「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回はアベレージゴルファーに役立つウェッジの選び方を教えてもらった。
画像: 「寄せワン」「寄せツー」を狙うなら、バウンスよりもロフトが大事(写真はイメージ)

「寄せワン」「寄せツー」を狙うなら、バウンスよりもロフトが大事(写真はイメージ)

適正ロフトが大切になってくる

みんゴル取材班(以下、み):スピンで止めたり、フワッと上げたり、ベタピンアプローチに憧れてはいるものの、ふつうのおじさんゴルファーにはある程度寄せて、あわよくば「寄せワン」、悪くても「寄せツー」ねらいが現実的かと思います。こうした戦略を徹底する場合のウェッジの選び方を教えてください。

宮城:プロのような究極のアプローチをしたければバウンス選びが重要ですが、寄せワン、寄せツーねらいならロフトのほうが大事です。

み:宮城さんのおすすめは何度ですか? いま自分のバッグには定番の52度と58度が入っていますが。

宮城:1ピン以内に確実に寄せたいなら58度より56度をおすすめします。ウェッジの場合はロフトが立っているほどフェースに当てやすく距離のバラつきを抑えられるからです。10から15ヤードくらいの距離なら、パターのストロークのイメージで打てばボールが転がってかなりいいところまで寄っていきます

み:やっぱり58度はふつうのアマチュアには難しいんですね。

宮城:プロは58度や60度でかんたんに寄せているように思えますが、それはスキルがあるからこそ。安易にプロの真似をするとボールの下を抜けてショートしたり、歯に当たってホームランしたり大きなミスを招きやすくなります。ちなみにラフから打つ場合はさらにロフトが立って上下のミスに強い52度や50度が有利です。ロフトさえ間違わなければアプローチはそこそこ上手くいくはずです。

み:とはいえ最近のウェッジはバウンスの種類がとても多く、どれかを選ばなければいけません。アマチュアにはやはりハイバウンスがおすすめですか?

宮城:バウンス角は自分のアドレスに合わせることが基本です。ヘッド軌道やアタックアングルなど自分がどのようにインパクトしたいのかを表わしているのがアドレスだからです。ボールを右に置いてハンドファーストに構える人にはハイバウンス、真ん中から左に置いて払い打つ人にはローバウンスが合います。

み:必ずしもアベレージゴルファーがハイバウンス、上級者はローバウンスが合うわけではない?

宮城:その通りです。また、メーカーごとに計測基準が違うのでカタログの数値を鵜呑みにするのも禁物です。実際に固めの床やマットに自分のかまえでソールしてみて、フェースがまっすぐに向くかどうかをチェックしてください。その際にフェースが開いたり閉じたりするものはバウンスが合っていません。

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