女子ゴルフの今季国内ツアー第20戦「北海道meijiカップ」最終日が10日、札幌国際CC島松C(6642ヤード、パー72)で行われ、4打差8位から出た河本結が1イーグル、3バーディ、1ボギーの4アンダー68で回り、通算9アンダーで逆転優勝を果たした。今季初優勝で昨年「NEC軽井沢72」以来の通算3勝目。森田遥、鶴岡果恋が通算8アンダーで2位。AIG女子オープンで優勝した山下美夢有は3アンダー69で回り、通算7アンダー4位タイで国内ツアー凱旋試合を終えた。
画像: 北海道meijiカップで通算3勝目を挙げた河本結(撮影/岡沢裕行)

北海道meijiカップで通算3勝目を挙げた河本結(撮影/岡沢裕行)

「ショット・イン・イーグル」で逆転!

画像: イーグルを奪うなど、4打差から大逆転劇を演じた(撮影/岡沢裕行)

イーグルを奪うなど、4打差から大逆転劇を演じた(撮影/岡沢裕行)

1年ぶり通算3勝目は劇的イーグルで奪い取った。

15番パー4。河本はフェアウェイ左サイドからピンまで残り157ヤードの第2打を6Iのフェードで攻めて「ショット・イン・イーグル」を決めた。直後にジャンプをして喜んだミラクルショットで混戦を抜け出し、最終組の森田がバーディパットを外した瞬間に優勝が決まった。

「(入った瞬間は)見えていなくて、ギャラリーの反応で気づきました。いいショットなのでピンについたなと思いました。左風の左ピンでフェードヒッターなので勇気をもって左に打っていきました。自分でも今季一番のショットが入ってくれてめちゃめちゃ気持ちよかったです」

今季は前々週の大東建託・いい部屋ネットレディスまで2位が2回、3位が4回。通算3勝目に手がかかりながらつかめないもどかしい状況が続いていたが、今週ついにハードルを越えた。首位に4打差から出て、前半は3番で6メートル、9番は1メートルのバーディパットを沈めて追い上げ、15番のイーグルにつなげた。

「(優勝が決まったときは)片づけをしていました。パター練習をしていましたが、時間を持て余して……。やったーという気持ちと、今週はそこまで調子がよくなかったので、不思議な優勝でした」

画像: この夏、体調不良に苦しんだが、元気な姿を取り戻した(撮影/岡沢裕行)

この夏、体調不良に苦しんだが、元気な姿を取り戻した(撮影/岡沢裕行)

成績こそ好調な今季だが、この夏場は体調不良に苦しんだ。7月の資生堂・JALレディス、続くミネベアミツミレディスを棄権、大東建託開催中にAIG女子オープン出場権があることが分かったが、準備期間が少なかったことと体調管理を優先して回避。今週はそういうマイナスな部分も克服しての戴冠だった。

「ずっと試合が続いていて、さらに熱中症になって腰を痛めて。根詰めすぎたというか、悪い意味で頑張り過ぎたので、先週のオフはクラブを握らないようにしました。人生楽しいと思えるようなことを5日間やって過ごしました」

その5日間は故郷の愛媛に戻ってリフレッシュに充てた。

「愛媛で3月に亡くなったおじいちゃんの位牌に手をあわせることができました。あとは愛媛の海にも行きました。船に乗ってバナナボートにも乗って……」

優勝の副賞明治のお菓子10年分は「事務所と相談して恵まれない子供たちに寄付しようと思います」との意向を示した。

平均ストローク、平均パット数、リカバリー率など軒並み1位

画像: ショットもパットもアプローチもツアーNO.1級(撮影/岡沢裕行)

ショットもパットもアプローチもツアーNO.1級(撮影/岡沢裕行)

今季初優勝をつかみ、メルセデス・ランキングは大東建託終了後の6位から4位へ浮上。1位の佐久間朱莉との差は390ポイント余りに縮まった。ここまでのスタッツ各部門では70.1964で1位の平均ストロークをはじめ、平均パット数(パーオンホール)、リカバリー率、60台のラウンド数、パー5平均スコアなどで1位がずらりと並ぶ。パーセーブ率、1ラウンド当たりの平均パット数は2位。今季ゴルフのステージが上がっていることは間違いなく、目標とする年間女王が現実味を帯びてきた。

「年間女王になることが目標なので準備が大事。1日1日をしっかりゴルフと向き合っていきたい。(年間女王になるためには)平均ストロークを60台に持っていくことしか考えていません。それについてくるものだと思っています」

次週はディフェンディングチャンピオンとして臨む相性がいいNEC軽井沢72。年間女王へ向け「燃える女」の猛追が始まった。

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