最近、増えてきた30g台や40g台といった超軽量で硬めフレックスのシャフト。どんなゴルファーに合うのかギアオタクでフィッターの小倉勇人に聞いてみた。
画像: 30g、40g台に超軽量シャフトについて考えたみた(写真はイメージ)

30g、40g台に超軽量シャフトについて考えたみた(写真はイメージ)

選択肢が増えることは、ユーザーにとってありがたい

クラブフィッター小倉です。今回は、シャフトのスペックについてです。アフターマーケット用のドライバーシャフトのスペックには、モデルによって30g、40gのいわゆる超軽量スペックがラインナップされています。

これらの超軽量スペックは、ひと昔前までは、R、R2などといった軟らかめのフレックスが中心だったのですが、近年では、S、Xといった硬めのフレックスもラインナップされるようになりました。これらのスペックは、一般的な純正シャフトが50g台であることを考えるとかなり特殊なスペックになります。こういった特殊なスペックは、一体どんなゴルファーにマッチするのでしょうか。私なりに考察してみました。

こういった超軽量スペックの最も大きなターゲット層は、重さがあるとヘッドスピードが落ちてしまい、なおかつ振り遅れや、ダフリといったミスにつながってしまうパワーのないゴルファー向けのモデルといえます。

自身に合ったパワーに合わせ、クラブの総重量や長さ、シャフトのスペックを合わせることは、スウィングの再現性を高めるために非常に重要なポイントです。シャフトはゴルフクラブの真ん中に位置するパーツ。クラブとしてのバランスを保ちながら、重量や長さを調整するには、シャフトのスペックで調整するのが、最も都合が良く、そういったゴルファーには、非常にありがたいスペックになります。

硬めのフレックスが増えたのは、より個々のゴルファーにマッチさせやすくするためでしょう。こういったスペックはゴルファー側からの要望がなければ、ラインアップされません。しなりすぎないほうが、タイミングがとれるといったゴルファーの要望に応えた結果なのだと思います。昨今では、キャロウェイのMAX FASTシリーズや、テーラーメイドのMAX LITEシリーズのような、メーカー自ら軽量シリーズをラインアップしています。こういったシリーズのリシャフト用のモデルとしてもマッチしますので、その流れにも影響を受けているのでしょう。

他の用途としては、ドライバーの長尺化に適したスペックとも言えます。ドライバーを元のスペックと同じぐらいの重量帯で長尺化してしまうと、重量がほぼ変わらない状態でクラブ長が長くなるため、ヘッドのバランスが強くなりやすく、振り遅れやすいクラブになってしまいます。長くしても振り心地を追求するために、こういった軽量かつ、フレックスが選べるシャフトは、非常に重宝します。

選択肢が増えることは、ユーザーにとって非常にありがたいことです。しかしその選択をすることによって、どのような変化が起きるのか、メリット、デメリット両方を理解したうえで行わないとかえって悪化してしまうなんてことが起きかねません。

一般的なスペックのクラブを使用しているゴルファーが、ヘッドスピードを高めて飛距離に特化したいからと、こういった超軽量スペックのモデルにすると、他のクラブとのウェイトフローのバランスが崩れ、ドライバーと他のクラブとの振り心地の差が極端についてしまう可能性があります。ですが、ドライバーは、他のクラブと別物と扱うという考え方もあります。ゴルフに関しては、様々な考え方があり、判断が難しいところです。

ただ、もしかしたら劇的に良い方向に変わるかもしれない! といった期待と勢いでこういったスペックにチャレンジすることもゴルフの楽しみのひとつです。是非そういった勢いも楽しんでいただきつつ、うまくいかなかった時のことも考え、もとに戻せる手段は残しておくことをお勧めします。

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