本日から始まる男子メジャー・全米プロゴルフ選手権。U-NEXTで配信される本大会を現地ノースカロライナ・クエイルホロークラブでの丸山茂樹プロとの名コンビでお馴染み・杉ちゃんこと杉澤伸章キャディが「みんなのゴルフダイジェスト」に寄稿してくれた。大会の注目ポイントをおさらいしよう!
画像: 17年大会で涙を流した舞台でメジャー2勝目を狙う松山英樹

17年大会で涙を流した舞台でメジャー2勝目を狙う松山英樹

悪夢か、それともチャンスか? PGA屈指の難関「グリーンマイル」

日本の皆さん、今年も全米プロゴルフ選手権の季節となりました。今大会が同会場・クエイルホロークラブに戻ってくるのは2017年大会以来8年ぶりです。その2017年大会では、松山英樹プロが最終日まで優勝争いを続けたものの惜しくも優勝を逃し、悔し涙を流したことは多くのファンの記憶に残っていることでしょう。
今回は杉澤から、全米プロならではの見どころをお伝えさせていただきます。

全米プロは、PGAツアープロだけでなく、ゴルフ場所属のクラブプロも出場することが主な特徴です。普段はゴルフ場の経営やレッスンに励むクラブプロたちが、年に一度の大舞台で夢を追い挑戦する姿を見ることができます。

画像: クエイルホロークラブの全米プロは8年ぶりの開催

クエイルホロークラブの全米プロは8年ぶりの開催

そんな彼らの一方で、ツアープロからするとこの全米プロは、会場のクエイルホロークラブは同じ時期に普段のトーナメントで使われているコースでもあるため、無駄に力まず挑める大会になっていると思います。同じ時期に普段から使われているということで、芝の感じや気温、雰囲気が変わらないため、普段通りの準備やテンションを保ちながら目の前の1勝を取りに行くことになります。

クエイルホロークラブといえば、PGAツアー屈指の難関として知られる16番からの3ホール「グリーンマイル」が有名ですね。「死刑宣告」と恐れられることもあるこのホールは、思わず冷静さを失いがちです。

しかし、クエイルホロークラブはただ難しいだけのコースではなく、チャンスとピンチが常に隣り合わせにある、18ホール回っても飽きないコースとなっています。

本会場でキャディとしてもリポーターとしても経験がある私から、より詳しく各ホールの詳細をお伝えさせていただきましょう。

まず本コースは、グリーンマイルだけが難しいわけではありません。例えば、1番「505ヤード・パー4」は、正確なティーショットとセカンドショットが求められるモンスターホールです。特にこのホールは右に曲がっていくホールであり、正面のバンカーまでが333ヤードで、そこに向かっていくことになります。最初から大変難しいコースと言えます。9番「530ヤード・パー4」も、距離と正確性を兼ね備えたショットが必要な難しいホールです。

一方で、7番「546ヤード・パー5」は比較的バーディを狙いやすく、8番「346ヤード・パー4」はワンオンを狙ってくる選手も現れるでしょう。ここは本コースの中でも比較的優しいホールなので、いかに落とさず結果を出すことが重要ですね。

そして、グリーンマイル直前の14番「344ヤード・パー4」、15番「577ヤード・パー5」も比較的スコアを伸ばしやすいと思います。16番以降のグリーンマイルに備えて、ここで貯金を作っておくべきですね。仕入れができるところでしっかり仕入れて準備をすることが大事です。とはいえ、チャンスホールには池があったりするので、油断はもちろん禁物です。

このコースを制するには、メリハリのあるプレーが不可欠になってきます。ただ安全にパーを拾うだけでなく、積極的にバーディを狙っていく姿勢が重要になってきます。ミスを恐れず、果敢に攻めることで、思わぬチャンスが生まれることもあります。難しいホールで無理をせず、チャンスホールで確実にスコアを伸ばす。緩急自在のコース攻略こそが、勝利への道を開くのだと思います。

松山英樹、静かに燃えるリベンジの炎~「あの時の涙」を力に変えて

2017年大会、松山英樹は2日目に首位に立ちながらも、最終日にスコアを落とし、惜しくも優勝を逃しました。その悔しさを胸に、再びクエイルホローの地に立ちます。

画像: 黒宮コーチと入念にチェックする松山

黒宮コーチと入念にチェックする松山

火曜日の練習ラウンドでは、私も9ホールを歩いてまわりました。決して調子がいいとは言えなかったですが、ラウンド後の練習では、黒宮コーチと共にスウィング調整に時間を費やし調子を取り戻したように見えました。

松山選手は自分に謙虚であり、またメジャーで勝ったことがある人だからこそ、メジャーの難しさを知っています。

今回の練習ラウンドではグリーンを外した際のアプローチ練習にも時間を割いていました。メジャー特有のタフなセッティングを意識してのことだと考えられます。松山選手への期待と共に、メジャーチャンピオンの練習のあり方について改めて教えてもらったような気がしました。

余談ですが、現地では「ジョーダン・スピース」が今大会で優勝すれば、キャリアグランドスラム達成になると、注目になっています。この前行われたマスターズで、ローリー・マキロイがグランドスラムを達成したため、もしジョーダンが優勝すると今年2大会連続でキャリアグランドスラムが誕生することになります。

松山英樹、ジョーダン・スピース、そしてクラブプロたち……。

それぞれのドラマが交錯する全米プロゴルフ選手権を、ぜひU-NEXTで見てくださいね。

構成/U-NEXT木村真希
写真/U-NEXT提供

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