
埼玉県草加市のゴルフスクール「Tom's Bishon草加店」専属のJJコーチ
とくにスウィングを覚え始めたばかりのビギナーにありがちな「ボールが上がらない」という悩みに対して「レッスンの経験上、ボールが上がらない原因として大きく三つのパターンがあります」とJJコーチ。
それが「重心が右に偏り過ぎる」「ダウンスウィングからインパクト、フォロースルーの区間で肘が曲がって、肩・腕・手元で作られる三角形のシルエットが崩れてしまう」「目線がボールから外れてしまう」だ。
本連載では「ボールが上がらない三つの原因」について、全三回に分けて解説していく。今回は「三角形のシルエットが崩れてしまう」パターンについて掘り下げていこう。

三角形のシルエットをキープして打つのはなぜ大切?
そもそもなぜ三角形のシルエットをキープすることが大切なのだろうか。
「より正確に言うと三角形のシルエットをキープする過程で、とくに『左腕の長さ』をキープして欲しいというのが本質としてあります。それをわかりやすく、簡単に言うために『三角形のシルエットをキープしよう』っていう表現をしますね。
よくある左腕の長さが変わってしまう原因は、スウィング中に左肘が引けて曲がってしまう動きです。するとスウィング中にクラブが描く円弧の半径が変わってしまい、左手の高さが変わって、打点の高さもズレて、トップやシャンクなどのいろんなミスにつながります。その結果としてボールが上がらなくなってしまうんです」(JJコーチ、以下同)

左肘が引けて曲がると、左手の高さが変わり打点のミスにつながる。結果としてボールが上がらなくなってしまう
さらに言うと、三角形のシルエットでイメージしておけば自然と右サイドのミス……例えば右脇が開いてしまう、右肘が引けるミスも抑えることができるというわけだ。
左肘が引けるミスに関してはクラブの長さは関係ない。「全部の番手で等しく起きるミスです。みなさんクラブごとに打ち方が違うんじゃないかって悩む割にはミスは全部共通なんです」とJJコーチ。
では左腕を伸ばすこと、三角形のシルエットだけを意識して振れば良いのかと言えば、答えはノーだ。それらを意識したうえで「左肘が引けてしまう原因」にも向き合わなければならない。
「左肘が引ける原因自体は様々ありますけど、多いのは胴体が回らずに詰まった結果引いてしまうパターンが多いですね。だから腰やお腹、肩を回すことを意識して、ちゃんと振り抜く際に左腕が通るスペースを作ってあげることが優先事項です。
下手に左腕を伸ばすことのみに焦点を当ててしまうと、アウトサイドに向かって縦に突き上げるようなフォロースルーになって、インパクトゾーンが狭くなってしまいます。すると結局トップが直らない、当たったとしてもチーピンが止まらない、みたいなことになってしまいます」

三角形のシルエットをキープできていても体が回せていなければ、アウトサイドに向かって縦に突き上げるようなフォロースルーになり、インパクトゾーンも狭くなる
つまり、三角形のシルエットをキープする意識自体を持つことも大切だし、キープできているかどうかで左肘が引けていないか、そもそも体を十分に回せているかをチェックするためのポイントにもなっているというわけだ。
体をしっかり回す意識づけをするための練習ドリルとしてオススメなのは「フックを打つ練習です」とJJコーチ。

フックを打つ練習で、大げさなくらい体を回してみよう
「左へボールが飛ぶように振っていく、そのためには大げさなくらい体を回して左腕が通るスペースを作る必要があります。欲を言えば『左に真っすぐ飛ぶ球』が出てほしいですね。
これをやれば全部が良くなってボールも上がるようになる! というわけではありません。まず優先事項として『体を回してスペースを作る』ところから始めないといけないんです。
体を回す習慣をつけて、その次は方向性を出す練習にステップアップしていく。体が回るようになって、そのうえで三角形のシルエットをキープできていれば、左肘も引けなくなり打点の高さが安定してきて、ボールが上がるようになる……ちょっと大雑把な言い方にはなりますけど、長い目で見て段階的に直していかなければいけないことなんです」
協力/Tom's Bishon草加店