ウェールズのロイヤル・ポースコールGCで開催された2025年AIG女子オープンでメジャー初Vを達成した山下美夢有が、5日午前に成田空港に到着。その場で帰国会見に臨んだ。激戦の興奮冷めやらぬ中、優勝の感想、プレーの振り返り、そして今後の目標について語った。
画像: 50人ほどのファンと報道陣に出迎えられ笑顔で応える山下美夢有

50人ほどのファンと報道陣に出迎えられ笑顔で応える山下美夢有

夢が叶った瞬間、そして感謝の涙

優勝で涙を流した瞬間については「夢がかなった瞬間でした」と表現し、その涙を「やっぱり自分一人でここまで来られたわけではなく、父をはじめ、多くの人に支えられてきたので、そういう思いがあふれてきました」と、支えてくれた人々への感謝の気持ちが溢れたことを明かした。

画像: キーとなった13番のティーショット。この一打がバンカーにつかまり、難しいホールとなったが、見事にパーセーブし、逃げ切った (Photo by Cameron Smith/R&A/R&A via Getty Images)

キーとなった13番のティーショット。この一打がバンカーにつかまり、難しいホールとなったが、見事にパーセーブし、逃げ切った (Photo by Cameron Smith/R&A/R&A via Getty Images)

今回のAIG女子オープンでは、山下の得意とするショートゲームに加え、ティーショットの安定感が際立った。大会を振り返り、「ショートゲームも良かったですし、比較的、ティーショットが安定していました。フェアウェイキープ率も高かった」と自己分析。特に印象に残っているプレーとして、4日目の13番パー5を挙げ、「ティーショットがバンカーに入りましたが、グリーンに乗らなかった4打目のアプローチから8mぐらいのパーパットを沈めたことが良かったですね」と、ピンチをしのいだ集中力を自賛した。

プレースタイルへの信念と子供たちへのメッセージ

アメリカのコースは風が強く飛距離が求められることが多い中、山下は自身のプレースタイルを貫いた。彼女は「自分のプレースタイルを変えずにやってきたことが今回結果につながったと思います。今後もこのスタイルでやっていきたいです」と力強く語り、飛距離に頼らず、正確なショットと巧みなショートゲームで勝負する自身のゴルフへの揺るぎない信念を示した。

かつては飛距離を伸ばすことも考えた時期があったものの、7月のメジャー4戦目となる「アムンディ・エビアン選手権」の直前には「いろいろ考えすぎてマイナスになっていた部分があった」と振り返り、その時に「今、自分ができることをやる」という原点回帰のスタイルに戻したことが、今回のメジャー制覇に繋がったと話す。

バースデーウィークでのメジャー制覇という珍しい快挙については、「いけるかも」という感覚はなかったとし、「とりあえず、優勝するためにはどうしないといけないか、ということを考えていました」と、常に勝利への集中を保っていた。

最後に、飛距離が出なくても技術を高めれば勝てるという希望を子供たちに与えられたことについて問われると、「飛距離が出なくても、ショートゲームの練習など、技術を高めることで、絶対に優勝に近づけると思います。子供たちにそう伝えていきたいです」と、未来のゴルファーたちへのメッセージ。

画像: 出迎えたファンと一緒に

出迎えたファンと一緒に

彼女の言葉は、技術と戦略の重要性を再認識させ、多くのジュニアゴルファーに勇気を与えることだろう。

撮影/岡沢裕行

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