
桜が美しいコースとして名高い小山GC
東京建物リゾートは、小山GCの全株式を取得し、同GCの運営を4月より開始している。同リゾートは約26年にわたるゴルフ場運営ノウハウを生かし、2029年までの5年間でさまざまな追加投資を予定(具体的施策は後述)。プレーヤーの満足度向上を追求した運営を行っていくと発表している。
同GCは春光グループの厚生施設として1960年開場。コース設計は巨匠・間野貞吉。同GCではコースのあちこちに咲く季節ごとの花々、特に1000本を超す桜の花吹雪に感激し、会員となった作家の城山三郎は「小山にはゴルフの愉しみが6つもある」と称賛した。
しかし、そのコースも開場から60年以上が経ち、樹木は育ちすぎて経年劣化が目立ってきた。芝もしかり。だが厚生施設ゆえゴルフ場への十分な設備投資などができず、コース管理にも十分手を入れられなかったのが現状だった。
「バンザイをしかかっていた時に声がかかった。東京建物のこれまでの実績からして救世主なのかも。ただし土日の会員優先プレー権だけは守ってほしい」と話すのは会員の一人。
同リゾートの具体的計画──。まず築65年のクラブハウスを刷新する。設計は有名なレーモンド設計事務所の予定で3年以内をめどに建て替える。また電磁リモコン式乗用カートを導入し、猛暑対策の一助にも。むろんキャディ付き、あるいはセルフプレーの選択も可能になるという。
さらにコース管理業務に「コース管理システム」(ターフマネージメント)を導入し、コースコンディションの向上を図る。土壌分析や葉身分析のデータや気象データを基に、施肥量、病害リスクの予想と薬剤散布のタイミングなどを知らせる。これまでグリーンキーパーの経験や勘に頼っていたコース管理をDXとアグロミー(農学)による科学的管理に変えることで、コースコンディションを恒常的に飛躍させるとしている。
新生小山GCの姿が待たれよう。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年4月29日号「バック9」より