台風の影響で2日間の短縮競技となった「ゴルフ5レディストーナメント」で初優勝を飾ったルーキーの荒木優奈。難コースでの短期決戦を攻め続けた彼女のスウィングをみんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が解説。

奇才デズモンド・ミュアヘッド設計の難コース「ゴルフ5カントリー オークビレッジ」はアンジュレーションのあるフェアウェイ、浮島やアゴの高いバンカーが特徴。そして最終日は風も吹き、ホールからのプレッシャーに加え、優勝争いのプレッシャーから手に汗握る展開となりました。

画像: 「ゴルフ5レディス」で初優勝を飾ったルーキーの荒木優奈

「ゴルフ5レディス」で初優勝を飾ったルーキーの荒木優奈

荒木優奈選手はショット力が魅力のプレースタイルですが、前週の「ニトリレディス」の練習日に9ホールを付いて歩き、話を聞いていました。スウィングで意識していることを聞くと、洋芝対策にアイアンの入射角を確保するよう意識しているとの答え。ニトリレディスを優勝した鈴木愛選手も「洋芝ではいつもより5ヤード飛ばないぶん、距離感を合わせるのが難しい」と話していましたがドローヒッターの荒木選手も洋芝独特の少し沈んだライからのショットを重点的に練習していました。

今大会の開催コース「ゴルフ5カントリー オークビレッジ」は猛暑であったにも関わらずフェアウェイ、グリーン共に素晴らしいコンディションだったので、状態の良いコウライ芝からのアイアイショットは前週の練習もプラスアルファとなって精度を増していたことでしょう。

もう一つ「ニトリレディス」では予選落ちしていた荒木選手は、居残って半日以上も練習グリーンでパット練習に打ち込む姿を見ていましたが、同じく予選落ちした穴井詩選手にパット勝負を挑み、負けたぶんの罰ゲーム「ジャンプスクワット」(通称:ジャンスク)を30回やらされていました。その翌週に初優勝を飾るのですから、受けた罰ゲームも無駄ではなかったということですね。

画像: 最終ホールで1.5mの下りのフックラインを見事に沈めて1打差で逃げ切った

最終ホールで1.5mの下りのフックラインを見事に沈めて1打差で逃げ切った

それではスウィングを見てみましょう。荒木選手はトップからの切り返し、つまりターゲットとは反対方向に振り上げたクラブをターゲット方向へと反転させる際に体でタメを作ります。そうすることによって、上半身と下半身の捻転差を作り体幹がねじられることで大きなパワーを作り出しています。

画像: 切り返しでは体でタメを作ることで上半身と下半身の捻転差を作り大きなパワーを得る

切り返しでは体でタメを作ることで上半身と下半身の捻転差を作り大きなパワーを得る

そして顔の向きに注目すると、テークバックでやや右に顔を向けるとインパクトまでキープされていることが見て取れます。この顔の向きがターゲット方向に向いてしまうとクラブ軌道はアウトサイドインになりやすく、上半身と下半身の捻転差も作れなくなってしまいます。スライスに悩むゴルファーは参考にしてみてください。

画像: 顔の向きをキープしながら下半身を積極的に使うことでインサイドからクラブを下ろす

顔の向きをキープしながら下半身を積極的に使うことでインサイドからクラブを下ろす

初コンビで優勝した佐藤大輔キャディは「緊張もしていたと思いますが、技術がしっかりしているから安心してみていられましたね」とナショナルチームでの実績も踏まえて今後の活躍に太鼓判を押します。残るシーズンで複数回優勝する姿も見られそうです。

写真/岡沢裕行

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