
パナソニックオープン初日、暫定トップタイの小林夢果(撮影/岡沢裕行)
21歳の小林が悪天候の中で4バーディ、1ボギーの安定した内容で回り暫定首位スタートを切った。
「この雨の中、アンダーで回れたことが一番うれしいです。セカンドショットが荒れている中、パターが入ってくれたので、スコアを伸ばすことができました。3アンダーという形で終われてよかったです」
この日は降雨の影響で午前11時55分に競技が一時中断。午後1時48分に再開となったが、3時30分に再度中断となり、そのまま再開の見通しが立たずサスペンデッドとなった。
小林は3番パー5でピンまで残り100ヤードの第3打を54度のウェッジで奥1メートルに乗せてバーディ先行。7番パー4は8メートルの軽いスライスラインを読み切ってスコアを伸ばした。後半は12番パー4で2メートルのバーディパットを決めた後、13番パー4のティーイングエリアで一度目の中断を迎えた。
「13番のティーグラウンドで中断を知って、そこからクラブハウスに戻ってゆっくりしました。20分くらい休んで13番に向かいました。この雨の中では伸ばし合いはないと思ったので、耐えれば順位も少しずつ上がるという考えでした。後半は耐えるゴルフが多かった中でしっかりとバーディが取れたので良かったと思っています」
再開後の13番はボギーとしたが、15番パー5で残り80ヤードの第3打を1メートルにピタリとつけて1ホール遅れの「バウンスバック」に成功。難易度が高い186ヤードの最終18番パー3も左からの強い向かい風に対し、4番ユーティリティで見事に7メートルにつけ2パットのパーで締めた。
「18番はアゲンストの風でほぼ200ヤードくらいはありました。普段(の18番H)なら6番アイアンですけど、いい感じのところに乗ってくれました。バーディパットは惜しかったですが、パーで上がれたので明日につながります」
暫定とはいえ首位でこの日を終え、初優優勝へ向けて絶好の位置をキープした。競技を終えたことは2日目に残りのホールも消化しなければならない選手に比べれば断然有利に働く。前々週のKKT杯バンテリンレディスは最終日後半で3打落としてV逸の3位。その悔しい思いも今週にぶつける。
「(先週から)切り替えてはいないですけど、そのうちにチャンスがくるかなと思っているので、あまりそこは引きずっていないです」
「レジェンド」ジャンボ尾崎将司の門下生。優勝を逃がしたバンテリンレディスは同門の佐久間朱莉が悲願の初優勝を果たし、同じく同門の西郷真央は米ツアーのメジャー・シェブロン選手権を制覇した。ライバルでもある同門の仲間たちの活躍からも力をもらっている。
「(2人は)すごいなあと思っています。(師匠が)喜んでくれるようなプレーができたらいいなと思います。でも、そこまでは考えられないです。ショットが荒れているので自分のゴルフで精一杯です。あと2日間全力で頑張ります」
初優勝が視界に入っても、おごらず慢心せず、しっかりと足元を見据えた。