
湯田CCの公式サイトにある「プレースタイル」
同CCはクラブハウスを建て替え、コースの一部改修などのために一時休業していたが、5月下旬に再開場を果たした。リニューアルした目的はSDGsに取り組んだこと。具体的にいうとゴルフ場運営を徹底してオールセルフスタイルにしたことだ。
新クラブハウスはコンパクトな造りで、運営面でも「受付からプレー、精算に至るまですべての工程をお客自身で行っていただくスタイル」に一新した。ゴルフバッグの積み降ろしもセルフ対応で、カートへの積み込み、プレー後の降ろし、クラブの掃除、片づけまでプレーヤーに行ってもらうと案内している。
受付はドライブスルー、自動精算機(現金、またはクレジットカード決済)、完全セルフプレー、風呂はシャワーのみ、ロッカー鍵もセルフ、レストランはセルフオーダー、ドリンクはセルフのドリンクバー利用となっている。
この運営スタイルは「時代の要請」というのはゴルフ場経営コンサルの菊地英樹氏だ。
「都市近郊の客単価の高い料金を取れるコースは別にして、遠隔地のゴルフ場は料金を下げ切るところまできています。加えて深刻な人手不足。たとえ高給で求人をかけても、遠隔地に来てはくれず、結果、少ない人数で運営せざるを得ません。無人芝刈り機、配膳ロボットなどでカバーするしかない。オールセルフは一時的に投資金額がかかっても、長い目でみると人件費の節約になるのです。これからは高級コースとオールセルフのコースと二極化が進むのではないでしょうか」(菊地氏)
同CCは1974年開場。山陽地方最大の温泉地、湯田温泉街を一望できる丘陵地にあり、景観は抜群。温泉地なだけに同CCでも、プレー当日に日帰り温泉の利用が半額になるサービスも実施している。
同CCのPRキャッチコピーには「ゴルフを、もっと自由に、スマートに楽しめる時代がやってきた」とある。そうかもしれない……。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年7月1日号「バック9」より