ツアー屈指の飛ばし屋で今最も優勝が期待されているのが新村駿選手です。長野県出身で日本大学を経て2022年にプロテストに合格してツアープロ転向を果たしています。石川遼に憧れてゴルフに没頭して、そのままプロになる夢を叶えた新村選手が今も拠点を長野県に置いている理由は、いつか地元にゴルフで恩返しをしたいという熱い思いがあるからです。
画像: 新村駿-Shun Nimura 2000年生まれ、長野県松本市出身。極真空手で年齢別の全国大会で3度の優勝経験あり。小学校4年からゴルフを始める。

新村駿-Shun Nimura 2000年生まれ、長野県松本市出身。極真空手で年齢別の全国大会で3度の優勝経験あり。小学校4年からゴルフを始める。

GD ゴルフを始めたのは何歳ですか?

新村 3歳の頃に始めました。きっかけは父親が趣味でやっていたんですが、その影響で3歳上の兄がやっていて。その流れで自分もやり始めた感じです。最初は家にあったおもちゃのクラブでやり始めて、一緒に練習場について行ったのがきっかけですね。

GD お兄さんはゴルフは上手かったんですか?

新村 兄は上手かったですね。兄は一緒にゴルフをやっている友達がいたんですが、そこに自分も混じって練習場に行ったり、コースに行ったりしていましたね。年は3つ違いですけど、その頃から飛距離もゴルフも負けたくないという思い出やっていたのを覚えています。今は飛距離に関しては飛ぶほうですが、特別飛距離アップのために何かをやってきたわけではなく、その頃に兄に負けたくない思いで練習したのが今の飛距離につながっているんだと思います。

GD ゴルフ以外には何かスポーツはやっていたんですか?

新村 空手をやっていました。兄もやっていて小学校の頃は日本チャンピオンになっているんですが、僕も空手が強かったのは確実に兄の影響というかおかげで、兄に負けたくない、追いつきたいという思いでやっていました。よく喧嘩もしましたし、対抗する相手が同級生ではなく、常に3つ上の兄やその同級生だったので、ゴルフでは自分が特に飛ぶなとは思っていなかったんです。

GD それが普通だったわけですね。

新村 むしろ全然飛んでいないと思っていました。

GD 空手も強かったのになぜゴルフの道を?

新村 完全に石川遼さんの影響です。それまではゴルフも週一のレッスンに通ったり、練習もやっていたんですがどちらかと言えば嫌々という感じがありました。友達は野球とかサッカーとかやっていて、僕自身もサッカーが大好きでしたし団体スポーツへの憧れもあったんです。でも石川遼さんがアマチュアで優勝して、ゴルフブームになって。僕自身も実際に観戦に何度か行ったこともあるんですよ。そういうのを目の前で見て、自分もそうなりたいと強く思いました。アマチュアで優勝して、プロになって賞金王になって。2億とか稼げるゴルフって夢があるなと思ったんです。それまでは学校でゴルフをやっている友達なんかもいなかったし、どちらかと言えばマイナースポーツ的な感じだったんですけど、それでも石川遼さんをきっかけに他のどのスポーツよりも輝いて見えていました。

画像: あこがれは石川遼さんでした

あこがれは石川遼さんでした

GD 中学はゴルフ1本で?

新村 はい。石川遼さんが優勝したのを見た小学校4年生からはゴルフに完全にシフトして、中学、高校はゴルフ部がある佐久長聖高校に行きました。

GD そこから日大へ進むわけですね。

新村 本当は高校を卒業してプロになるつもりで大学に行くつもりはなかったんです。

GD そこで進学した理由は?

新村 日大の小野コーチに声をかけていただいて、自分自身のゴルフにというかプロゴルファーに対する考え方を変える大きなきっかけを与えてもらったんです。

GD 何があったんですか?

新村 他にもいくつか大学から声をかけていただいていたんです。日大はもちろん知っていました。ただ、部員も何百人もいる中で、数人しかなれないレギュラーになるのは難しいなと思っていたんです。それなら地方の大学に行って1年から試合にバンバン出てというほうがいいと思っていたんです。それを小野コーチに話したら「そんなにプロの世界は甘くないぞ」って言われたんです。レギュラーに簡単に手が届くようなところに行ってやっても、それで卒業してプロになっても通用しないって。その言葉の内容自体にも衝撃を受けましたけど、それをまだ入学していない自分に強く言ってくれたことに感銘しました。日大に進んで、本当に良かったと思っています。卒業してからは長野を拠点にしていますが、自分が石川遼さんに憧れたように、そう言う子どもたちがどんどん出てくるような環境を地元で作りたいという夢もあります。

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新村選手の目標はもちろんツアーで勝つことだが今シーズンはレギュラーツアーに参戦する中でいわゆるシード選手らとの違いを痛感しており、勝ちに行くというよりは学びの目線になっていると話す。ただ、それはネガティブなものではなく、今後のステップアップのために必要な目線。ツアー屈指の飛距離を誇る新村選手が覚醒する日はそれほど遠くはないだろう。

文/出島正登

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