「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」で最終日、最終組から首位タイで出て6位タイで終えた佐藤心結。「住友生命Vitalityレディス東海クラシック」の練習日にみんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修がインタビューを敢行。現地からのレポートをお届けします。

会場となる新南愛知CC美浜コースは伊勢湾まで2キロほどの丘陵コース。猛暑の影響もあり昨年はコンディションが悪い箇所もありましたが、今年はグリーンのスピードは速くはできないもののコースコンディションは良好です。ラフも深く距離も伸び、バンカーのアゴを高くするな難易度を上げて選手を迎え入れています。

画像: 会場となる新南愛知CC美浜Cは距離が延びバンカーのアゴも高く難易度を増している

会場となる新南愛知CC美浜Cは距離が延びバンカーのアゴも高く難易度を増している

佐藤心結選手は、24年の「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」で神がかったプレーで劇的な初優勝を挙げ、シード4年目として参戦していますが、今季はトップ10回数6回、703.49ポイントと22年の731ポイントを上回る勢いのシーズンを送っています。

画像: ポイントランク20位(9月18日現在)に位置し今季初優勝を目指す佐藤心結

ポイントランク20位(9月18日現在)に位置し今季初優勝を目指す佐藤心結

好調を維持したまま会場入りした佐藤選手の練習ラウンドについて歩き、前週の「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」では首位タイで迎えた最終日、最終組で76とスコアを崩し6位タイで終え前週の結果も含めて話を聞きました。

ーー今季のこれまでの戦いについて

「今年は何回か最終日で、最終組や、最終組の一つ前や優勝争いに加わることが多くなっています。自分なりに勝ちたい気持ちは強いですし、昨年勝ったことで自信を持ってプレーできていますが、あと一歩勝ち切れないところは自分に足りていないものを優勝者のプレーを間近で見て感じています」

ーー優勝争いの場面でプレーできているからこそ、そこでしか感じられない足りないものとは?

「最終日は緊張感もありながら、体が思うように動かなくなって打ちたいショットが打ちづらくなってきます。そのときにアプローチや他のクラブでカバーできる、簡単にボギーにしない、耐えてパーを拾ってチャンスが来たときにものにできる、いわゆる“カバーする力”が、もう少しそういう技術があったら勝てたんじゃないかと思うところがたくさんありますね」

アプローチの技術があればピンを狙っていける、外してもパーを拾える。そこに不安があると優勝争いでいまいち攻め切れない、バーディが遠いパーになってしまうと話します。

画像: 前週の「ソニー日本女子プロ選手権」では最終日に首位タイから出て6位タイで終えた(写真/岡沢裕行)

前週の「ソニー日本女子プロ選手権」では最終日に首位タイから出て6位タイで終えた(写真/岡沢裕行)

特に前週優勝した金澤志奈選手はプレースタイルは違うものの、抜群のショートゲームでスコアを落とす要素が少なかったことでプレーオフに残り、地元で初優勝を飾っていました。そこで学んだショートゲームの重要さを練習ラウンドでも重点的に取り組んでいました。

今季好調の理由は、オフの取り組みと試合前日夜の帯同キャディとのミーティングがあったようです。昨年の「スタンレーレディスホンダ」で優勝したことで「ホンダLPGAタイランド」へのスポット参戦の資格を得たことで、早めにラウンドの回数を増やしたことも大きかったと話します。

「オフは練習場で打ち込むよりもラウンドしながら実践的な練習を増やしたことが良かったと思います。ずっとゴルフをやり続けて状態をキープできました」

ーー岩井明愛選手が2位で終え、佐藤選手は30位タイで終えたLPGAに参戦してみてどう感じた?

「難しいコースでもあれだけのスコアが出せるんだと思いましたが、自分でも戦えるだけのものは持っていると返って自信になりました。タイの試合と台湾の試合も出たので開幕戦のダイキンは3試合目。開幕戦という緊張感も少なくて春先から良い滑り出しができました」

デビュー初年度からシード権を獲得してはいたものの昨年は22試合で17回の予選落ちと、どん底だった前半戦から初優勝を挙げるまでに成長できたことで自信を持てたことは佐藤選手にとって大きかったようです。

そして今季コンビを組む北村明子キャディの存在も大きいようです。我慢しがちな佐藤選手が北村キャディとは意見をぶつけ合うまでの関係を作ってくれていると母・美樹さんは、寄り添ってくれる北村キャディのサポートを口にします。

画像: 今季多くの大会でコンビを組む佐藤心結(左)と北村明子キャディ

今季多くの大会でコンビを組む佐藤心結(左)と北村明子キャディ

試合の前日にピン位置を記載したピンシートが選手やキャディに配布されていますが、北村キャディは佐藤選手の部屋でピン位置、天候などを考慮して1時間ほどのシミュレーションをしていると言います。前日夜の予習を帯同キャディとすることで、想定外の事態が少なくなりますしゲームプランを共有することで、イージーミスも減らすこともできることでしょう。

前週の悔しさを胸に、その気持ちをバネにして今週も優勝目指して佐藤選手は戦います。海外志向もあるので海外メジャー出場の目安となる世界ランキング75位以内を目標に残るシーズンも活躍する姿が見られることでしょう。

写真/中村修

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