素材とパターンを追求し理想のグリップが誕生
クラブとゴルファーの唯一の接点グリップ。パワーをボールに伝えるのも、微妙なフェースコントロールを行うのもグリップを通じてだし、ショットの感触をゴルファーにフィードバックしてくれるのも、グリップを通じてだ。さらには濡れても滑らず、インパクトでは当たり負けしない確かな保持力も要求される。グリップは単なるクラブの付属品ではなく、ショットをつかさどる要といっても良いパーツなのだ。

カラーはブラックのみ。サイズ(重さ)は58R(51g)、60R(49g)。ともにバックラインなし
トゥルーテンパーが開発した『ICON』は、グリップに求められるそんないくつもの機能を、極めて高い次元でクリア。握ってみれば世界一のスチールシャフトメーカーの本気度がひしと感じられる。
雨や汗に強くしっかりとしたグリップ力を実現
シャフトメーカーが本気で作ったグリップには、どんな特徴があるのか。数多くのアイテムを取り揃えるヴィクトリアゴルフ御茶ノ水店の鹿又勝成店長と、フィッティングに定評がありギアに造詣が深いプレミアムゴルフスタジオの吉田智さん、すでに取り扱いを始めている2人に聞いてみた。

ヴィクトリアゴルフ御茶ノ水店の鹿又店長(左)とプレミアムゴルフスタジオの吉田さん(右)
まず2人が注目したのが、表面のパターンだ。鹿又店長は、「持った瞬間に“溝が深い”とわかるほどで、確かなグリップ力がありますね」と、すぐに違いを感じたよう。吉田さんも「溝が深くて、しっかりしているので、数あるラバーグリップのなかでも滑りにくさはトップクラスでしょう」と高く評価する。
『ICON』の特徴でもある表面のIX状のパターンは、縦方向及び捻り方向への滑り抵抗が最大化され、一般的なラバーグリップよりも手の中での滑りが最大30%改善されている。通常のショットはもちろん、ラフやバンカーでしっかりクラブを握りたい時などに、その恩恵を受けるはずだ。

独自のIXパターンが濡れても滑りにくく常にしっかりとしたグリップ力を生む
独自配合のラバー素材も、グリップ力を強力にしているポイントだ。吉田さんは「ラバーは吸水性に優れているので、汗や雨にも強く、夏場にはお勧めできます。素材と表面のパターンがマッチして、どんなシチュエーションでも抜群のグリップ力を発揮してくれそうです」。鹿又店長も「独自のラバーのフィーリングは硬すぎず軟らかすぎずで、理想的な強さでクラブを握ることをアシストしてくれます」と納得の様子。

「硬すぎず軟らかすぎないラバー素材のフィーリングがいい」と鹿又店長
素材とIXパターンの相乗効果で、表面から湿気を逃してくれるので、濡れても優れたパフォーマンスを発揮する『ICON』。汗っかきな人や雨でも妥協せず、確かなグリップ力を求める人など、これまでとは違ったフィーリングが得られることだろう。
シャフトの動きを敏感に感じ取れる
素材にカラー、ゴルファーのニーズに応えようと、グリップ売り場には多くの商品が並んでいるが、人気の中心となっているのはやはり黒のラバーだ。「クラブメーカーに純正採用されていることも多く、フィーリングやグリップ力を気に入って、新たに交換するときにもリピートする方が多いですね。黒のラバーは長年、支持され続けている大定番モデルです」と鹿又店長。ロゴなしのシンプルデザインにも「カチャカチャ機能でロフトやライを調整するとシャフトが回るので、ロゴなしは使いやすい」とメリットを上げる。

見た目はスタンダード。派手さはないけど機能は大きく進化している『ICON』
そして吉田さんは、「グリップを入れる時に素材がしっかりしていて作業がしやすいんです。でも、しっかりした素材ですが、シャフトの感覚がダイレクトに伝わりやすく、素手で握っているような繊細さがあります。クラブの操作性にも優れていると思います」と話す。

「交換作業がしやすく、シャフトの微妙な動きも感じやすい」と吉田さんは素材の良さを語る
昨今、ゴルフ用品にも価格高騰の波が押し寄せている。そんな中、『ICON』は価格の面でも大きく注目される。「性能の割りに求めやすい価格でコスパは最高。気軽に交換できるグリップですね。まずは1本試してみて、その違いを感じ取って欲しい」と2人は口を揃える。
一度使うとなかなか違うモデルに替えられないのがグリップ。だが、『ICON』はラバーの王道をいくフィーリングや確かなグリップ力を兼ね備え、これまでのモデル以上に劣化しにくいのもポイントだとか。試してみる価値大のモデルの登場だ。
写真/小林 司