昨年のファイナルQTを8位でクリアし、今シーズンはレギュラーツアーの前半戦とACNツアーの出場資格を持っている竹山昂成選手。プロ4シーズン目になる今年は優勝を含めて飛躍の年になるはずが、昨年末にちょっとしたトラブルに襲われる。生命の危機を乗り越えて目一杯ゴルフを楽しんでいます。
画像: 竹山昂成-Kosei Takeyama。兵庫県出身の26歳で、東北福祉大を経て2021年にツアープレーヤーに転向

竹山昂成-Kosei Takeyama。兵庫県出身の26歳で、東北福祉大を経て2021年にツアープレーヤーに転向

GD ゴルフを始めたきっかけは?

竹山 8歳から始めたんですが、最初は姉が先にやっていて、それでお父さんとお姉ちゃんが練習行っちゃうと暇だったので、それで一緒に行きたいって言ったのがきっかけです。自分でお年玉を何年か貯めて自分でジュニアセットを買いました。

GD 自分で買ったんですか⁉︎ 偉い! お父さんはゴルフは上手かったんですか?

竹山 趣味程度でやっていた感じです。でもプロにさせたいみたいな気持ちはそんなになかったんじゃないかと思います。

GD 竹山選手がゴルフにのめり込んでいった理由は?

竹山 野球だったり、サッカーだったり、格闘技もやっていたんですが、ゴルフは上手くできなくて。それが悔しかったというか面白かったんだと思います。

GD 格闘技は何をやっていたんですか?

竹山 テコンドーとボクシングをやっていました。ボクシングは姉と一緒にゴルフのために瞬発力を上げようと言って通っていました。

GD 自分でボクシングをしようと?

竹山 興味があることはとにかくやってみる性格なので、近くに良いジムがあったので、それでお父さんに相談して始めました。

GD ジュニア時代は部活とかではなく自分でゴルフを?

竹山 中学は地元の公立に行って、高校からはゴルフを真剣にやりたかったので興国高校へ進みました。ちょうど興国高校が強くなり始めた時期で、高校時代は関西1位をずっと獲っていましたし、僕自身も高ゴ連で全国3位に入ったり、それなりに成績を残せていたこともあって東北福祉大から声をかけていただきました。東北福祉大以外にも、日大と大阪学院と候補は3つあったんですが、自分の中で一番強い大学が福祉大だったので、そこに決めました。

いまゴルフをできていることが奇跡

GD 東北福祉大での同級生は誰がいるんですか?

竹山 杉原大河、米澤蓮、芹澤慈眼、野澤竜次、黒川兄弟、発多ヤマト、上野陸、宮城慎太郎らです。

GD すごい! 今ツアー出てる選手ばっかりですね。

竹山 そうですね。たぶんツアーで7、8人はいると思います。

GD プロになる決断はいつ頃ですか?

竹山 もともとプロにはなりたいと思っていたんですが、そのために必死にやり始めたのは大学に入ってからですね。金谷さんだったり、同級生の蓮や大河らに勝ちたいと思ったので、本当に遊ぶのを我慢してゴルフ漬けの毎日でした。大学に行っていろんな刺激を受けて気持ちが固まりました。そして、4年生の時にQTを受けて24位に入ってプロ転向しました。

画像: ゴルフをできていることだけで幸せです

ゴルフをできていることだけで幸せです

GD 去年のファイナルQTが終わった年末に大変なことが起きたとお聞きしました。

竹山 はい。脳梗塞と椎骨動脈乖離でゴルフ場で倒れました。

GD そのときに一緒にいたのが中西直人選手ですね?

竹山 はい。公私共に仲良くさせてもらっていますが、本当に命の恩人です。

GD 中西選手が一緒にいたり、ゴルフ場の対応が迅速だったり、いろんな幸運が重なり奇跡的に後遺症も残っていないわけですよね?

竹山 医者からは本当に奇跡と言われています。命が助かっただけでも奇跡で、後遺症は残ると言われていましたから、感覚が失われることなくゴルフができていること自体が奇跡だと思っています。

GD ゴルフに対する取り組み方とか考え方は変わりましたか?

竹山 いろんな部分で変わったと思いますが、後回しにすることがなくなりました。練習にしても明日でいいはありません。いつ人生が終わるかもわからない経験をしたので、その日にできることはその日にやろうと。やるべきことをやるという気持ちでゴルフをやれています。だから今までより練習の質は高くなりましたし、できるだけの時間をゴルフに注ごうという姿勢でやっています。

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竹山選手の目下の目標は優勝すること。それは周りの仲間が勝っているから自分も勝ちたいという気持ちが逸る部分もあるが、焦りは禁物だと言い聞かせている。生死を分ける経験をしたからこそ、地に足をつけて自分ができることをまずはしっかりやろうと思えている。海外志向も強く、いつか先輩の松山英樹選手と同じ舞台に立つことを夢見ているそう。ゴルフができるだけで幸せ。そんな気持ちを胸に戦う竹山選手の活躍にご期待ください。

文/出島正登

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