
ムービングサタデーで首位に立ったスコッティ・シェフラー(撮影/Blue Sky Photos)
13番までは4バーディ、3ボギーで1つしかスコアを伸ばせなかったシェフラーだがワンオン可能な14番パー4で目の覚めるようなスーパーショットを放ちピンそば1メートル弱にピタリ、イーグルを奪ってエンジン全開に。
「グリーン手前が絶好の位置だと思ってそこを狙って3番ウッドで強いドローを打ちました。届くかどうかわからなかったけれどツキもあって思い通りのショットが打てた」という彼は続く15番パー5でもきっちりバーディを奪い混戦から抜け出した。
圧巻だったのはグリーンマイルと呼ばれる難しい上がり3ホール。16番パーのあと17番ではティーショットを5メートルに寄せバーディ、18番も残り166ヤードを3メートルのチャンスに乗せて連続バーディ。
一時ブライソン・デシャンボーやジョン・ラームと並んでいたのが幻かのように、上がり5ホールで一気に突き放し3打のリードを築き上げた。
「終盤はショットの調子が上がっているのを感じました。いいショットを2回続けてもバーディチャンスに恵まれないこともあります。僕はいつもただ自分のショットに集中することだけを考えている」
ツアー屈指のショットメーカーだがパッティングが弱点といわれた時期もあった。本人も「23年は(弱点といわれた)パッティングに余りにも力を入れすぎ、完璧になりたいと自分にプレッシャーをかけ過ぎた」そうだが今季はストロークゲインド:パッティング19位。
7勝を挙げミラクルシーズンを過ごした昨年でさえ同ランク77位だったのだから今シーズンいかにグリーン上でレベルアップしているかがわかる。ちなみに本人が「悩んだ」23年のデータは162位だった。
「他のスポーツなら相手を攻撃して得点することもできる。でもゴルフは相手のプレーをコントロールすることはできません。突風も落下したボールがどうキックするかもコントロールできない。自分にできるのはただ集中してやるべきことをやるだけ」
残り18ホール、絶対王者の孤独な戦いは続く。