「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」の初日に首位立ったのは6アンダーで小滝水音、イ・ミニョン選手、1打差に髙野愛姫、神谷そら、吉本ここねらが続く。みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が現地からのレポートをお届けします。

飛距離を生かしきれないコースセッティング

気温27.1度、風速4mと昨日までよりも少し涼しい初日となりました。グリーンのスピードも速くなり転がりの良いコンディションに出だしから数ホールはタッチ合わせに苦労する選手も見られました。新南愛知CC美浜Cはティーショットでドライバーを持たないホールも多く、飛ばし屋に有利なコースとはいえないセッティングでもあります。

初日の上位陣を見ると、正確なショットが持ち味の首位の小滝水音、2位タイの高野愛姫、吉本ここね、森井あやめ選手らが自身のプレースタイルを生かして好スタートを切り、2位タイの神谷そらや首位から2打差の工藤遥加、穴井詩選手といった飛ばし屋もティーショットを刻んでコースを攻略していました。

飛ばし屋の3人が組み合わされたグループに注目

初日に注目したのはインコース8時45分スタートの飛ばし屋3人の宮田成華、山路晶、アマチュアの後藤あい選手の組に付いて歩きました。今季のドライビングディスタンス8位の宮田成華選手は252.64Y、9位の山路晶選手は251.87Yと平均で250Yを超える飛距離を持つ二人。対して3週前の「ニトリレディス」でローアマを獲得し、4日間の平均飛距離263.25Y(全体の2位)を記録した高校2年生のアマチュア後藤あい選手。飛ばし屋が有利とはいえないコースセッティングに3人がどう立ち向かうかに注目しました。

画像: 左から山路晶、アマチュア後藤あい、宮田成華の飛ばし屋の三人が組み合わされた

左から山路晶、アマチュア後藤あい、宮田成華の飛ばし屋の三人が組み合わされた

レーザー距離計で計測すると250ヤード付近が狭くなる350ヤードの10番ホールは山路、宮田選手はドライバーを持たずにレイアップを選択。後藤選手はドライバーを振り抜くと265ヤード先のフェアウェイを捉えます。山路選手はフェアウェイからピン奥2mに付けますが3パットのボギー、宮田選手は右のラフからピン手前8mから2パットのパー、後藤選手は80ヤードからピン奥5mを3パットのボギーでスタートします。

11番パー3では山路選手はバーディ、宮田選手はグリーン奥にオーバーしボギー、右のバンカーから寄せた後藤選手はパーで切り抜けると飛距離の計測ホールとなっているやや打ち下ろしの12番パー5では山路選手が273ヤード、宮田選手は276ヤード、後藤選手は右ラフに283ヤードと飛ばし屋の二人に負けない飛距離を披露します。

グリーンエッジまで250Yの表示付近からの2打目を宮田、山路選手はフェアウェイにボールを置くと3打目をバーディチャンスにつけた宮田選手はバーディ、山路選手は3パットのボギー、後藤選手は右ラフから果敢にウッドを振りましたが右のつま先上がりの強い傾斜のラフからグリーンに乗せただけのパーで終えます。

画像: 山路晶は改善中のパットが決まらず3オーバーと出遅れた

山路晶は改善中のパットが決まらず3オーバーと出遅れた

15番パー5では宮田選手がグリーン左の池を怖がらずに2オンからバーディ、山路選手はレイアップしてパー、後藤選手はティーショットを刻んで3打目をピタリと寄せてバーディと飛ばし屋同士でも攻め方の違いが見られました。前半を宮田選手は3バーディ3ボギーの36、山路選手は1バーディ3ボギーの38、後藤選手は2バーディ2ボギーの36でターンします。

画像: 宮田成華はバーディも取れているがダブルボギーもあり流れを作れず2オーバーで初日を終えた

宮田成華はバーディも取れているがダブルボギーもあり流れを作れず2オーバーで初日を終えた

40分ほどの休憩を挟んでアウトコースに出ると1番で後藤選手はティーショットをフェアウェイバンカーに入れるとハーフトップしてグリーン奥に外しダブルボギー、3番パー5でバーディ、4番パー3でボギーと出入りの激しい後半の出だしでしたが、5番からはパーを並べて上がりの9番でバーディを奪い後半を37、トータル1オーバー58位。宮田選手はトータル2オーバー74位タイ、山路選手はトータル3オーバー88位タイと出遅れました。

山路選手は「パットで引っかけて打つクセがあったのでパターを替えて打ち出しは良くなりましたが、ライン取りが合っていなかったので練習します」。宮田選手は「バーディ数も取れているのでそこまで悪くないのですが、最近ダブルボギーを打つことが多いので流れが悪くなりますね」と反省も含めて練習場へと向かいました。

後藤選手に話しを聞くと「ドライバーはめちゃくちゃ良かったですが、あまりバーディチャンスにつけることはできませんでした。フェアウェイは捉えられていたのでウェッジを持つことが多かったのですがウェッジでチャンスにつけられなかったので課題が明確になりました」。飛距離が出るだけに使用する頻度の高くなるウェッジの距離感と方向性、少ないチャンスをものにできなかったパットにこれからも取り組んでいきたいと前を向きます。

画像: 狭いホールでも果敢にドライバーを振った後藤あい

狭いホールでも果敢にドライバーを振った後藤あい

今季これまでレギュラーツアーに5試合出場し、予選落ちは初戦の「リゾートトラストレディス」だけで4試合目の「ニトリレディス」では30位タイでローアマも獲得。初日の50位タイがイーブンパーなので明日は選通過をかけたプレーに期待がかかります。

同組の山路選手は、「すごいですね。振るときはバチンと振ってきますね。狭いホールでもドライバーで振って行きますし。異次元の飛びで、あれだけ振れるのはすごい。見ていて面白かったです」と飛ばし屋もうならせるスウィングを褒めていました。また宮田選手は「飛ばしてましたね。2番は驚きました。左の木の上を狙って打ったことないので。高校生の頃は刻むことを知らなかったので懐かしい感じもありました」と左ドッグレッグの2番ホールで林越えのドライバーショットに驚いていました。

もう一つ、後藤選手の使うシャフトはUSTマミヤ「アッタススピード」38gのF1(Rよりも軟らかい)を使用していると聞くと飛ばし屋の二人も驚いていました。軽量でRシャフトよりも軟らかいフレックスでタイミングよく振り切れて曲がりも少なくなったと後藤選手は言います。

画像: USTマミヤ「アッタススピード」の軽量でRよりも柔らかいフレックスのシャフトを使用する後藤あい

USTマミヤ「アッタススピード」の軽量でRよりも柔らかいフレックスのシャフトを使用する後藤あい

明日の土曜日は恒例のJLPGA公認のドラコン大会が行われますが後藤選手も出場する予定だそうです。昨年覇者の工藤遥加選手や歴代優勝者の穴井詩選手との戦いも楽しみです。

大会は昨年に引き続き伸ばし合いの展開となっています。明日も現地からのレポートをお届けします。

写真/中村修

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