なぜ今ミニドライバーが熱い?
クラブの進化とプレーヤー目線の変化
かつて、2014年にテーラーメイドから「SLDRミニドライバー」が発売されたこともあったが、「SLDR」自体のハードな性能や、芝の上からは使いにくいディープフェース設計などの要因で普及しなかった。しかし同じくテーラーメイドの「オリジナルワン」以降のミニドライバーは、よりドライバーと3Wの中間的クラブ的性質を持たせたことで、新カテゴリーのクラブとして広く受け入れられつつある。
テーラーメイドのミニドラ人気を受け、昨年はキャロウェイもミニドラを発売して参戦。今年はテーラーメイド、キャロウェイ両社のニューモデル「r7 クアッド ミニドライバー」、「エリート ミニドライバー」に加え、タイトリストから「GT280 ミニドライバー」、PXGから「シークレットウェポン ミニドライバー」が発売され、4機種ものミニドライバーがそろったことで、一気にブレイクした感がある。
ゴルフ5プレステージでも、ドライバーに苦手意識がある人や、「フェアウェイから3Wよりも飛ばせるクラブがほしい」という人からミニドライバーを求める声が急増しており、つねに品薄状態という人気ぶりだ。プレステージ神戸店の濱西剛史フィッターも「選択肢が増えて、さらに提案しやすくなった」と話すが、一方でどのモデルを選べばいいかの判断も難しくなっている。濱西さんに選び方のコツを教わった。

ゴルフ5プレステージ神戸店の濱西剛史フィッター(写真/小林司)
ミニドライバーはどう選ぶ?
4モデルの特徴とプレースタイル別おすすめ
「まず最初に明確にしてほしいのは用途です。ティーショット用なのか、フェアウェイ用なのか。それとも両方使いたいのかを決めると、モデルを選びやすくなると思います。ティーショット用として使うならヘッドが大きいモデルがドライバー的な雰囲気が強く使いやすいですし、フェアウェイから“飛ぶ3W”として使うならヘッドが小さいほうがFWっぽく打ちやすい。両方使いたいなら中間サイズということになります。まずはこのヘッドサイズがいちばんのポイントになると思います」(濱西さん)

キャロウェイ「エリート ミニドライバー」は340㏄。スタンダードの「エリート」とデザインもほぼ同じ(写真/小林司)

キャロウェイ「エリート ミニドライバー」は340㏄。スタンダードの「エリート」とデザインもほぼ同じ(写真/小林司)

テーラーメイド「r7 クアッド ミニドライバー」は305㏄。往年の名ドライバーをオマージュしたデザインが印象的(写真/小林司)

テーラーメイド「r7 クアッド ミニドライバー」は305㏄。往年の名ドライバーをオマージュしたデザインが印象的(写真/小林司)

PXG「シークレットウェポン ミニドライバー」は300㏄。カーボンクラウンが特徴的(写真/小林司)

PXG「シークレットウェポン ミニドライバー」は300㏄。カーボンクラウンが特徴的(写真/小林司)

タイトリスト「GT280ミニドライバー」は280㏄。ドライバーというよりFWに近い印象(写真/小林司)

タイトリスト「GT280ミニドライバー」は280㏄。ドライバーというよりFWに近い印象(写真/小林司)
各モデルのヘッドサイズを見ると、キャロウェイ「エリート」が340㏄と最大。一方タイトリスト「GT280」は280㏄と小さく、「エリート」よりも60㏄も小さい。テーラーメイド「r7 クアッド」とPXG「シークレットウェポン」はそれぞれ305㏄、300㏄とまさに両者の中間サイズ。
つまりティーショット用なら「エリート」が第一候補、フェアウェイ用なら「GT280」が第一候補ということになり、どちらでも使いたい人は「r7 クアッド」か「シークレットウエポン」から考えていくのがセオリーとなりそうだ。

ティーショットにはヘッドが大きいほうが向いている(写真/小林司)

フェアウェイから打つならヘッドサイズ小さめのモデルがおすすめ(写真/小林司)
重心調整で弾道もフィーリングも変化。
最適な1本は“体感”してこそ見つかる
「もちろんこれは判断基準の1つでしかないので、実際に打って弾道を見たり、構えた顔の印象や打感など、自分のフィーリングに合ったものを選ぶことが大事です。もう1つポイントを挙げるなら可変ウェイトかもしれません。ウェイトの配置がそれぞれ個性的で、『エリート』は通常のドライバー同様ヘッド後方に3つのウェイトポートがあるし、『GT280』ソール前後の2カ所に集中しているので重心深度を変えやすい。『r7 クアッド』と『シークレットウェポン』はウェイトポートが4つですがそれぞれ位置が違うので、ウェイトの“いじり方”まで考慮すると、より実用的だと思います」(濱西さん)

「エリート」はヘッド体積340㏄と大きく、ティーショットで使いやすい。後方のウェイトの位置を3ポジションから選べるので、球のつかまりをアレンジしやすいのも特徴(写真/小林司)

「r7 クアッド」はヘッド体積305㏄の万能型。ウェイトビスも4カ所にあってアレンジの幅が広い。長さが45.75インチと少し長め(写真/小林司)

「シークレットウェポン」はヘッド体積300㏄の万能型。ソールに4つのウェイトビスがあり、ネジ穴が貫通していない部分は外したままでもOKなので、ヘッドを軽くしやすい(写真/小林司)

「GT280」はヘッド体積280㏄と4モデルで最小。リーディングエッジの高さを低くしたり、Lカップフェースで下部の打点に強いなどフェアウェイから扱いやすい工夫が凝らされている。ロフトは13度のみ(写真/小林司)
ゴルフ5プレステージでは、ウェイトでのアレンジやカスタムシャフトまで含めたトータルでのご提案ができる。ぜひフィッティングを受けて、最適な1本を選んでいただきたい。