「ニトリレディス」の初日は午前・午後組に分かれて進行中。午前組でスコアを伸ばしたのは永井花奈が7アンダー、神谷そらが5アンダー、その1打差に金田久美子、青木瀬令奈、永峰咲希と続く。みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が現地からのレポートをお届け。

初の開催コースとなった北海道CC大沼C(函館)はツアー最長の6995Y・パー73の設定です。パー5が5ホールあるものの、590Yや570Yと距離が長くバーディホールとして計算できなくなっていますし、パー3も170Y、185Y、200Yと距離が長い設定になっています。開幕前のニトリ所属のホステスプロ永峰咲希選手は「長い。ここはマネジメントというよりも距離の大変さとグリーンの芝目もあるので、そこの読みが難しいかなと」と警戒していました。

画像: 「ニトリレディス」の初日を4アンダー(暫定3位タイ)で終えた青木瀬令奈

「ニトリレディス」の初日を4アンダー(暫定3位タイ)で終えた青木瀬令奈

距離のあるセッティングを飛距離が出ない青木瀬令奈選手がどう攻略するのか興味が沸きましたので、午前組の青木、永峰、そして安田祐香選手の組について歩きました。

その青木選手は飛距離は出ないものの、1ラウンド当たりの平均パット数はランク1位と20‐21年シーズンから25年の現在まで女王の座を譲っていないパット巧者でもあります。

正確なドライバーショットでフェアウェイをキープし、UTやウッドでピンを指し、グリーンを外してもアプローチで寄せてパーで切り抜けるというのが青木瀬令奈流。そのプレースタイルで通算5勝を挙げていますが、今季は長引く足の故障もありポイントランク50位にとどまっています。

しかし初日はまさに青木流のプレースタイルの真骨頂を見せ、長めのバーディパットを決め、グリーンを外してもピンそばに寄せ、5バーディ1ボギーの4アンダー暫定3位タイで終えています。

グリーン周りからのアプローチは58度のSWを多彩に操りますが、ベースはピッチ&ランというよりは上げてピン近くに落として止めるスタイル。特に今週のグリーンは天候不順もありグリーンは軟らかくスピードも10フィート前後なので、不確定な芝の影響を考えると上げて止めることを選択しているのでしょう。

画像: 58度のSWで高さを打ち分けピンに寄せる

58度のSWで高さを打ち分けピンに寄せる

パット巧者の青木選手が今週手にしたのは、オデッセイ『ストロークラボTEN』というヘッド後方の左右にウェートを配置した重心深度の深いモデル。その理由を聞いてみると「グリーンが速くないので、お尻が重いと(インパクトで)ロフトがついて転がりが良くなると思って選びました」とグリーンの状態に合わせて選んだ様子。

その戦略が見事にハマり、最長では20mくらいのロングパットまで沈めてギャラリーを沸かせていました。

画像: グリーンの状態に合わせて選んだオデッセイ『ストロークラボTEN』もハマった

グリーンの状態に合わせて選んだオデッセイ『ストロークラボTEN』もハマった

好スタートの裏には今大会のプロアマで思いがけない出会いがあったといいます。

「順天堂大学の天野篤教授から、練習でやってることが本番でも出るから、本番でも練習した通りにやる、練習でやっていないことはやらない。歌舞伎の“見栄”を張るじゃないですけど、“自分を見てほしい”というような自信を持って、その場の雰囲気を取り込みながらプレーしたほうが良い」と言われたといいます。青木選手の場合は、特にグリーンやグリーン周りの得意な分野で見栄を張るようにアドバイスを受け、アプローチでもパットでも青木選手らしいプレーができた要因を話してくれました。

ニトリ所属の永峰選手は危なげないプレーに要所でパットを決めて4アンダー。

画像: ホステスプロとして挑んでいる永峰咲希

ホステスプロとして挑んでいる永峰咲希

安田選手は前半に2つのパー5でボギーとするも、後半は2番から3連続バーディ、8番パー3でもバーディとし2アンダーで初日を終えています。

画像: 初日2アンダーでまずまずの滑り出しを見せた安田祐香

初日2アンダーでまずまずの滑り出しを見せた安田祐香

なお、今大会ではフェアウェイに傷んでいる箇所が多く、プリファードライのルールが適用されています。

明日も現地からのレポートをお届けします。

写真/中村修

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