プロゴルファー西川哲
19歳でプロテストをトップで合格（当時の最年少記録）。レギュラーツアー3勝の実績を持つ。現在は「バーディ赤坂24」を主宰。
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ヘッドを落とすには「タメ」を作っておくことが大事
18ホールのうちほとんどは地面のあるがままからボールを打ち、ピンに向かって狙うシチュエーションとなる。その時、アイアンショットは欠かせない選択肢だが、ドライバーとは違って必ずしもボールが浮いている状態でスウィングできるわけではない。
“ショットメーカー”と呼ばれるプロはピンを狙い、バーディやイーグルをかっさらっていく。西川もそのひとりで美しいスウィングから放たれる打球は、プロアマ問わず魅了した。自身のショットを支えた基礎は全身を使いながらクラブを扱うことだった。
「これまでの連載で言っているように、スウィングをする時のメインは下半身を使うことです。腕周りの小さい筋肉で扱いたくなる気持ちを抑えて、足腰からクラブを動かして、回転させてボールを飛ばします。切り返しの時に下半身と上半身の捻れの差を作れるかが肝です。下半身につられないように、上半身をギリギリまで我慢させて解放するのが基本になります」（西川・以下同）
下半身の動きを邪魔しないように、上半身は必要最低限のタイミングで働かせる。そうすることで捻れの力が生まれ、打球を飛ばせる。この大部分の使い方が前提のもと、加えて上半身のとある場所の使い方にコツがあった。
「下半身をメインにしてスウィングすることを、守りながらも上半身を使うタイミングはあります。それはクラブをリリースする時です。
切り返しの時に下半身を先に回し、上半身はギリギリまで動かないように我慢させて、手首のタメを作るわけです。そこからクラブを下に解放します。この時に私は右ひじを自然と伸ばすようにしています」
下半身の回転を先に行う中で、上半身を遅らせることで手首のタメが作られる。そしてクラブは肘を伸ばす感覚でリリースしているという
テークバックからトップにかけて、右ひじは徐々に曲げられていく。トップから切り返し、インパクトにかけて右ひじが伸ばされていくことで、ボールにミートしている。西川はタメを解く時に、右ひじを伸ばしてクラブをリリースしている。
「リリースをしている時は、手を使って振っている意識はないんです。ですからボールを打とうという気持ちはなくて、タメを解く時にストンッと右ひじを伸ばすという感覚です」（西川）
下半身の動きありきの中で、上半身をワンポイントで扱っているわけだ。そしてアマチュアを指導している時に多く見られるのが「アーリーリリース」だと言う。
