ツアープロも当たり前のように使用する中尺や長尺パター。今回は、自らも中尺、長尺を使用しているギアオタクでフィッターの小倉勇人にそのメリットや使用上の注意点について聞いてみた。
画像: グリップエンド側を余らせて中尺パターを握って使うリッキー・ファウラー(Photo/Getty Images)

グリップエンド側を余らせて中尺パターを握って使うリッキー・ファウラー(Photo/Getty Images)

慣れると手放せなくなる!

クラブフィッター小倉です。近年、じわじわとですが、中尺、長尺パターのラインアップが増えてきています。アンカリング規制後、ほんの一部だけに残っていた絶滅危惧種だったのですが、ゼロトルクモデルが話題になり、そのラインアップの一環として中尺、長尺モデルをラインアップするメーカーが増えてきました。かく言う私も長尺を1本、中尺を1本それぞれ購入し、その機能性を楽しんでいます。

ひと昔前は、一般的な長さのパターをうまく扱えないゴルファーが使うものといったイメージのあった中尺、長尺パター。ところが近年はそういったイメージも薄れ、一般のアマチュアゴルファーでも愛用者が増えてきています。

中尺、長尺共通のメリットは、重さを生かしたストロークがしやすいことにあります。どちらも一般的な長さのパターと比べて総重量があり、その重量を生かした安定したストロークがしやすいです。また重さのあるパターでボールをしっかりととらえると”重い転がり”が打てるため、芝目に負けにくいといったメリットもあります。

中尺と長尺の違いは、アドレスの形や握り方にあります。中尺は、モデルによって長さは異なりますが、一般的な長さのパターよりも3~4インチ程度長いぐらいで、一般的なパターよりも長いグリップが装着されています。グリップの真ん中あたりを握り、少しエンド側を余らせるのが一般的です。

最近の中尺は、グリップエンド側にウェートを装着したカウンターウェート仕様になっているモデルが多く、この効果により一般的なパターと同じようなイメージでストロークしやすく、それでいて重さを生かした重い転がりのパッティングがしやすくなっています。

長尺は、45インチ前後のドライバーとほぼ同じぐらいの長さのモデルが一般的で、セパレートされた2ピースのグリップが装着されているモデルが多いです。左手でグリップエンド側のグリップを握り、右手は中央寄りに装着されているグリップを添えるように握り、ホウキを掃くようなスタイルでストロークします。アドレス時に前傾が浅く、上から見下ろすような構えになるため、腰を痛めにくく、ラインも見やすいのがメリットです。

それぞれコースで使用してみましたが、極力インパクトを”作らず”、振り子のようにスムーズに振り抜くとタッチが合わせやすく、とてもいい感じでした。インパクトを少しでも作ってしまうと、重さがあるためいわゆるパンチになりやすいです。パター自体の重さを感じながら、ゆったりとしたテンポをイメージしながら、ストロークするのがおすすめです。

ラインを浅めに読み、入れに行くようなパットでもテンポを変えないようにすることが大事ですね。もちろんパッティングスタイルは千差万別ですので、この限りではないですが、中尺、長尺の歴の浅いゴルファーやスタイルがまだ決まっていないゴルファーには、有効だと思います。

パターにお悩みのゴルファーはもちろん、自身のゴルフがマンネリだと感じているゴルファーがいらっしゃいましたら、ぜひ中尺、長尺をトライしてみてください。とても新鮮で楽しいですし、慣れると手放せないぐらい機能的ですよ!

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