遠藤璃乃

生年月日:1994年2月22日
出身東京都:身長170cm
ライセンス:ティーチングプロA級
性格:目標に向かって計画的に突き進む
好きなコトモノ:スノボ、トランポリン、旅行、チャウヌ
「みなさん、ヘッドの運動量少なすぎ!」

クラブの恩恵を存分に受けて速く振ることが大事と遠藤プロ。アマチュアはヘッドの運動量が少ないから十分な飛距離が出せない。そのために大切になってくるのが手首をしなやかに使うことと言う
腕で作れる速さは手首の角速度に勝てない
筋力では勝る男性アマチュアが女子プロに飛距離で負ける理由、それは、「手首がガチガチでシャフトのしなりを使えず、ヘッドが動いていないから」と、遠藤璃乃プロは指摘する。
「手首を正しく使うことで『タメ』と『リリース』が起こり、インパクトを過ぎてからヘッドスピードが120%になるように振れます。逆に手首がしなやかに動かないと、切り返した瞬間にリリース(キャスティング)が始まってしまい、インパクト手前でヘッドスピードを使い切ってしまいます」(遠藤)
参考にすべきイメージは、「縄跳び」の手首の使い方。縄跳びで使うのはほぼ手首だけで、腕を一生懸命動かす必要はない。スウィングもこれと同様に、あくまで腕は体についていくだけ、ヘッドを走らせるのは手首の力という意識を持つといい。
【メリット①】 タメが生まれる

リリースが遅くなる
下半身からダウンスウィングがスタートするとき、ヘッドにはまだテークバック方向に動こうとする力が働いている。この時点で手首に余分な力を入れなければ、体とクラブの引っ張り合いで自然にタメが生まれる。
【メリット②】 インパクト後にヘッドが走る

「ここですべてを解放!」
タメを十分に保ったままダウンスウィングの中盤まで下ろせると、ヘッドの遠心力(手首の角速度)によって自然にリリースが起こる。
「手元が胸の高さに下りるまではリリースが始まらないように我慢します」
手首では無く手を意識すれば簡単!

切り返しで手をボールの方向に動かす(前に出す)と、クラブがリリースしようとする力を促進してしまい、「タメ」がほどける。手を真下に向かって下ろすと、ヘッドが背中側にとどまろうとするため、タメがほどけにくい
手の運動ベクトルを地面方向に向ける
切り返し後にタメを「深く」しなくちゃいけないと思い込んでいる人は多いが、実際はトップでできた手首の角度(左腕とクラブでできる角度)を「キープ」するだけでいい。そのために必要なのが、「手を真下方向に動かすこと」と遠藤プロ。
「切り返しで手のベクトルがボールやターゲットに向いてしまうと、その時点で手首がほどけ始めてしまいます。ベクトルを真下に向けると、トップで自然にできた手首の角度をキープしたまま下ろしやすくなります」

スウィングアークに間がないことでエラーが発生しやすくなってしまう
また、テークバックで手を「遠くに」上げて、十分な大きさのアークを確保することも、手首の角度をキープするのに必要な要素。トップで手が体に近いと、アークが小さいために切り返しの「間」が生じにくくなり、上体が先行しリリースが早まる(手首の角度が失われる)からだ。
【ドリル①】左手で壁タッチ素振り

触ったまま下ろす様に
壁を右側にして立ち、右手を左のわきの下に入れた状態で左手を壁に伸ばす。左手が壁から離れないようにして切り返しの動きを行うと、手首の角度を保ちながら手を真下に下ろす感覚がわかる。キャスティング(アーリーリリース)の動きだと手が壁から離れてしまう。
【ドリル②】ドライバー立て素振り

左手でクラブを支える
胸を早く開いてしまうと、クラブが寝て正しくリリースされにくくなる。前に出した左手でドライバーを杖にして支え、それをできるだけ垂直に保ったまま右手で素振りをする(写真)。胸を正面に向けたままインパクトする感覚がわかる
【ドリル③】間を作れるタオル素振り

タオルの先端を結ぶだけ!
片側に結び目を作ったタオルを振る、クラシックだが効果抜群のドリル。トップで結び目が背中に当たってから切り返す。また、毎回背中の同じところに当たらないのは、リズムが悪く、トップで間を作れていない証拠
TEXT/Daisei Sugawara
PHOTO/Takanori Miki、Hiroaki Arihara
THANKS/千葉国際CC【PGM】、木更津GC
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今年の夏に試せる飛ばせる女子3人が教える“飛ばし術”の数々。今回教えてくれた遠藤璃乃プロのほか、平均飛距離290Yと男子に並ぶ飛距離の大和田紗羅プロ、体の回転を教えてくれた髙橋清プロのレッスンまで、自身に合うレッスンを見つけよう!続きは月刊ゴルフダイジェスト9月号、Myゴルフダイジェストにて掲載中!