
雷雨接近のためサスペンデッドとなった初日。午前スタートの青木は2アンダー暫定8位タイの好スタート。1番ギャラリースタンドではソニーの大画面には選手が紹介される
ベテラン青木の頭脳戦が光った。
大洗GCは太平洋から吹き付ける強風と狭いフェアウェイ、そして大きな木が空中のハザードとなる日本屈指の難コースだが、卓越したマネジメントで攻略に成功。「いっぱい頭を使いました。(このコースは)4日間アンダーパーで回れたら上出来という印象です。風が強かったので、風と花道から(攻めること)を考えました。ピンを狙う必要はないので。あとはいったとこ勝負でした。パターとアプローチを頑張る感じでした」と振り返った。

9番パー4ではチップインバーディ。寄せが冴えた(撮影/岡沢裕行)
2番パー5でピンまで残り144ヤードの第3打を7Uで50センチにつけてバーディ先行。6番パー4は残り116ヤードをPWで30センチにピタリとつけてスコアを伸ばした。9番パー4は右ラフから25ヤードのアプローチでチップインバーディを決めると、折り返しの10番パー5はティーショットでドライバーを持たず、3Wでフェアウェイ狙い。結果はラフだったが「藤田さいきさんとプチ合宿でラウンドにきたときも、指定練習日もスプーンだったので、予定通りでした」と冷静に話した。
唯一のボギーは最終18番パー4。第2打でグリーンを外し、第3打はピンまで40ヤード。ダブルボギーまであるピンチだったが、最後は1メートルのボギーパットをしっかり沈めて傷口を最小限に抑えた。
「今日はパットが22パットだったので、ほぼ(グリーンに)乗っていない。グリーン周りに運んで寄せワンというラウンドだったので、初日から頭をフル回転させながら、大洗を楽しく攻略できたかなと思います」
2023年大王製紙エリエールレディスまでに積み上げた優勝は5回あるが、まだメジャーのタイトルには縁がない。それだけに今大会にかける気持ちは強い。
「(メジャーは)4大会ありますが、この試合はアマチュアは出られないですし、プロの中の1番を決めるという大会。歴代優勝者が毎回出る歴史ある大会でもあるので気合の入り方は若干違います」
好位置で初日を追え、偉業達成まで残り3日間。
「毎日18番ホールでひざから崩れ落ちる準備をしてるくらいのメンタルというか状態で1日を積み重ねていかないといけないコースなので、明日も崩れ落ちる準備をしながら回りたいと思います」
不退転の決意で初のメジャーを奪い取る。