女子ゴルフの今季国内ツアー第24戦「ゴルフ5レディス」最終日が7日、千葉県・ゴルフ5カントリーオークビレッヂ(6505ヤード、パー72)で行われ、首位から出た20歳のルーキー荒木優奈が5バーディ、1ボギーの4アンダー68で回り、通算12アンダーで初優勝を果たした。荒木と最後までデッドヒートを繰り広げた柏原明日架が1打差の通算11アンダー2位。5アンダー67を出した永井花奈が通算10アンダー3位に食い込んだ。今大会は台風15号の接近で第1日が中止。36ホールの短縮競技となった。
画像: 「ゴルフ5レディス」でツアー初優勝を飾った荒木優奈(撮影/岡沢裕行)

「ゴルフ5レディス」でツアー初優勝を飾った荒木優奈(撮影/岡沢裕行)

高校の先輩・柏原明日架との一騎打ちを制す

画像: 最終18番、柏原明日架(中央)と稲垣那奈子(左)が見守るなか、パーパットを沈めて優勝を決めた荒木(撮影/岡沢裕行)

最終18番、柏原明日架(中央)と稲垣那奈子(左)が見守るなか、パーパットを沈めて優勝を決めた荒木(撮影/岡沢裕行)

荒木がほっとしたように首をすくめて笑った。最終18番パー4。奥から1.5メートルのウイニングパットはカップの左すみからコロンと消えた。宮崎・日章学園高の先輩・柏原との一騎打ちに決着をつけ、入谷響に次ぐルーキーイヤーでの初優勝を達成した瞬間だった。

優勝インタビューは笑顔満開。涙が入り込む余地もなかった。

「後半は本当に長く感じたんですけど、最後まで粘り強くプレーできてよかったです。この優勝はお父さんとお母さんに伝えたいです。優勝したよって。これからも2勝目、3勝目を目指して残りのシーズンも頑張りたいと思います」

最後まで生みの苦しみを味わいながらも、常に笑顔を絶やさず乗り越えた。

1打差首位から出て2番でボギーが先行したが、1.5メートルを決めた5番から3連続バーディ。後半も12番で3メートルを沈めて首位をとらえると、13番パー5はピンまで残り210ヤードの第2打を5Wで2オンに成功。2パットで難なくバーディを奪って単独首位に浮上した。

柏原に1打のリードで迎えた18番は残り146ヤードから8Iで打った第2打が2段グリーンの手前、下の段に戻ってきたが、あわてずファーストパットを強めに打って1.5メートルオーバー。柏原がパーにとどまったのを確認したあと、下りフックラインを読み切って優勝を決めた。

「バーディパットは上の段にいけばOKとしていました。パーパットは外してもプレーオフなので、今日はパットがよかったので集中して打った。(最後のパットは)手が動きそうではありましたので、しっかり打てました。フックラインのボール1.5個分くらいの切れ幅でした。(入った瞬間は)終わった~!という気持ちでした」

「3日間、4日間の大会で優勝することが今年の目標です」

画像: この優勝でメルセデスランキングが9位へ浮上。平均ストロークは70.9865の10位、平均バーディ数は2位を誇る。ドライビングディスタンスは244.22の31位(撮影/岡沢裕行)

この優勝でメルセデスランキングが9位へ浮上。平均ストロークは70.9865の10位、平均バーディ数は2位を誇る。ドライビングディスタンスは244.22の31位(撮影/岡沢裕行)

2005年6月17日、熊本県玉名市生まれ。4歳からゴルフを始めた。ジュニア時代から頭角を現し、2022年日本ジュニア優勝、2023年にはオーストラリアン・マスター・オブ・アマチュアを制覇。同年のトヨタジュニアゴルフワールドカップでは個人、団体ともに優勝と輝かしい足跡を残してきた。

始めての挫折はプロテストだった。1回目は失敗で2024年の2回目で合格した。その後は同年のJLPGA新人戦加賀電子カップでも優勝した。

「プロテストに落ちたときは今まで生きてきた中で初めての挫折でした。しばらくはゴルフをやりたくなくて、ゴルフをやめようとは思わなかったけど、遊んでいました。でも、推薦でレギュラーの試合に出させてもらったときにやっぱりプロの試合は面白いと思い本気でやりだしました」

シーズン早い時期の初優勝が期待された今季は5月のブリヂストンレディスで優勝争いの末に2位、6月のヨネックスレディスは3位と生みの苦しみを味わっていたが、同期の入谷響が6月のニチレイレディスで世代の優勝一番乗りを果たしたことや高校同級生・菅楓華の活躍が発奮材料になったという。

「最初に響ちゃんが優勝して、うわ、すごいなと思った。楓華がいい成績を出しているのは刺激というか自分もそんな風になりたいという思いがありました」

もとより日本を代表するプレーヤーになる逸材。この優勝で一気に成長の階段を駆け上がる可能性は十分に秘めている。

「今回は2日間大会だったので、まぐれと思う人もいると思うので、しっかり3日間、4日間の大会で優勝することが今年の目標です。ルーキーで1勝できたので、来年は年間女王を目指したいです」

女子ゴルフにまたひとり「最強候補」が飛び出してきた。

荒木優奈の今シーズン

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