【平均ストローク(70.3421)/リカバリー率(72.1698%)/1ラウンド当たりの平均パット数(28.3947):1位】河本結

心に余裕を持つことで良いプレーが出来ていると河本(撮影/矢田部裕)
複数部門でスタッツが1位という事実を河本に伝えると、「えー! 知らなかったです。瞑想を取り入れたお陰かも(笑)」と数字はあまり気にしていない様子。
「(リカバリー率ではアプローチが重要だが)ウェッジはクラブにもこだわっていますし、しっかり練習を行うことでショートゲームやグリーンを外した際はかなり自信を持って打つことができています。そして100ヤード以内は“勝負できる”と思っていて、パー5でバーディを獲る確率が高いので、他のホールでボギーになっても『パー5でバーディ取れそうだし、焦らなくていっか』と焦らずにプレーでできるようになっています」
また人一倍パターを練習している河本は、パッティングを仕上げることで余裕が持てるという。
「パターを練習することでショットのプレッシャーも減りました。『とりあえず乗っていれば2パットで上がれそう』っていう気持ちになりますし、ロングパットのタッチや、ショートパットを練習することで『長い距離でも2パット、アプローチは1ピンに寄れば入る』という考えになるので、ショートゲーム攻略がメンタル面や技術面に対して相乗効果になっている感じがしますね」
河本のパター練習は短い距離で入る場所を想定して30cmオーバー、50cmオーバーとイメージして練習することで長い距離でもタッチが合ってくるという。
ちなみに、冒頭の「瞑想を取り入れたお陰かも」と話していた瞑想については、週に1回・兼下真由子氏の指導を受けており、メンタルと技術を良いバランスに保つことができているという。
【ドライビングディスタンス(260.93Y)/平均バーディ数(3.9565)/バウンスバック率(25.6881%):1位】神谷そら

「スウィング改造し、フェード系に変えています」と神谷(撮影/矢田部裕)
女子ツアー屈指の飛ばし屋として有名な神谷そらだが、これだけ飛ばせるようになった理由を聞くと、「ジュニア時代から通っていたゴルフスクールとかで大人にドライバー勝負を挑んでいたりしたことが繋がっているんですかね…? 」と周りにいる大人に離されまいと、自然と振る力が身についたという。
またパーオン時の平均パット数は現在2位となっているが、意識の変化があったのかを聞くと、「オフシーズンにアメリカへ行って米LPGAの選手と一緒に居たのですが、ショットなど色々アドバイスを貰えましたが、パターだけ『上手だね』と言っていただけました。単純に嬉しかったのと、認められたような気がしましたし、自信につながっていると思います」。
【サンドセーブ率(69.4915%):1位】柏原明日架

コーチから指導を聞き、スウィングの確認をする柏原(撮影/矢田部裕)
柏原にサンドセーブ率1位となった技術や理由を聞くと「それだけ試合でバンカーに入れてるんですよ(笑)。褒められているのか、わかんない(笑)」と自虐的な返しで笑いを誘う。実際にはバンカー練習はあまりしないというが、技術面に関して「バンカーの練習は試合で入ってしまうのでコースで練習しています。距離感はアプローチのような感覚で打っていて、56度では届かないと思えば52度で打つ、距離はロフトで調整して、砂質にもよりますが基本的には打ち方は変えないです。複雑な打ち方をするよりも、自信を持って打てる方法を選択しています」と意外にも選択肢をなくすことでシンプルに打て、それが自信につながっているようだ。
「(会場は雨で)今日のようなバンカーだと雨に濡れて締まっているので、キャリー多めで打つイメージですね。キャリーを出したいときはフェースはあまり開きませんが、砂を薄くとるような感覚で打っています。フカフカな時はフェースを開いて手前から入れるように意識しています」
【パーセーブ率(90.5797%)/パーオン率(75.0000%):1位】高橋彩華

ウェアは「JUN and ROPÉ」を着用、普段とは違いワントーンのシックな印象(撮影/矢田部裕)
「(パーオン率が高いのは)アイアンの距離が伸びたお陰で、小さい番手で打てることが大きい気がします。ロフトのあるクラブで打つと左右への散らばりが減って、高さもでるのでグリーンに止まる。そのおかげで上がったんだと思います」。
パーセーブ率については、「アプローチをここ2~3年重点を置いて練習するようになり、その成果だと思います」と話し、「アイアンの距離であれば、結構自信を持って打てますね。いつも練習しているドリル(ボールを3つ並べ、前に歩くように1球1球リズムよく打つ“連続打ち”)は、体とイメージの動きがバラついているときにしているんですが、たまーにやる程度ですね。メンテナンスのような感じです(笑)」と話した。このドリルで、体の力みが取れ、リズム感を取り戻すことができるという。
今回は4人のスタッツ上位者に取材したが、全員が“自信を持てる状態”でプレーしていることが共通点だと感じた。また得意なショットを伸ばすことで、苦手なショットの意識が楽になり、相乗効果として全体が良くなっていくケースも多い。若手や新人が続々と現れる中、上位に居続けられる理由は、技術面はもちろん、自信を持つことが重要なのだろう。