
80台を目指すなら、使用するボールにもっと関心を向けたい
ロストボールでも100は切れる。でも80台を目指すなら?
今回はボールのお話を。よく言われるのは、上達したいなら使うボールの銘柄は固定したほうが良いということ。確かにボールによって飛距離性能やスピン量、ボールの高さ、打感などは様々です。
ゴルフゲームは狙ったところにボールを運んでいくゲーム。自分の意図した以上に飛んだり、飛ばなかったり、グリーン上で止まったり、止まらなかったり、という事ではゲームの組立てが難しくなってしまいます。
ただ、ルール上は同じ銘柄のボールを使い続ける義務はありませんし、決して安くはないゴルフボール。常に新品の「ニューボール」を使い続けるのはお財布にも優しくないですよね。
一方、ボールに関してよく耳にするのは、「ボールなんてどれを使っても大差ないよ。ロストボールで充分」「どうせOBや池ポチャで失くすから、安いボールじゃないともったいない」。こうした声もよく理解できます。
でもゴルフを始めたばかりの頃ならそれでも良いですが、100が切れて、それ以上のレベルを目指したい! という人ならボールにもこだわって頂きたい。たとえロストボールを使う場合でも、闇雲に使うのではなく、ボールの銘柄や一つ一つのボールの状態を見極めた上で使うこと。
例えば色々な銘柄の入った10個入りのロストボールを買ったとします。なかにはウレタンカバーのツアープロ向けボールや、見るからに硬そうなディスタンス系、塗料や仕上げにこだわった高級モデルなど、様々なボールが混じっていることでしょう。
これはある意味、ボールの比較テストが出来る格好の機会です。それぞれのボールのプランドや外見を確認してから使うことで、少しずつボールの性能差が実感できるようになります。
「あれ、このブランド、シニア向けだと思っていたけど、打感柔らかいね!」「えっ、ウレタンカバーだとこんなにスピン掛かるんだ!」「ああ、ここまで変色してたら、流石に劣化してて全然飛ばないね」。こうした経験を積み重ねていくと、少しずつ自分の好みが分かってきます。
「やっぱりウレタンカバー一択だな。この打感は止められないね!」「妙にこのプランドだとスコアがまとまる気がする。相性が良いみたい」「ロースピン系ボールはやっぱり曲がりが少ないね。とにかくOBを減らしたいから当分このボールでいこう」「やっぱり黄色のボールが一番見やすい! 色は黄色に決めた」
こんなふうに自分なりの好みが分かってくれば、ボールのチョイスも楽しくなります。ロストボールを買う時でも、出来るだけ自分好みのボールが多く入っているものを探したり、少なくとも自分の好みでは無いボールは避けるようになります。
こうした「こだわり」が出てくると、「やっぱり自分が安心して使えるボールでフレーしたい」「ショットやスコアが悪かったのをボールのせいにしたくない」。こういったマインドが生まれてくることでしょう。
このこだわりこそ、実は上達への大切なポイント。アイアンショットで自分の思い描いた通りの弾道で、ボールを運ぶ。アプローチで、自分のイメージ通りにボールを止める。好結果の喜びも、ボールへの信頼感があってこそ。その確信の積み重ねが確実な進歩を生むのではないでしょうか。
それぞれのプレーヤーが使用するボールをチョイス出来る、他のスポーツにはない楽しみがあるのがゴルフというゲーム。80台を目指すなら、使用するボールへの関心を高めてもらえたら、と思います。