
しみず たいせい
日大ゴルフ部1年生のときに日本学生優勝。4年時にプロ宣言、翌年シード権獲得。24年は未勝利ながら賞金ランク8位となる。福岡県出身の26歳。ロピア所属
「僕、高校生までは飛ばない方だったんです」
バットを振ってゴルフのための筋肉をつけた

インタビュー中の清水大成(撮影/有原裕晶)
2代目ベースボールグリップ選手はツアー有数の飛ばし屋だ。しかも他の飛ばし屋たちは180㎝オーバーの体格のなか、清水は175㎝だからますます興味が湧く。生まれながらに飛ばしの才能があったのか?
「僕は小さい頃は全く飛ばなかったし、高校3年生までは飛ばないほうでした。高3くらいで急に背が伸びたのと、友達と一緒にトレーニングをやり始めたら飛距離がすごく伸びたんです」
体の成長期に飛距離も成長したということだ。しかし誰もがそこがリンクするわけではない。ならばトレーニングの内容が良かったということか?
「やっぱりもっと飛ばしたいという気持ちがあったので、バットを振ったりしてゴルフのための筋肉をつけるようにしたんです。あとは筋トレ好きの友達とジムに行ったりもしました」
ジムではどこを鍛えるのか?
「下半身メインです。飛ばしたいから腕は自然に速く振ろうとして力が入るんですけど、そのときに軸がブレたらダメなので、下半身を鍛えてどっしりさせる必要があると思います」
300Yの源はこの太ももです

ジムでは下半身をメインに鍛えるという清水大成(撮影/有原裕晶)
不調に陥っても握り方は変えなかった

桜美式ベースボールグリップ
ベースボールグリップは飛ばしに関係しているのか?
「この桜美式(おうみしき)グリップは左手親指に負荷がかからないように、指や手首を痛めないようにということが目的なので、飛ばしのグリップというわけではありません。ですが、左親指をグリップに乗せていないから、そのぶんクラブの動きが大きくなるという点では飛距離に繋がっている気がします」
いいグリップなのは間違いないが、圧倒的少数派でもある。グリップを変えようと思ったことはなかったのか?
「練習で試したことはあるんですよ。でも指を絡ませて持つのがものすごい違和感で、まったく無理でした(笑)」
桜美式グリップを試してみると、クラブのコントロールが難しい印象だが……?
「確かにオーバーラッピングとかのほうがクラブコントロールはしやすいかもしれません。でも僕はプロ入り後に不調になって球が右にしか飛ばない時期がありましたが、そのときもグリップを変えようとは思わなかったし、コーチの内藤雄士さんもグリップ以外の部分でスウィングを修正してくれました」
桜美式とは?
福岡の「桜美ゴルフハウス」主宰の篠塚武久氏が提唱する理論。何の知識もない子供が初めてクラブを握るとみんな指を絡めず10本で持つので、それが自然な握り方であり、左親指つけ根の亜脱臼などの怪我の防止にもなると説いている。
桜美式グリップは“ヘッドが走る”ことが大きなメリット
清水’s グリップ①
左親指をクラブに乗せない

ベースボールグリップはクラブの横に外して持つ
ベースボール以外のグリップでは左親指はクラブの上に乗るが、ベースボールグリップはクラブの横に外して持つ。
清水’s グリップ②
右手のV字は右肩を指す

V字は右肩を指している
右手親指は開かずに閉じた状態で、V字は右肩を指している。両手の指が絡んでいないため、間に隙間が見えている。
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清水大成が平均300Yを飛ばす秘訣に迫った「月刊ゴルフダイジェスト」では、飛距離アップに繋がるトレーニング方法や、クラブを大きく動かせる「桜美式グリップ」について紹介している。続きは月刊ゴルフダイジェスト7月号、Myゴルフダイジェストにて掲載中!
構成/重富由美子
写真/姉崎正、有原裕晶
取材T/中日クラウンズ
※月刊ゴルフダイジェスト7月号「“ベースボールグリップ”で世界を獲る」より