
ヤーデージが長すぎても、短すぎても、実はゴルフを楽しみづらい(写真はイメージ)
飛距離に見合ったティーを選んでますか?
最近感じるのは、ゴルフに関する事柄の「多様性」です。
昔話になりますが、私がゴルフを覚え始めた1980年代は、ゴルフ場にいるゴルファーのレベルは70台で回るシングルクラスから100〜110くらいの中にまとまっていました。そう、120以上叩くレベルだと、「コースに出るのはまだ早い」と言われて、なかなか連れて行って貰えなかったのです。
それに比べて最近では120〜130は当たり前、150以上のスコアもよく耳にするようになりました。これも時代の移り変わりですから何も言うことはないのですが、私が気になっているのは、「ゴルファーの飛距離の多様性」です。
それこそパーシモンに糸巻きボールの時代には300ヤード飛ばすのは、ごく限られたトッププロだけでしたが、今ではアマチュアでも「当たれば300ヤード」のゴルファーはたくさん存在しますし、「当たって200ヤード」のアベレージゴルファー、もっと飛距離の落ちるシニアや女性、ジュニアやキッズゴルファーもいますし、女性といえども230ヤード以上飛ばす方もいて、ゴルファー個々の飛距離は実に多様化していると言えるでしょう。
こんな時代に考えたいのが、使用するティーの問題です。世界的にも、もっと短い距離でプレーしようという「Tee it forward」というムーブメントが進められていて、そのガイドラインに寄れば、200ヤードヒッターの推奨ヤーデージは、5;200から5:400ヤード。これって日本のほとんどのコースだとレディースティーとほぼ距離。これだと短すぎて面白くないと感じる方も多いと思います。
でもゴルフというゲームを楽しむポイントとして、その人なりにまずまずのティーショットが打てたら、セカンドショットでは、グリーンを狙える範囲の距離にあることが理想です。コースを設計する側も、「この距離ならセカンドはショートアイアンになるから、グリーン周りはシビアにしよう」とか「長い番手で打たせるなら、ある程度奥行きのあるグリーンにしよう」などと、そのホールの距離を加味した上で設計しています。
そう考えると、ナイスショットを2つ続けてもグリーンに届かないのでは、コース攻略という楽しみを味わえない事になってしまいます。
また、飛距離の出るタイプのゴルファーが、短すぎる距離でプレーするのも考えもの。パー4のホールでワンオンを狙うためにグリーンが空くまで待つケースが増えたりしてプレーの進行に影響が出たりします。混雑しているゴルフ場では、少しでも進行を良くしようと、レギュラーティーをやたらと前に置いているところを見かけます。なかにはレディースティーとほとんど変わらない位置になっていたりします。
これでは、かえってスムーズな進行は望めないでしょう。そう、使用するティーは長すぎても、短すぎても色々と問題があるのです。最近はゴルファーの飛距離に応じてティーの選択肢を増やしているコースも増えてきました。でもなかなか「ティーを自由に選ぶ」というのは広がっていないようです。
これには、「男のプライド」や、「みんなで同じティーから楽しみたい」「レディースティーは状態が悪くて使いたくない」などなど、様々な理由があるかと思います。
皆さんの周りではいかがですか?
今のご時世では、ゴルフ場側にティーイングエリアの整備をお願いするのも酷かも知れません。そういう意味ではティーの呼称をレディースやレギュラーといったものから、単に色別に変更するのも有効な方法かと思います。
多様化するゴルファー皆さんが楽しめるよう、改めて使用するティーについて考え、ご自分の距離と相談した上で使用ティーを決めてもらえたらと思います。