「ツアークオリティのクラブ工房」は、27年間、国内大手メーカーでトッププロ、トップアマ、トップジュニアのクラブをサポートしてきた今井正人氏が、クラブに関するお悩みを解決するコーナーです。他の工房で「それは無理」と断られた。買ったはいいけどまったく合わない。もうちょっと飛ぶようにならないか。この企画はクラブに生じているあらゆる問題と、その解決策を探りながら、ツアークオリティの「最高のクラブ」に仕上げるまでをレポートするものです。

Q.ウェッジのシャフトもアイアンに合わせた方がいいですか?
A.主にショットに使うのか?アプローチに使うのか?で変わってきます。

GD 今回は前回(#3)に続き、ウェッジのリシャフトと組み直し作業ですね。ヘッドは「ボーケイフォージド」、シャフトは「ツアーAD65タイプⅡ(R)」ですか……。

今井 (前回の)フォーティーン「TC‐788フォージド」のリシャフトは、ヘッドの重量管理がしっかりされていたので大きな調整もなく、9番アイアンのロフト調整のみで仕上げることができました。しかし、ウェッジはアイアンのようにはいかないと思いますよ。

GD といいますと?

今井 ヘッド重量が各メーカー、モデルで大きく異なるので、アイアンの流れ通りに合わせてバランスが出せるかどうか気になります。まずは、ヘッドを抜いてみましょう。

画像: ウェッジはヘッド重量がメーカー、モデルで異なることが多い。ギャップウェッジは総じて軽く作られているためバランスが出にくい傾向があります

ウェッジはヘッド重量がメーカー、モデルで異なることが多い。ギャップウェッジは総じて軽く作られているためバランスが出にくい傾向があります

GD どうですか?

今井 やっぱりホーゼル内から錘 (おもり)が出てきました。48度のヘッド重量が非常に軽く、52度も軽め。58度は何とか大丈夫かな? という数値です。これは今回だけのことではなくよくあることです。
 
傾向としては米国メーカーのものは「46度~50度」が非常に軽く、「52度~56度」が軽く、「58度、60度」はそれよりも重くなっていることが多いんです。日本のメーカーは、「48度~54度」がひとつのグループで、「56度、58度」がもうひとつのグループになっている感じがします。

GD 48度が284.2グラム、52度が291.1グラム、58度が299.3グラム。

今井 長さをアイアンに合わせると、48度はPWと同じ35.5インチ、52度は35.25インチ、58度は35インチにしたいので、48度と52度はウェイト調整がかなり必要です。バックフェースにそうとう鉛シートを貼らないとバランスが出ないと思います。

GD そんなにですか。

今井 ホーゼル内での調整は無理なので、外部調整になります。幸い今回の依頼主は外側に鉛を貼ることをオッケーしてくれているので助かりますが、これをホーゼル内で調整するとなると「要相談」ですね。

GD アイアンのシャフトは「2番手ずらし」でしたが、ウェッジは?

今井 48度を「アプローチクラブ」と考えるか、PWの延長で「ショットクラブ」と考えるかで変わってきます。アプローチクラブに仕上げるならウェッジ用を使用しますが、今回はショットクラブとして使いたいとのことなので、9番アイアン用のシャフトを2番手ずらして48度のヘッドに挿します。

GD 組み上がりましたが……。

今井 鉛シートで調整していきましょう。

画像: 5グラム以上のバランス調整が必要な場合は、鉛シートで外部調整を推奨しています

5グラム以上のバランス調整が必要な場合は、鉛シートで外部調整を推奨しています

GD バックフェース一面に鉛シートを貼りましたが、さすがツアークオリティのクラブ工房ですね。ロゴは隠れてしまいましたが、ある意味「プロトタイプ」のようで格好いいです。

今井 最後にライ、ロフト、フェースプログレッションを調整していきます。48度のライ角が62度で0.5度フラットだったので、PWと52度と同じ62.5度に調整して、ロフトを48度を49度に、52度を53度にそれぞれ1度寝かせました。これでPWと48度の差が4度、52度との差も4度になるので、ピッチが均等になりました。

画像: 最後にライ、ロフト、フェースプログレッションを整えて組み直し作業は完了です

最後にライ、ロフト、フェースプログレッションを整えて組み直し作業は完了です

GD ロフトを寝かせることもあるんですね。

今井 ありますよ。48度とか、52度のギャップウェッジはロフトを増やすと球が上がることでキャリーが出るようになるので、もうちょっとウェッジの距離を伸ばしたいという人にはおすすめしています。アマチュアの場合は、50度以上のロフトのあるクラブでは飛距離が伸びるので、ウェッジ間の距離差が作れないでお困りの人は、ぜひご相談いただければと思います。

画像: 今回の依頼はアイアン4本、ウェッジ3本のリシャフトとクラブの組み直し作業をしました。48度のライ角と、9番、48度、52度のロフトを調整することでセットとしての統一感を出しました

今回の依頼はアイアン4本、ウェッジ3本のリシャフトとクラブの組み直し作業をしました。48度のライ角と、9番、48度、52度のロフトを調整することでセットとしての統一感を出しました

GD 今回とは逆のケースはどうするんですか? ヘッド重量が重くバランスが出過ぎる場合もあると思うんですが?

今井 ホーゼルの中をほじったり、ヘッドに穴を開けて重量を落として軽くする作業をします。クラブの長さで調整することもあります。ウェッジの調整にはいろいろなやり方があるので、ご相談いただければ最善の方法をご提案させていただきます。

【依頼主のレビュー】
今まではカタログを見て自分なりにセットを組んでいたのですが、今回リシャフトとクラブの組み直しを依頼して、数値が明確になったのでクラブ対する不安がなくなりました。48度と52度のロフトを1度寝かせたことで、100ヤード前後の迷いがなくなりました。

ウェッジのカーボンシャフトも正解でした。これまではアイアンはアイアン、ウェッジはウェッジというように打ち分けていましたが、アイアンとウェッジが統一されたのでゴルフがやさしくなったような気がします。今回はアイアン、ウェッジ計7本を完璧に仕上げてもらい、本物のセットでプレーできることに喜びを感じています。

【今井正人のクラブなんでも相談会&フィッティング】絶賛開催中!

「クラブなんでも相談会」開催日は随時更新しております。シェパーズゴルフスタジオHPでご確認ください。
【場所】シェパーズゴルフスタジオ(JR石川町駅、徒歩0分)
【料金】90分/16500円(税込み)、120分/22000円(税込み)
※フルセットのフィッティングをご希望の方は120分のお申し込みをお勧めします。

開催日、お問合せ、お申し込みはこちら

●今回ご紹介した「クラブ組み換え」、「ツアーAD65タイプⅡ」のリシャフトをご希望の方は、下記ホームページからお問合せください。

ゴルファーズラウンジby tantanto

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