
東京都港区のゴルフスクール「広尾ゴルフインパクト」のインストラクター・後藤悠斗プロ
体とゴルフクラブの接点である手元のグリップ力は、スウィングにも影響する大切な要素だ。グリップ力を高めるためには、クラブが手元の中で遊ばないように適切な握り方を覚えることはもちろん、道具選びも重要となる。
100切りを目指すゴルファーであれば「まずグローブにこだわりたいですね」と後藤は言う。

グリップ力向上のためにまずこだわりたいのはグローブだと後藤
「グリップ力を高めるための道具はグローブとゴルフグリップの大きく2つです。もちろんグリップにもこだわりたいですけど、コスパを考えるとグローブの優先度が高いです。
というのも、グリップって重さや太さ、素材と選ぶときに考えることも多いし、すべてのクラブのグリップを替えるとなるとやっぱり手間もお金もかかって結構ハードルが高いと思うんですよね。
対してグローブって自分にフィットするものさえ選べば、買うだけでオッケーでコストも比較的安価ですよね。だからまずこだわりたいのはグローブです」(後藤、以下同)
たかがグローブと侮ってはいけない。グローブひとつで「フィーリングは大きく変わります」と後藤は続ける。
「グローブが違うだけで手のフィーリングもめちゃくちゃ変わります。グリップ力や、薄さ、手のフィット感も変わりますからね。僕自身、劣化していたりフィーリングが合わないグローブを着けていると、感覚が変わって振り切れなかったりします。
また、少し濡れた程度でもグリップ力って全然違ってきます。例えば雨の日の場合、プロなら毎ホール新しいグローブに替える方も中にはいます。僕の場合だと、雨の日なら3ホールに1枚くらいのペースですね。雨の日の場合はもちろん、夏の時期だととくに手汗をかきやすいですから、これからの時期も気を付けたいところですね」
グローブも他の道具と同様に、各メーカーごとに安めのものから高めのものまでラインナップされている。後藤は「グローブもちゃんと良いものを使ったほうが良いですね」という。
「ただオーダーメイドとかを含めるとかなり高価なグローブもあったりして、上を見始めるとキリがないでしょう。グローブもなるべく良いもの……といっても2000~3000円台くらいのモデルを選ぶのがオススメです。プロが使用するモデルもだいたいこのくらいのお値段で購入できると思いますよ」
加えて「同じグローブをまず2枚買うのがオススメです」とのこと。
「まずは2枚のうち1枚を練習でも本番でも使います。でも本番ってやっぱり綺麗なグローブのほうがテンション上がるじゃないですか? だから、最初の1枚がちょっと汚れてきたなと思ったら、1枚目のグローブを練習専用にして、ラウンドの際は2枚目を使うんです。
で、コース用も汚くなってきた、練習用がもう破れそう、グリップ力がなくなってきた……となったら、コース用を練習用に降格させて、新たにグローブを1枚買い足していく……というサイクルがオススメです」
またグローブを2枚持っていれば「雨の日でも4、5ホールでグローブを交換して、9ホール終わった昼休憩で乾燥機で乾かし、後半もまた4、5ホールで交換、といったこともできます。雨の影響を少なくするための手段としてオススメですね」と後藤。
グローブ選びに関しては自分の手のフィーリングに合うことが最優先。「僕の場合で言えば、夏用、冬用とかは考えません。素材に関しては雨の日のプレーなら合成皮革のグローブがオススメ、といった向き不向きはありますが、素材の違いで結構グリップの感覚が違うので、結局フィーリングに合うかどうか、好みが出るところですね」とのことだ。