと思います。