9月22日、ヤマハゴルフから新しい「RMX DD(リミックス ディーディー)」が登場した。最大の変化は、ついにドライバーが“カーボンフェース”へと進化したこと。初速性能を追い求めたその設計の裏側で、ヤマハが狙ったのは“集弾性”――ショットのバラつきを抑える圧倒的な安定性、そして“つかまり性能”だった。果たして新RMXはいかなるドライバーに仕上がっているのか、その真価を徹底レポートする。

カーボンフェースは“ギリギリ”の反発性能を狙える

昨年発売された「インプレス ドライブスター」で、ドライバーのカーボンフェース化に踏み切ったヤマハ。そこで求めたのはチタンを凌駕する“高初速性能”。実際にインプレス ドライブスターを手にしたプロやユーザーからは、ボール初速の向上に手応えを感じる声が多く聞かれた。

しかしその評価が聞こえてくるより以前に、新しいRMXの開発は当然進行していた。ボール初速に対してはカーボンフェースが絶対的に有利、ヤマハの開発陣はここによほどの自信を持っているのだろう。

今回発売されるのは、コントロール性とつかまりの融合で飛ばす「RMX DD-1」と、つかまりとやさしさで飛ばす「RMX DD-2」の2タイプ。もちろんいずれもカーボンフェースだ。ちなみにDDは「DISTANCE(距離)」と「DIRECTION(方向)」の頭文字を取ったものだ。

「カーボンフェースのメリットは、製造誤差を極めて小さくできるということ。チタンフェースは、溶接してさらに研磨という作業が入るため、個々にバラつきが生じやすく、反発規制のギリギリを攻めたくても、ある一定のバッファを見込まなければなりません。つまり規制値まで少し余裕を持たせた設計にせざるを得ないんです。一方でカーボンは、設計通りにバラつきが小さく仕上がるので、極限の反発性能を狙えます」(RMXドライバー開発担当者:以下同)

そしてカーボンは、そのもの自体が“軽い”ということも大きなメリットだ。

「カーボンフェースにすることで、余剰重量が多く取れ、設計の自由度がかなり上がります。実際に今回はウェイトをヘッド周辺部に配置することにより、慣性モーメント(MOI)の増大や、求める性能をより引き出すことに成功しています。そしてフェースは“オクタ アングル カーボン フェース”といい、インプレス ドライブスターに採用したものと同じ名称ですが、実際はカーボンの積層を変え、さらなる軽量化にも成功しています」

画像: カーボンシートを8方向から重ね合わせて作られる「オクタ アングル カーボン フェース」。三菱ケミカルとの共同開発で、軽さ、強度、反発性能に優れる

カーボンシートを8方向から重ね合わせて作られる「オクタ アングル カーボン フェース」。三菱ケミカルとの共同開発で、軽さ、強度、反発性能に優れる

RMX DD ドライバーを打った女子プロたちは一様に、「フェースに変な重さというか鈍さがないせいか、ボールが食い付くのをすごく感じて、インパクトで押し込める」と感想を漏らしている。また有村智恵は、「チタンより食い付きがいい印象があるから、自分で押し込んでコントロールもしやすい」という。

バルジの最適なカーブを数値で“見える化”

RMX DD ドライバーのもう一つのウリは、“集弾性”の高さ。ショットのバラつきを抑え、狙ったところにボールを集める能力の向上だ。そこでヤマハは、フェースの“バルジ”を改めて見直した。バルジとはフェース面のトウ‐ヒール方向の丸みのことで打出し方向を補正する機能を持ち、この機能とギア効果(トウ側に当たった際に生じるフック回転や、ヒール側に当たった際に生じるスライス回転)によりボールをある程度中央付近に集めてくれる。

画像: トウ‐ヒール方向のフェース面のカーブが「バルジ」

トウ‐ヒール方向のフェース面のカーブが「バルジ」

「近年はヘッドの大型化やMOIの増大が進んでおり、それに合わせてバルジの設計値をどう決めるべきかを改めて検討しました。そこで重心深度やMOIを大きく振った特殊なヘッドを十数種類試作し、マシンでさまざまな打点条件を再現してデータを取得しました。地道な研究ですが、センターを外したときの集弾性、つまり弾道のまとまりを向上させるうえで大きな成果が得られました」

従来も重心深度やMOIを考慮した設計は行ってきたというが、今回は多くの実測データと理論計算を組み合わせた“半経験式”を構築し、大MOIの設計に高精度でフィットするように、システマチックに整備できたことが大きかったという。

「これを実現できた背景には、金属3Dプリンタの進化があります。これまでは多数の試作に膨大なコストと時間がかかりましたが、CADデータさえあれば短期間で必要なパターンを作成でき、研究の幅と精度が大きく広がりました。そこから導き出された新しいバルジは、見た目には平らに映るかもしれませんが、ギア効果を計算に入れ、微妙にカーブを描いています。プロのテストでも“曲がらない”、“真ん中に戻ってくる”という声が数多く上がっています。しかもバルジは、DD-1とDD-2で微妙に変え、最適化しています」

さらにフェース面には特殊な塗料を、あえて粗い状態でコーティングしている。これにより、雨天時などでも安定したスピン量を確保することができ、これも集弾性の高さに一役買っている。

今度のRMXはつかまえて飛ばす!

そうして完成したRMX DD ドライバー。「DD-1」「DD-2」ともに“つかまる”ということが大きなコンセプトとなっている。

画像: 取り外し可能なウェイトをヘッド外周部に配置。標準は10g。別売りで12g、8g、6g、4gが用意されている

取り外し可能なウェイトをヘッド外周部に配置。標準は10g。別売りで12g、8g、6g、4gが用意されている

「RMX DD-1、DD-2ともに、スタンダードポジションでしっかり“つかまる”ように仕上げています。つかまることが、多くのゴルファーにメリットなることはもちろん、プロであってもつかまることが安心して振れることにつながるという声も多い。今作は、ロフト、スリーブ、ウェイトポジションの組み合わせで80通りの調整が可能で、幅広いゴルファーに対応できるようにしました。また、9度と10.5度ではロフト差によってつかまりやすさが変化しますが、重心設計によってそのギャップを解消しています。具体的には、ロフトが立っているとつかまりにくい特性があるため、9度は重心位置でややつかまる設計に。結果的に9度と10.5度で、同じようなつかまり性能を感じられるようになっています」

画像: 専用開発された「TENSEI」が純正シャフト。手元と先端のしなりを生かせる50gと、動きを抑えて叩ける60gが用意されている

専用開発された「TENSEI」が純正シャフト。手元と先端のしなりを生かせる50gと、動きを抑えて叩ける60gが用意されている

さまざまな調整機能と設計により、幅広いゴルファーに合わせて最適な組み合わせが可能なRMX DD ドライバー。もともとヘッドとシャフトが別々に買えるという画期的なコンセプト(現在も別々に購入可能!)から始まったモデルだけに、ヘッドでも多彩にカスタマイズできるとなれば、まさにRMXの面目躍如といえるだろう。

打ってわかった!“つかまる”ってやっぱり正義だ

さてここからは、2名のプロに実際に打ってもらい、初速性能、そして集弾性などをチェックしていこう。テスターは、ヘッドスピード43m/s前後の谷古宇智紀プロ、そして同38m/s前後の岸部華子の両プロにお願いした。

画像: 岸部華子プロ、谷古宇智紀プロ、ヘッドスピードが異なる2人が試打を担当(CLUB HOUSE所属)

岸部華子プロ、谷古宇智紀プロ、ヘッドスピードが異なる2人が試打を担当(CLUB HOUSE所属)

【RMX DD-1×岸部プロ】構えやすさと食い付く打感は病みつきになる

さっそく岸部プロは、RMX DD-1の構えやすさに好感触。

「きれいな丸顔で、難しい印象はまったくないですね。リラックスすらしてしまいそうなやさしい顔。すごく構えやすいです。ヘッドをポンと置いた時も、真っすぐターゲットを向いてくれるところもいい。最近のドライバーは右を向くものが多くてちょっと気になっていたんですが、RMX DD-1はそれがなくて安心です」

画像: アドレス時にフェースがターゲットにスクエアにセットされる。ヘッドの据わりもいい

アドレス時にフェースがターゲットにスクエアにセットされる。ヘッドの据わりもいい

打ってみると、その打感がいたく気に入ったという。

「打感、すごくいいです。ボールがフェースに食い付く感じなので、後ろから押せてボールをコントロールできる雰囲気が出ます。私は持ち球がドローですが、曲がりすぎることもなく、持ち球が安定して出ますね」(岸部)

軽いドロー、しかも曲がり幅もほぼ一定で飛んでいく。岸部プロのショットの精度の高さを差し引いても、独自設計のバルジの効果は確かにあるようだ。

「もう少し飛んでくれるとなおいいですね」という岸部プロの声から、ウェイトを10gから4gに軽くして、再度打ってもらった。

画像: 「重い感じはしない」という岸部プロだが、重りを10gから4gに変更すると飛距離がかなりアップ

「重い感じはしない」という岸部プロだが、重りを10gから4gに変更すると飛距離がかなりアップ

「振った感じはそんなに変わらないんですけど、ヘッドスピードは上がってますし、明らかに飛びますね! 私にはこの重さがぴったり合います」

ウェイト次第では、ヘッドスピード40m/s未満でも打ちこなせる懐の広さがあるようだ。

【RMX DD-1(ウェイト10g)計測データ】
・ヘッド速度:37.1m/s
・ボール初速:55.1m/s
・ミート率:1.49
・打ち出し角:14.4度
・スピン量:3002rpm
・キャリー:195.8Y
・トータル:212.7Y

【RMX DD-1(ウェイト4g)計測データ】
・ヘッド速度:38.1m/s
・ボール初速:56.8m/s
・ミート率:1.49
・打ち出し角:13.6度
・スピン量:2683rpm
・キャリー:202.5Y
・トータル:220.9Y

※ロフト10.5度、シャフト50g台を使用。データはナイスショット3球の平均(計測:トラックマン)

【RMX DD-1×谷古宇プロ】根本的に“曲がりにくい”ヘッド

続いて谷古宇プロがRMX DD-1をテスト。

「ヘッドはきれいな丸顔で、しっくりきます。DD-1は450㏄とのことですが、まったく小ぶりな感じはないですし、投影面積はそれなりに大きくて、逆に安心感があります」

打つと初速性能の高さとともに“曲がらなさ”を実感したようだ。

画像: 「かなりトウ寄りに当たったショットでも、右プッシュや左に巻き込む球が出にくい」(谷古宇)

「かなりトウ寄りに当たったショットでも、右プッシュや左に巻き込む球が出にくい」(谷古宇)

「打音がおとなしいわりに、ボール初速はしっかり速いです。そして、かなりトウ寄りに当たっても当たり負けしないので、右にぺらっと飛ぶような弱々しい球になりません。かといってギア効果が強くかかって左に大きく曲がる感じもない。それよりも、芯を外しても根本的にフェース面が動きにくく、打ち出し方向が安定して真っすぐ飛ばせる感じがします。結果ボールの散らばりが少なく“幅”に打っていける。そんなヘッド性能に感じました」

谷古宇プロには、ウェイトをトウ、ヒールに動かしたパターンも試してもらった。

まずはトウ側から。

画像: トウ側に寄せるとつかまりは控えめになるが、一方でスピン量が抑えられた重い球に

トウ側に寄せるとつかまりは控えめになるが、一方でスピン量が抑えられた重い球に

「FADEポジションだけあって、フェースがやや返りにくくなります。ただ打感が重くなって、スピン量が抑えられて飛びますね。返りにくいヘッドを無理に返そうとしないで、ヘッドの挙動なりに振ったほうがいい。曲がらないドライバーなので、それでも極端に右に行くことはないですね」

続いてヒール側に移して打ってもらった。

「こっちはドロー回転がしっかりかかってきますね。ヘッドの動きが良くなるのを感じるぐらい、重心が移動します。ヘッド形状自体がドローをイメージしやすいので、STD(スタンダード)ポジションかこのDRAWポジションがしっくりきました。いずれにしても、つかまり性能は高い。ドライバーに限らずですが、クラブは普通に打った時につかまってくれたほうが安心だし、やさしくゴルフができる。“つかまる”は正義ですよ」

【RMX DD-1(STD)計測データ】
・ヘッド速度:43.1m/s
・ボール初速:63.7m/s
・ミート率:1.48
・打ち出し角:15.1度
・スピン量:2406rpm
・キャリー:240.7Y
・トータル:263.7Y

【RMX DD-1(FADE)計測データ】
・ヘッド速度:44.0m/s
・ボール初速:65.1m/s
・ミート率:1.48
・打ち出し角:15.0度
・スピン量:2267rpm
・キャリー:244.1Y
・トータル:268.3Y

【RMX DD-1(DRAW)計測データ】
・ヘッド速度:44.1m/s
・ボール初速:65.4m/s
・ミート率:1.48
・打ち出し角:14.4度
・スピン量:2385rpm
・キャリー:246.5Y
・トータル:269.9Y

※ロフト9度、シャフト60g台を使用。データはナイスショット3球の平均(計測:トラックマン)

【RMX DD-2×岸部プロ】これ、どこに当たっても曲がらず飛ぶ!?

続いては、岸部プロがRMX DD-2をテスト。

「ヘッドは、より大きくなって安心感が増します。DD-1同様に、フェースをスクエアにセットしやすくて、アドレス時の違和感はまったくありません。これは本当に大切な要素です」

打つと、その寛容性に驚きを隠さない。

画像: 「どこに当たってもブレずに飛ぶ感覚です」(岸部)

「どこに当たってもブレずに飛ぶ感覚です」(岸部)

「DD-2はカーボンフェースでも少し弾く感じの音が入りますね。いかにも食い付いているなという静かめな打音とか、トータルの雰囲気ではDD-1のほうが好きかな~と思いますけど、ただ、大げさじゃなく、DD-2はどこに当たっても狙ったところに飛んでくれる感じがします。それにつかまり性能がとても優れていますね。スライスで悩んでいる人には、もってこいのドライバーです」

画像: DD-2で安定のドローを連発

DD-2で安定のドローを連発

【RMX DD-2(ウェイト10g)計測データ】
・ヘッド速度:37.8m/s
・ボール初速:56.3m/s
・ミート率:1.49
・打ち出し角:13.8度
・スピン量:3113rpm
・キャリー:198.9Y
・トータル:217.1Y

【RMX DD-2(ウェイト4g)計測データ】
・ヘッド速度:38.2m/s
・ボール初速:56.9m/s
・ミート率:1.49
・打ち出し角:13.4度
・スピン量:3014rpm
・キャリー:200.2Y
・トータル:219.9Y

※ロフト10.5度、シャフト50g台を使用。データはナイスショット3球の平均(計測:トラックマン)

【RMX DD-2×谷古宇プロ】DD-2はやさしさのかたまりのようなドライバー

谷古宇プロは、RMX DD-2の形状に注目した。

「DD-1よりもヘッド後方のヒール側に丸みがあって、より丸い輪郭でいかにもつかまりそうな形状。見るからにやさしさを感じます。あと、これは意図的かわかりませんが、フェースのトウ上にある“OCTA ANGLE CARBON FACE”という白い文字。これによって、フェースが開いて見えないのでとても構えやすい。この文字の効果は意外と大きいと思います」

画像: 「この文字によって、フェースが開いて見えずに安心感がある」(谷古宇)

「この文字によって、フェースが開いて見えずに安心感がある」(谷古宇)

打つと、DD-1よりも高いつかまり性能を体感。

「重心位置が深いからでしょう。よくつかまるし、球も上がりやすい。DD-1でも感じたことですが、かなりトウ寄りに当たっても、当たり負けずに直進性高く飛ばせます。バルジの効果とそもそもがブレにくいヘッドの効果で、ボールが散らばりにくいことは間違いありません」

画像: 重心の深さが、さらなるつかまりと寛容性に寄与している

重心の深さが、さらなるつかまりと寛容性に寄与している

DD-2はヒール側にのみウェイトを移動できる。そのDRAWポジションでも打ってもらった。

「DRAWポジションにすると、ほんのりつかまり感が増しますが、もともとがつかまるヘッドなので違いはそこまで大きくありません。でもこのDD-2は、とことんやさしいセッティングにして、ノーストレスで使うのがいいと思うので、やさしさMAXのDD-2のDRAWポジションは個人的にお勧めしたいです」

【RMX DD-2(STD)計測データ】
・ヘッド速度:43.0m/s
・ボール初速:64.2m/s
・ミート率:1.49
・打ち出し角:15.2度
・スピン量:2551rpm
・キャリー:241.9Y
・トータル:264.1Y

【RMX DD-2(DRAW)計測データ】
・ヘッド速度:43.8m/s
・ボール初速:65.4m/s
・ミート率:1.49
・打ち出し角:14.1度
・スピン量:2347rpm
・キャリー:246.0Y
・トータル:269.7Y

画像: ウェイトを付け替えながら、2時間じっくりとテスト

ウェイトを付け替えながら、2時間じっくりとテスト

カーボンフェース化によって“反発性能”をルールギリギリまで引き上げ、その高初速を次のショットにつなげるためボールの“散らばりを抑える”バルジを再研究。さらには楽に振ってしっかり“つかまる”重心設計と、「ドライバーでスコアアップ」するための三位一体の要素が、RMX DD には詰まっている。日本のゴルファーを考え抜いて作られたその性能を体感すれば、飛距離偏重のドライバーの価値観がガラッと転換するに違いない。

PHOTO/Tsukasa Kobayashi、Hiroaki Arihara THANKS/CLUB HOUSE

RMX DDシリーズの詳細は下記専用サイトより

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