
粘りのゴルフで首位をキープした山下美夢有
薄氷の首位キープとなりました。
AIG女子オープン3日目、2位の竹田麗央選手に3打差をつけて首位スタートした山下美夢有選手。前日に「フェアウェイキープをキープして、パーオンを増やしたい」と語っていましたが、強風の影響で思惑通りのプレーがなかなかできません。
山下美夢有の美しいべたピンショット~日本版の大会公式Xより
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x.comフェアウェイキープ率は前日が92.8%と驚異的な数字だったのに対し、3日目は50%と大幅に下落。いいところに乗せることができないことから、パット数は26から34に急増しています。
2日目はスコア65、3日目は74のラウンドでしたから、このパット数の差がほぼイコールのスコアの差となっていることがわかります。それでも外せばトップに並ばれる17番の超ロングパットを沈めるなど、首位の座は堅守して、最終日を迎えることとなりました。
「ショット・オブ・デイ」に輝いた17番のロングパットを公式Xでチェック
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x.com映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(『できるものなら捕まえてみろ』の意)をもじって、「キャッチ・ミユ・イフ・ユー・キャン」と公式SNSが投稿するなど、2日目までは独走状態、だれも捕まえられないような圧巻のプレーを見せていた山下選手ですが、3日目にふたつスコアを落としたことによって、AIG女子オープンは一気に混戦模様になっています。
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x.com単独2位8アンダーからスタートした竹田麗央選手もこの日は苦戦。ふたつスコアを落として、4位タイから最終日をスタートしていきます。ルーキーイヤーの今季、あと1歩まで迫るもなかなか掴みきれないメジャータイトルへ、最終日は3打差を追いかけてのプレーとなります。
山下、竹田2選手がスコアを落とすなか、逆にスコア「65」の大爆発でスコアボードを駆け上がったのが勝みなみ選手。1番、3番でボギーを叩いてトータル3オーバーまでスコアを落としながらもその後は圧巻。前半の残り6ホールを1イーグル、3バーディと盛り返すと、後半もボギーフリーで4バーディ。スタート時からスコアを7つ伸ばし、竹田選手と同じ4位タイまで順位を挙げて最終日を迎えることとなりました。

3日目の65で4位タイに浮上した勝みなみ
メジャーも米女子ツアーも未勝利の勝選手の目の前にも、大きなチャンスが転がり込んできています。
西郷真央選手も「68」のグッドラウンド。通算3アンダーまでスコアを伸ばしてきました。首位とは6打差(11位タイ)で、最終日に大爆発すれば“ワンチャン”という順位でしょうか。また、岩井千怜選手も3つスコアを伸ばし、2アンダー18位タイにつけています。
もちろん、伸ばしたのは日本人選手だけではありません。山下選手と1打差の単独2位には2020年の全米女子オープンチャンピオンのキム・アリムが追走。2打差単独3位には、ここ数試合調子を上げてきたアメリカのアンドレア・リーがつけています。
さらにもちろん、もっと下の順位からスコアを大きく伸ばす選手も出てくるはず。強風と難コースに立ち向かい、スコアを伸ばさなければ勝ち切れない。そんな過酷な戦いが予想されます。
「キャッチ・ミユ・イフ・ユー・キャン」背中の後ろまで迫られてはいますが、とはいえ山下選手はまだ“つかまった”わけではありません。土曜日に24歳の誕生日を迎えた山下選手は最高の誕生日プレゼントを自分自身に贈ることができるか。
勝負の日曜日がはじまります。
※画像提供:U-NEXT・U-NEXTで独占配信