昨夜からの雨が昼過ぎまで残り小雨の降る天候。風は弱くグリーンは少し軟らかくなったものの相変わらずスピードは出ていました。最終組から4組前の2アンダースタートの山城奈々選手が前半にスコアを3つ伸ばし、申ジエ選手はスコアを1つ伸ばして4アンダーでターンします。

「ワールドレディスサロンパスカップ」の3日目を終えスコアを10アンダーまで伸ばした首位の藤田さいき
首位から出た藤田さいき選手は6番パー3でバーディを奪うも9番パー5の3打目をバンカーからホームランし、奥からのアプローチがチャックリしダブルボギーとし5アンダーで前半を終えます。その時点での首位は葭葉ルミ選手の6アンダー、10番でバーディを奪った申ジエ選手が5アンダーになり、順位が入れ替わります。
雨が上がった後半にスコアが大きく動き出します。10番でバーディを奪った申ジエ選手は12番でボギーとしますが13、14番で連続バーディ。勢いは続き、17番パー3でUTを一閃すると奥のピンにピタリと寄せバーディ、最終18番パー5でも3打目をピンの根元に落としてバーディとしスコアを4つ伸ばして8アンダーでフィニッシュ。

67とスコアを伸ばし2位に浮上した申ジエ
対する藤田選手は、12、13番で連続バーディ。そして16番からも3連続バーディで10アンダーまでスコアを伸ばし後続に2打差をつけてフィニッシュしました。藤田選手は前週を体調不良で棄権し、休養のあと、今大会には「這ってでも出場する」という意気込みで出場していますが、2日目には体調不良がぶり返し、手首の故障もあり満身創痍の39歳はメジャー初優勝を目指して最終日に臨みます。
コンビを組む小谷キャディによると、練習日に天本ハルカ選手のコーチを務める伊澤利光プロにアプローチのアドバイスをもらうと閃きがあったといい、「グリーン周りの深いラフからでも恐れずにアプローチできています。それにパッティングが今大会のグリーンとすごくマッチしているのでパットに救われています」と教えてくれました。

39歳の同い年でコンビを組む藤田さいき(左)と小谷キャディ(右)
39歳の藤田選手はショートアイアンでもターフを取らない体への負担の少ないスウィングで、37歳の申ジエ選手はピンに絡むUTの精度、卓越したショートゲームの上手さで、長い現役生活で培ってきた経験と技術をフル活用して難しいピン位置、スピードのあるグリーンに対してこうやって攻めるんだ、というゴルフを見せてくれました。
藤田選手を2打差で追う申ジエ選手、5打差に山城奈々、葭葉ルミ、6打差に蛭田みな美、小林光希選手と続きます。「ゴルフは最後まで何が起こるかわからない」と言われる最終日にメジャーの栄冠を手にするのは誰になるのか。明日も現地からのレポートをお届けします。
写真/姉崎正