
エビアン選手権2日目7位タイの竹田麗央
メジャー大会で活躍する“メジャー男”、“メジャー女”と呼ばれるような選手たちがいます。ちょっと前だとブルックス・ケプカがまさにその典型。大舞台ほど実力を発揮し、優勝争いに絡む活躍を見せる記憶に残るプレーヤーが、ゴルフの歴史には何人もいます。
もしかしたら日本の竹田麗央選手も、そんな選手の一人になっていくのかもしれません。もちろん彼女はまだメジャー未勝利。ですが、全米女子オープンでは2位タイと優勝争いに最後まで絡み、全米女子プロでも2日目を終えて首位と3打差の2位タイと、続けて上位。
そして開催中のアムンディ・エビアン選手権でも2日目を終えて、首位と4打差の7位タイと、虎視眈々とトップを狙える位置で決勝ラウンドを迎えているのです。
セッティングの難しいメジャー大会ではリーダーボードに名前が載るのは実力者ばかりで、なんとなく同じ顔ぶれになったりもするものですが、2025年の米女子ツアーにあっては、竹田選手もメジャーのリーダーボードの“常連”という感があります。
2024年の国内ツアーで8勝を挙げた実力からすれば当然かもしれませんが、彼女は米女子ツアーではあくまでもツアールーキー。ここまでメジャーの大舞台で物おじせずに活躍できるのには、なにか理由があるのでしょうか?
女子ツアーでコーチ兼記者として活躍する中村修プロは、竹田選手のメジャーでの活躍についてこう語ります。
「竹田選手は、全米女子オープンの最終日のコメントで『勝てると思っていた』という趣旨の発言をしています。日本とは違うコースや芝質に対する技術の向上はもちろんですが、メジャーで『勝てる』と思えるマインド、つまり内面の成長が大きいと思います」
昨年のTOTOジャパンクラシックで米女子ツアー初優勝を挙げ、3月のブルーベイLPGAで早くも今シーズン1勝。昨年の日本女子ツアーで8勝を挙げた実力が米女子ツアーでも通用することはもはや自明。
実際、惜しくも2位タイだった全米女子オープンホールアウト直後のインタビュー動画で、彼女は「最終日はいいプレーができなかった」と言っています。いいプレーができなくても、メジャーで2位タイ。ということは、いいプレーができれば勝てる、あるいは勝てた、ということでもあります。
データもそれを裏付けます。ショットのスコアに対する貢献度を示す「ストローク・ゲインド」という重要な指標において、竹田選手はショット全般のスキルを示す「SG ティー・トゥ・グリーン」で2位。主にアイアンショットの切れ味を示す「SG アプローチ」でも2位と、抜群の成績を残しているのです。ショット力はツアーでもトップクラスであることが、すでに証明されているのです。
竹田選手はルーキーイヤーでのメジャーVという離れ業を演じることができるでしょうか。メジャーは残すところ開催中のアムンディ・エビアン選手権と、AIGオープンの2試合です。