試打&解説
鈴木悠介プロ
1990年生まれ、千葉県出身。千葉学芸高校卒業後、2016年プロ入り。小誌のクラブ特集で試打解説を多数担当、ギアに精通する
LIN-Qはどんなシャフトなの?


LIN-QはPGAツアープレーヤーを視野にスタートしたシャフトで、リッキー・ファウラーがホワイトを5Wに、今年のマスターズで8位に入ったコーリー・コナーズがドライバーにホワイト、3Wと7Wにブルーを入れるなど徐々に使用者を増やしている。同社の人気シャフト・ATTASシリーズと比べると、LIN-Qシリーズは全体としてつかまり過ぎず強弾道を打ちやすいゾーンに展開。今回のレッド EXはそのゾーン内で、高く上がりやすく適度に球がつかまる性能を持つ。しっかり振ってストレートからドローで飛ばしたいゴルファーは、とくに注目だ。
全体がしなって〝タイミング〞が合いやすい

レッドEXの6Sを打つ鈴木プロ。「ヘッドの重さを感じやすくクセがない、振りやすいし、打ちやすい。自分が実際に使うとしても6Sで良さそうです」。HS48m/sで平均306.6ヤード(キャリー280.7ヤード)をマーク
一通りの計測試打を終えた鈴木プロ。LIN -Q レッドEXについて、「ヘッドの重さが感じられてフェースの向きが分かるので安心して振れるシャフトです。クラブの真ん中あたりを中心にシャフ
ト全体がしなるのはレッドならではの長所で、普段の感覚(HS48m/s前後)のまま振っても、切り返しでしなり過ぎちゃうことがなく、インパクトにしなり戻りがぴったり合う。打った7球すべてのスピン量が2700〜2790回転に収まるという驚くほどの安定感で、スピン量自体が多めなので高弾道でキャリーが出せます。
タイミングが合いやすく〝押す感覚〞が出るので『少し右かな』というショットも耐えてくれる。万人とまではいかなくても、レッドが合う人はかなり多いです」
6Sに続いてレッドEXの5Sをテスト。
「6Sのスピード感のまま打つと、打ち出し角が平均13.4度になり、弾道が高くなり過ぎてしまう。ヘッドの重みが強まり、しなりの感覚も変わるので、HS45m/s以上ならやはり6Sですね。HSを42〜43m/sに落とすと、気持ちいいしなり感が戻ってきます。インパクトのところでヘッドがバンッと出てボールを押し込んでくれて真っすぐからつかまった球が揃いだし、弾道頂点(平均)は理想的な33.6メートルの高さで、飛距離は259.8ヤード。
これなら多くの人に合いますし、しなりが心地よいので、力む人や打ち急ぎ気味の人が使うとそれも解消できて上達できそう、とも思いました」
しなりのタイミングが合いやすく、力みや打ち急ぎが消え、高弾道でキャリーが伸びる……レッドEXが〝運命の一本〞になるかもしれない。

試打方法
ヘッドはキャロウェイ・エリートドライバーのロフト9.5度。ボールはタイトリスト・プロV1を使用。各シャフトで7球打ち、上下を省いた5球の平均値を採用。OK ON GOLFで計測
TEST 01 6Sで赤→白→青の順に試打
しなり感が心地よいレッド

「レッドは、切り返しからダウンで全体的にしっかりしなって、インパクトで押す感覚が得られます。これが心地いいと感じる人は多いはず。ホワイトは、6Sでもかなりしっかりしていて、弾道が低め。ズドンと一本調子で振る人には良さそう。ブルーはゆっくり全体がしなるのでレッドに近いですが、全体のしなり感を抑えて少し手元がしなるような感じ。この6Sもしっかりしています」
TEST 02 レッドの5Sを試打
HS42~43m/sで理想的な高弾道!

「アマチュアの方に多いHS42~43m/sで打ってみたらぴったり合致しました。シャフト全体がしなる感じが心地よく、しっかり振り抜けます。ショット数値は平均ボール初速63.9m/s、スピン量が2490回転。理想的な高弾道です。ドローが打ちやすいですが、つかまり過ぎないのは、さすがアスリート志向のLIN-Qブランドです」