ライダーカップの欧州チームキャプテン、ルーク・ドナルドが9月1日、主将推薦の6名を発表した。米チームは前回(23年)のローマ大会からかなりメンバーが入れ替わったが欧州は12人中11人が同じメンバー。ホイガードツインズの兄ニコライから今回は自動出場資格で弟ラスムスが選出され兄弟が入れ替わったが、ラスムスはチームをサポートするため前回も非公式にヨーロッパチームに同行しており全員が気心の知れたメンバーだ。

ローリー・マキロイ、トミー・フリートウッド、ロバート・マッキンタイア、ジャスティン・ローズ、ティレル・ハットン、ラスムス・ホイガードの自動選手組6名に加わるキャプテンピックが発表された。

司会者がドナルドに誰を選んだかを促すとドナルドはまずラスムスが自動選手となる直前でトップ6から弾き出されたシェーン・ローリーを指名した。

続いて2番目に名前を呼んだのがLIVで2年連続年間王者(個人戦のチャンピオン)に輝いたジョン・ラーム。ライダーカップポイントでは24位だがドナルドはなぜ彼を選んだのか?

「メジャーで2度の優勝経験を持ちライダーカップにおけるスペインの偉大な伝統を引き継いでいるのが彼です」

画像: キャプテンピックで指名されたジョン・ラーム(写真は2025年の全米オープン 撮影/岩本芳弘)

キャプテンピックで指名されたジョン・ラーム(写真は2025年の全米オープン 撮影/岩本芳弘)

するとMCを務めた元選手のニック・ドーハティが「スペイン人選手がいなければライダーカップとはいえません。あなたにとって4度目の出場となる今回はどんな意味がありますか?」とラームに質問した。

ラームは一瞬間をおき「いつもとは違う気持ちです。ルークから数日前に電話をもらっていたにも関わらず、(正式に)選ばれたことがこんなに感慨深いとは思ってもいませんでした」

ドナルドはラームのチーム内の役割をこう説明する。

「ジョンは自分の行動の細部までこだわり。いつも最初に立ち上がり、チームルームから最後に出ていく人です。ライダーカップで私が憧れるセベ(バレステロス)をはじめとしたスペインの系譜を受け継ぎ、彼らの足跡を辿りたいと考えている。ジョンはその歴史をしっかりと受け止め自らのプレーに投影させています」

26日に開幕する今年のライダーカップの舞台はニューヨーク、ベスページブラックC。ヨーロッパは00年以降8勝3敗と優勢だがアウェイでは2大会連続(16年&20年)で大敗を喫している。ローマ大会で奪還したカップを死守するためにもラームの力は欠かせない。

もともとアメリカ対イングランド&アイルランドの対抗戦だったライダーカップがアメリカ対欧州連合に変わったのが1979年。

画像: 1983年マスターズを制したセベ・バレステロス。スペインの系譜の元祖だ

1983年マスターズを制したセベ・バレステロス。スペインの系譜の元祖だ

【動画】1983年、2度目のマスターズ制覇のセベ【マスターズ公式YouTube】

画像: The Magnificent Skills of Seve Ballesteros www.youtube.com

The Magnificent Skills of Seve Ballesteros

www.youtube.com

そして80年代にセベが登場したことで情勢は大きく変化した。83年アメリカで行われた大会では相手の連勝に次ぐ連勝をあと一歩で阻止する1ポイント差の惜敗。これまで大敗を喫していた相手に食らいついて僅差に迫ったことで「これは勝ちに等しい。祝杯をあげようじゃないか!」と選手を煽りまるで勝利チームのように振る舞った。

そこから欧州が3連覇(85年、87年、89年)を達成するのだ。セベの意志を受け継いだホセ・マリヤ・オラサバルやセルヒオ・ガルシア(史上最多の28.5ポイントを稼いでいる!)がスペインの系譜を繋ぎラームはいまそのバトンを守っている。

そのほかのキャプテンピックはセップ・ストラカ、ビクトル・ホブラン、ラドビッグ・アバーグ、マシュー・フィッツパトリックの面々。

ドナルドは会見の最後をこう締め括った。

「アウェイで戦ったここ4大会で我々は3敗しています。厳しい戦いになるでしょう。タフな挑戦です。でも我々は全力を尽くしチーム一丸となって戦い抜きます」

関連記事はこちらから

This article is a sponsored article by
''.