
主催者の米澤蓮(中央)と左から森部起基さん、水谷海琉さん、横田彪五さん、藤原天飛さん
「僕は両親がゴルフをしなかったので、例えばゴルフ場の送り迎えとかも知り合いの方たちがしてくれたり、本当に多くの人にお世話になってゴルフを続けることができてプロになれたんです。だから自分がやってもらったことを次の誰かに返すというのが、僕がプロになってやりたいことのひとつだったんです。そもそも本来は子供はみんながやりたいことができる環境にあるべきで、そこに差があっちゃダメだと思うんです。ゴルフに興味があってもできないとか、やっている子で実力があっても金銭的に試合に出られなかったり、結果的にプロになることも諦めてしまったりする子が割といるんです。恵まれた環境の子しかプロを目指せないという現状をなんとかしたいという思いがずっとありました。そんななか、キャメロン・スミス選手がやっているスカラシッププログラムがいいなと思ったので、真似させてもらって(笑)。同じことをはじめようと」

米澤のショットを目と動画に記録する参加者たち
最初の取り組みとして、米澤が初優勝した中日クラウンズの練習ラウンドに4名を特別に帯同させて、コース戦略や技術を見て学ぶ機会を設けた。通常は立ち入ることのできないツアー会場の練習ラウンドという現場で、ロープの中を歩きながら間近で見るショットに目を輝かせる参加者は得難い体験をした。予選2日間も試合を観戦し、その後は8月に合宿を予定している。
「今後も僕が子供の頃に『こんなことをやってほしかった』と思うことをやっていこうと思っています」
恵まれた環境で育ってプロになった人には気付けないことだからこそ、自分がやらないといけないという使命感がある米澤。今後の活躍を期待したい。

ラウンドの最中にお悩み相談も。「どうすれば試合で緊張しませんか?」という質問に「たくさん経験を積んで慣れていくしかないんだよね。僕も初めての優勝争いは緊張したしみんなする。メンタルトレーニングとかあるけど結局経験を積むしかないと思うよ」と優しく答えていた