打感が良くなり、弾道が高くなる
軟鉄鍛造のポケットが〝ごちそう〞だ!
Xフォージド MAXはトウとヒールに2つの小さなポケット

X フォージド MAX 7Iロフト角32度

X フォージド MAX 7Iロフト角32度

X フォージド MAX 7Iロフト角32度
1ピースの軟鉄ヘッド+CNC加工。トウとヒール部分には精密に削り出したポケット状の2つの穴が開く。この部分の余剰重量によって打点部分を肉厚化、ソール幅をワイドにしている。Xフォージド 24と同等の打感の良さを保ちながら、球が上がりやすく、打点ブレやダフリに対する寛容性も高いアイアンになったという
Xフォージド MAX STARはマックスサイズの大きなポケット

X フォージド MAX STAR 7Iロフト角30度

X フォージド MAX STAR 7Iロフト角30度

X フォージド MAX STAR 7Iロフト角30度
軟鉄鍛造ボディと軟鉄鍛造フェースの2ピース構造。大きなポケットを開けたことによって重心が深まり、フェース面上のスイートスポットが広くなって飛距離が出るだけでなく、球がやさしくしっかり上がる性能になったという。大きめヘッドの見た目の通り、Xフォージドシリーズ最大級のやさしい性能を実現させた
キャロウェイのプロダクト担当、石野翔太郎さんに2つのニューアイアンについて聞いた。
Q. 2モデルとも日本のチーム主導で開発したと聞きました。
A. はい。コンセプト段階から日本のプロダクトチームによる提案で開発しました。日本らしいXフォージドを意識して江戸切子をモチーフにバックフェースにXを入れました。
Q. 日本専用モデル?
A. いいえ、(米国の)本社でも評価が高くMAXは米国でも販売します。MAX STARは日本を含めたアジア圏です。
Q. MAXはどんなコンセプトなのでしょうか?
A. Xフォージドシリーズには、昨年発売したXフォージドと飛距離を求めたSTARという2モデルがすでにあります。MAXは、そのXフォージドよりもロフト設定を1度立てています。飛距離を出しつつも、トウとヒールにポケットを設けて球が高く上がりやすく、寛容性も兼ね備えたモデルです。ポケット分の余剰重量を打点部分などに集めているので軟鉄らしい打感の良さはXフォージドと双璧だと思います。
Q. プロはテストしているのでしょうか? その評価は?
A. 現時点では青木香奈子プロと吉田鈴プロが打っています(話を聞いた6月5日時点)。青木プロは「スピンが入って球が上がりやすく操作性も高い」と、吉田プロは現在XフォージドSTARを使っていますがMAXを打つと、「明らかに弾道が高くなっている」と、2人とも興味を持っていました
Q. ツアーの真っ最中で、即スイッチするかは微妙だと思いますが、かなりポジティブな評価で良さそうですね。一方のMAX STARは?
A. これまで飛距離重視の飛び系アイアンを使っていた方が、アイアンの王道らしい軟鉄鍛造の良い打感を求めた時に合致するイメージで開発しました。フェース側もボディ側も軟鉄鍛造素材なので、ただの飛び系アイアンと違って、飛距離性能だけでなく打感の良さも備えています。最大の特徴は、とにかく球が高く上がりやすいこと。大きなポケットと意図的に寝かせたロフト設定によって、それが実現できました。だからヘッドスピードがそれほど速くないアベレージクラスの方が使っても、十分に高く上がってキャリーが出て、目標地点に止めることができます。ヘッドサイズも大きくしているので、構えた時の安心感もあるはずです。
Xフォージドシリーズ4モデルの7Iロフト比較
・29度ーXフォージド STAR 24
・30度ーXフォージド MAX STAR
・32度ーXフォージド MAX
・33度ーXフォージド 24
今回の新しい2モデルを加えたXフォージドシリーズ4モデルの7Iロフト比較。飛び系のSTAR 24よりもMAX STARはロフトが1度大きく、MAXはXフォージド 24よりも1度立っている
X FORGED 4モデル比較テスト

試打・解説
鈴木悠介プロ
1990年生まれ、2016年プロ入会。ツアー出場に挑戦する傍ら、インドアゴルフ練習場「08ゴルフ倶楽部in九十九里」で多くのゴルファーを指導中
テスト方式
テスト1~3は各7Iを7球打ち、ショット測定器OK ON GOLFによる計測データの上と下を省いた5球の平均値を採用。記事内の数値はすべてこの平均値。シャフトはすべてN.S.プロ モーダス³ ツアー105(S)、ボールはクロムツアーX。
TEST1❘ XフォージドMAX VS Xフォージド24
MAXの弾道頂点は30m超え「楽に上がるのを実感します」

「2つのポケット効果、大きいです」
7I通常ショット | 飛距離 | キャリー | ラン | ヘッドスピード | ボールスピード | バックスピン量 | 打ち出し角度 | 弾道高さ | 落下角度 |
Xフォージド MAX | 200.6Y | 189.3Y | 11.3Y | 38.9m/s | 56.7m/s | 4630rpm | 17.2度 | 31.3m | 45.4度 |
Xフォージド 24 | 196.9Y | 185.0Y | 11.9Y | 38.5m/s | 55.9m/s | 4690rpm | 17.1度 | 29.8m | 44.9度 |
Xフォージド MAXは、すでにテストをした女子プロから高評価を得ているという。そこでツアー系ハーフキャビティのXフォージド 24と比較。
「打感はXフォージドに匹敵する軟らかさでフェースに長く乗っている感覚があります。その手応えから『球が上がっているな』という感覚が得られて、数値を見てもその通り。弾道頂点が31.3mと高く、地面(グリーン面)への落下角度も十分(45.4度)。飛距離も十分です。トウとヒールのポケットの恩恵を感じる、やさしく狙えるアイアンです」(鈴木プロ・以下同)
TEST2❘ XフォージドMAX STAR VS Xフォージド24
「MAX STARの頂点は5mも高い。これはやさしいです」

「ヘッドサイズは大きめ。構えた時の安心感もありますね」
7I通常ショット | 飛距離 | キャリー | ラン | ヘッドスピード | ボールスピード | バックスピン量 | 打ち出し角度 | 弾道高さ | 落下角度 |
Xフォージド MAX STAR | 208.4Y | 195.3Y | 13.1Y | 38.4m/s | 57.5m/s | 4544rpm | 15.8度 | 29.9m | 43.9度 |
Xフォージド STAR 24 | 209.3Y | 192.9Y | 16.4Y | 38.4m/s | 58.2m/s | 4341rpm | 12.4度 | 24.8m | 39.1度 |
MAX STARは、同シリーズの飛び系STAR 24と比較テスト。
TEST3❘ XフォージドMAX VS XフォージドMAX STAR
鈴木プロに6割の力感で打ってもらった

「スピンが入ってしっかり上がりました」
7I通常ショット | 飛距離 | キャリー | ラン | ヘッドスピード | ボールスピード | バックスピン量 | 打ち出し角度 | 弾道高さ | 落下角度 |
Xフォージド MAX | 158.3Y | 144.9Y | 13.4Y | 35.4m/s | 47.7m/s | 5255rpm | 16.9度 | 21.2m | 40.6度 |
Xフォージド MAX STAR | 161.9Y | 148.2Y | 13.7Y | 35.0m/s | 48.4m/s | 5063rpm | 16.4度 | 21.0m | 40.3度 |
一般ゴルファーを想定して、鈴木プロにMAXとMAX STARの2モデルを6割の力感で打ってもらった。
「7Iでちょうど150Yをイメージして6割ぐらいのスピードで打ってみました。結果はMAXが158.3YでMAX STARが161.9Y。どちらも飛びますが、ここでも際立ったのが弾道の高さです。どちらも頂点が20mを超えて、落下角度は40度以上。ランも少なめ。試しにXフォージドを6割力感で打ったら飛距離は148Yで頂点高さは18.5m。この違いは大きいです」
HSが速くなくても使えるXフォージド

試打をする鈴木プロ
新たに開発したMAXとMAX STARの2モデルに、従来からのXフォージドとSTARを加えたXフォージドシリーズ4機種の試打を行った。3つのテストをすべて終えた鈴木悠介プロは次のように評価した。
「4モデルを打ち比べて、『なるほどな!』と感じました。従来のXフォージドはスピン性能と操作性能を重視した、いわばアスリート系アイアン。STARはそれに飛距離性能をプラスしたアスリートの飛び系モデルといった印象。いずれも、ある程度、球がつかまえられてヘッドスピードもある中上級者に向けたイメージでした。
対して、今回のMAXは操作性と飛距離という両アイアンの良さを上手く両立させたうえで、『球が上がりやすい』という切り札を持たせています。
だから、ヘッドスピードがそれほど速くなくても十分に使えて、『これ、やさしくて打ちやすい』と感じるはず。見た目は小ぶりでXフォージドにそっくりですが、トップラインだけやや厚みを持たせてやさしさを演出しています。
このMAXアイアン、多くの人に合うと思います。MAX STARは( 前述の)3モデルと少し違って、軟鉄鍛造のエントリーモデルと言いたくなる見た目と性能です。
ヘッドが大きいので安心感があって、打つと飛ぶ。しかもSTARの飛び方とは違っていて、自力がなくても高く上がります。ヘッドスピードが遅い人でも飛ばせて、高弾道を生かした落下角度で球を止められます。
今回の2モデルは、球の上がりやすさが際立ったので、試しに6割の力加減でダウンブローの度合いも弱めながら打ってみました(テスト3)。すると、2モデルともスピン量が5000回転以上をマークして、むしろ通常ショットよりもスピンが増え、球がしっかり上がった放物線を描いてくれました(テスト3グラフ参照)。このことからもヘッドスピードを必要としないアイアン性能が読み取れます。MAXとMAX STARの2機種が加わったことで、Xフォージドユーザーがさらに増えそうですね」
XフォージドMAX/MAX STAR 芝生の上から打ってみた!
「三日月型ソール」がもたらす抜群の抜け

鈴木プロが“三日月”型と表現したソールは、キャロウェイが近年採用している“トライレベルソール”のこと。リーディングエッジ側を面取りしてヘッドの抜けを向上させるグラインド
抜けが良いので距離がバラつかない

Xフォージド MAX STARの7Iショット。
インドアでの計測試打に続いて、コースでも試打を行った鈴木プロ。
「実は、2モデルともに人工マットでソールの抜けの良さを感じていました。改めて、芝の上から打ってみて、それを実感しました」
まずは飛び系のMAX STARからテスト。
「ソールの抜けが良いのはもちろん、ヘッド形状と深めの重心で自然と払い打ちがしやすく、多少手前から入ってもソールの滑りの良さと相まって、球がしっかり飛んでいきます。インドアテストの結果同様、ダウンブローに打ち込まずにサーッと振ったほうが、スピンが入るうえに出球も高くなります」
次にMAX。
「MAX STAR同様にソールの抜けが良いです。基本的にスピンが入って、球が上がっていく性能なので、操作性の良さも感じます」
両者に共通するソール形状について、「ソール前側の“三日月”型のグラインドが秀逸なんだと思います。フェアウェイはもちろんラフからも抜けが良い。その効果で、球がフェースに乗るので飛距離のバラつきが小さくなります」と絶賛した。

【写真左】Xフォージド MAXと【写真右】Xフォージド MAX STARは、どちらも6I~PWの5本がセット。4Iはカスタム対応、5Iは単品。いずれもロフトは±2度、ライ角±3度の調整が可能だ
写真/三木崇徳
協力/SMART GOLF市川真間銀座通り店、千葉市民ゴルフ場