タイガー、松山英樹が長く愛用し、世界中のゴルファーから憧れられるパターブランドの魅力を追いかけるシリーズ。第87回はビンテージ感溢れる『サーカ62』ツアープロトタイプについて。
ビンテージ感とやさしさと

サーカ62 ツアープロトタイプ:サーカ62が初めて登場したのは06年のこと。トウの高いデザインは、トウアップを防ぎ、ライ角どおりのスクエアなアドレスを取りやすくする効果がある。そのフォルムと性能を含め、当時のキャメロン氏の自信作だったと言われている
クロマチックブロンズ仕上げが美しい、ビンテージ感溢れるサーカ62である。
サーカ62は、直訳すると62年頃という意味。キャメロン氏の生まれ年にちなんで付けられた名前で、クラシカルなシルエットと、ハイトウ(トウ部分が高い)デザインが特徴のブレードパターである。
このモデルは、古き良き時代のスタイルを踏襲している。しかし、クラシカルなヘッドをそのまま再現すれば、当然現代のパターに比べて芯が狭く、ミスに対してシビアなクラブになってしまう。

スイートエリアを広げる効果を狙ったブレット(ボトム)ソール
それを避ける工夫のひとつが、ブレットソール、もしくは、ブレット・ボトム・ソール(弾丸に削られたという意味)と呼ばれるデザインである。ソールにくぼみを作り、重量をヘッドの周辺に配分することで、スイートエリアを広げる効果を狙っているのだ。
クラシカルなヘッドをただ古い形のまま再現するのではなく、ビンテージ感を演出しながら、やさしさを加えて現代によみがえらせる。スコッティキャメロンは、そういうところが上手い。
PHOTO/Takanori Miki
THANKS/スコッティキャメロン ゴルフギャラリージャパン
※週刊ゴルフダイジェスト9月23日号「キャメロンマニア宣言」より