男子のツアープロでも重さ60g台のものを使う最近の”シャフトスペック”事情。では、アマチュアゴルファーはもっと軽いものを使ったほうがいいのか!? ギアオタクでフィッターの小倉勇人氏に聞いてみた。
画像: アマチュアのシャフト重量はどんなふうに考えればいい?(写真はイメ―ジ)

アマチュアのシャフト重量はどんなふうに考えればいい?(写真はイメ―ジ)

それぞれのゴルファーに適した重さが大切

クラブフィッター小倉です。今回は、プロの使用シャフトのスペックについてです。最近、飛ばし屋と呼ばれる男子ツアープロでもドライバーに60g台のシャフトを使用しているケースが散見されます。ひと昔前までは、飛距離の出るプロは、皆70g台を使用しているイメージがありましたが、最近ではその限りではないようです。

こういった背景には、シャフト、ヘッドといったギアの高性能化が影響しています。20年ほど前のカーボンシャフトは、パワーのあるゴルファーのヘッドスピードに耐えうるスペックを作るには、どうしてもある程度の重さが必要でした。しかし最近では、素材、カーボンシートの編み方の技術、成形の技術が格段に進歩し、軽いスペックでも速いヘッドスピードに対応できるシャフトがたくさん存在します。

ヘッドのほうは、ツアープロが使用するモデルも大型化し、少々の打点のズレでは、ミスになりづらくなりました。20年前のプロは、自身のヘッドスピードに耐えうる重めのシャフトを装着した重めのスペックのドライバーで、自身で弾道をコントロールしながら飛ばしていました。

でも昨今のプロは、ミスに強く少々打点がズレても曲がりにくくなったヘッドの性能を最大限に生かし、自身のパワーを受け止めてくれる軽めのシャフトを選ぶことで、振ることに集中。ヘッドスピードを高めることで、飛距離を伸ばし、少々のミスはヘッドの性能で帳消しにするといった傾向に変化してきている、と私は分析しています。

こういったプロが増えつつあるため、最近はアマチュアゴルファーも軽めのシャフトを選ぶ傾向が増えてきました。ですがこの流れ、私はちょっと懸念しています。プロは、ボールをミートできる高い技術を持っているので、軽いスペックでヘッドスピードを高めつつ、ボールを安定してとらえることができますが、ボールをとらえる技術が安定していないアマチュアが軽すぎるクラブを使ってしまうと、かえってボールをとらえにくくなってしまう可能性があるからです。

クラブの重量に関しては、様々な考え方がありますが、私は、ゴルファーごとのスウィング時の力感と体重に合わせた重さのクラブを選ぶことが大切だと考えています。軽すぎるクラブだと、スウィング中の力感にクラブの重さや遠心力が負けてしまい、フェースがボールまで届き切らない”薄い”当たりやトップのミスが増えてしまいます。その状態で練習を続けてしまうと自身でボールに当てに行く余計な動きが身についてしまい、正しいスウィングが身につきにくくなるのではと考えています。

 実際のところ、私がフィッティングさせていただいたお客様の半分以上の方が、自身の適正重量よりも軽いクラブを使っていらっしゃいました。ゴルフクラブは、常に進化しています。軽いクラブは、パワーのない人向け、重いクラブはパワーのある人向け、柔らかいシャフトはパワーのない人向け、硬いシャフトはパワーのある人向けといった昔のイメージは全く当てはまりません。ぜひ次にクラブを買い替える時は、スペックをゼロから見直してみてください。先入観は、自身のベストスペックのクラブとの出合いを妨げますよ。

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