前回、「クラブの長さ、1㌅の違いは想像以上に大きい」と語っていたギアオタクでフィッターの小倉勇人氏。今回は、実際のフィッティングを通して、スペックについて考えてみた。
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クラブの長さ、重さの関係とその大切さを小倉氏は語る

長さだけ、重さだけではスペックは測れない

クラブフィッター小倉です。前回のこのコラムで、ドライバーの長さのお話をさせていただきました。自身の振り切れる範囲の長さを知ることはプラスになりますよ、といった内容です。その話を読んだ方が、早速相談に来てくれました。

その方は、45.5インチで310g、D3.0 というスペックのドライバーを使用していて、安定しないので短くしてみたいとのこと。実際に打っているところを見せていただいたところ、ちょっと振り遅れの症状があり、相談の結果、45インチにすることになりました。

調整した後のスペックは45インチ、315g、D3.0。お使いのクラブは脱着式のウェートを搭載したクラブでしたが、その後の微調整を可能にするためにあえてヘッドに鉛を仮で貼り、45.5インチの時と同じバランスに仕上げています。5g重くなっているのは、短くした分の遠心力を補うため。振った時に感じる遠心力は、45.5インチの時と同じぐらいを保ちつつ、短くして、振りやすさやボールのとらえやすさを高めようというのが狙いです。

実際に打ってみていただいた結果、ボールを芯付近でとらえる確率が格段に上がりました。最長飛距離も長かった時とほぼ遜色なく、平均飛距離は確実に伸びる結果になりました。これは、ビフォーのスペックでどれだけ飛距離をロスしていたかによって変わってきますが、場合によっては短くしたほうが、最長飛距離が伸びるケースもありますね。

最終的に仕上げたスペックは、45インチ、315g、D1.5。芯付近で安定して打ててはいましたが、まだちょっとミスの傾向が揃わなかったので、ヘッドバランスが軽くなるように計算して、ウェートを調整。その分をグリップ下に鉛を貼ることで総重量を調整しました。その後、2~3回はラウンドしたそうですが、ミスの傾向も落ち着き、安定したティーショットができているとご報告をいただいております。

同じ45インチのドライバーでも300gのモデルと290gのモデルでは、スウィング中に発生する遠心力は大きく変わります。ドライバーやフェアウェイウッドといった長さがあるクラブで10g重さが変わることは、1インチの長さの違いに匹敵するのです。

44.5インチ310gのドライバーと45.5インチ305gのドライバーでは、後者のドライバーのほうがハードなスペックになります。長さだけ、重さだけではクラブのスペックは測れないということを知っておくと、より自分に合うスペックを探しやすくなりますよ。

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