
昨年まで下部ツアーなどの実況や現地リポーターを担当していた萩原
はぎわら・なのか。名門日本大学ゴルフ部に所属して腕を磨き、ベストスコアは75。学生時代から週刊ゴルフダイジェストなどに登場。大学卒業後はライムライト所属のフリーアナウンサーとして活動中。
パターで「人生が変わった」男、照屋佑唯智(テルヤ ユウイチ)

にこやかに話す照屋選手(撮影/矢田部裕)
現在、ポイントランキング5位につける照屋佑唯智。『沖縄県立本部高校』を卒業後、すぐにオーストラリアへゴルフ留学。帰国時期は決めずにいたが、2015年に一時帰国した際、プロテストに一発合格してそのまま1年で帰国。20歳からは福岡を拠点に活動、当初はキャディとしてゴルフ場で働いていた過去を持つ。
彼のキャリアを劇的に変えたのは、パターの変更だ。長年イップスに悩み、ショートパットは入らず、ロングパットは当たらなかったという。しかし、「人生が変わった」と語るように、パターを長尺に変えた瞬間に復調し、その年にファイナルQTに進出。大袈裟に聞こえるかもしれないが、まさにゴルフ人生のターニングポイントだった。
今季は優勝こそないものの、10試合中トップ10が4回という安定した成績。昨年からの大きな変化はあったのかと尋ねると、「特に変化はないけど、全体的に良い底上げをした感じ」と語る。今年の目標だった裏シード獲得も達成は間近。小柄ながら飛距離が出る選手としても知られ、2024年『長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント』では312ヤードでドラコンを獲得という実績も。得意クラブはアイアン、持ち球はドローだ。スウィングで悩むことがほとんどなく、悩んでも1、2日で解決するという。沖縄とオーストラリアという風の強い環境でプレーした影響もあり、様々な球筋を打ち分けるのが得意なタイプ。「球筋を意識するから、逆にスイングで悩まない」という独自のスタイルを持つ。

残る3戦での目標は「毎回優勝争い」(撮影/矢田部裕)
レギュラーツアーへの挑戦(2024年前半戦)では、セッティングの難しさ(深いラフ、硬いグリーン)に苦しんだ経験も糧に、残る3戦での目標は「毎回優勝争い」。安定感から一歩踏み出し、残り3戦で初優勝を掴めるか、照屋選手のプレーに注目だ。
初日スタート時間:7:40(OUT)
照屋 佑唯智/竹内 大/木村 太一
脅威の飛距離と分厚い胸板! ナショナルチームの若き大砲・外岩戸晟士(ホカイワド セイジ)

18歳のあどけなさも残る外岩戸選手(撮影/矢田部裕)
今大会で注目のアマチュア選手、外岩戸晟士。『代々木高校』の3年生。
2023年の『Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント』でツアーに初出場を果たし、プロの舞台を経験。さらに、2024年の本大会では9アンダー、20位タイという好成績を残し、その実力は折り紙付きだ。今年からナショナルチームに所属するエリート。高校卒業後は通信制の大学へ進学予定で、今年の11月末に予定されているセカンドQTからプロへの道を切り開く決意だ。
分厚い胸板と肩幅が印象的な外岩戸選手。2023年のJGTOの記事では「朝夜で5合」のご飯を食べると話題になったが、「今はそんなに食べられなくなってしまった」という。現在は「2合くらいになっちゃいました」とのこと。それでも一般的に見ればかなりの大食漢だが、意識して食べているわけではなく、自然と体が欲してしまうという。現在も日々のランニングは欠かさず、毎日5キロ、試合の移動日でも1〜2キロを走る。
今年に入ってからは本格的にウェイトトレーニングを取り入れ、その効果は顕著。飛距離は確実に10〜15ヤード伸び、キャリーで300ヤードに到達。ナショナルチームのトレーナーのアドバイスを受けながら、若き大砲はさらに進化している。最大の持ち味は飛距離だが、得意クラブはミドルアイアンとショートアイアン。特にアプローチは小さい頃から得意という器用さも持つ。ドローとフェードを打ち分けることができるのも強み。

ファイナルQTでトップ10を目標という外岩戸選手(撮影/矢田部裕)
コーチは、70台でラウンドする競技ゴルファーである父。18歳でまだ自動車免許がないため、試合に出場する時はご両親(今週はお母様なんだとか)が帯同している。ツアーでキャディを務めるのも父だ。「喧嘩になりがち」だというが、イライラできるのも身内だからこそ。「何言ってもいいと思えるからこそ、気兼ねなくゴルフに集中できる」と、その関係性を力に変えている。
ここからの目標は、ファイナルQTでトップ10に入ること。ナショナルチームはセカンドQTからの出場が可能。11月に熊本中央CCで行われるQTも目が離せない!
初日スタート時間:7:50(OUT)
外岩戸 晟士/薗田 峻輔/梶村 夕貴
師匠・香妻陣一朗から学びを得た百目鬼 光紀(ドウメキ コウキ)

明るくインタビューに対応してくれた百目鬼選手(撮影/矢田部裕)
栃木県では「百目鬼(どうめき)」通りがあるほど馴染みのある名字で、プロになるまで珍しいとは思っていなかったという百目鬼(どうめき)光紀選手。現在ポイントランキング45位だが、残りのツアー終盤戦で一気に順位を上げる準備はできている。
彼の強さは、コースとの相性にある。ACNツアーの『福岡シリーズ』は毎年得意とし、芥屋ゴルフ倶楽部のコーライグリーンや、福岡雷山ゴルフ倶楽部の狭いコースを好む。今季は残り3戦での「ずっと優勝争い」を目標に掲げ、最終戦を気楽に迎えられるよう、残り3戦は5位以内に入ることを目指す。今年から導入されたポイント制はなかなか予想が出来ないが、「500ポイントは必要」という印象だという。
特筆すべきは、本大会「石川遼 everyone PROJECT Challenge」の舞台であるロイヤルメドウGC。プライベートながら試合と同じティーから回り、ベストスコア60を叩き出したという「いい印象しかない」コースだ。昨年はウェイティングで出場できなかったが、リベンジへの思いは強い。
彼のプレースタイルは、練習ラウンドを共にした竹内大選手や中島旺(ひかる)選手が口を揃えて言う「しぶとさ」。得意のアイアンショットと、ウェッジ4本(46・50・54・58度)から繰り出す正確な技術で、簡単にボギーを打たない。特に2メートル以内のパーパットは確実に沈め、長めのパーパットでのパーセーブも多い。持ち球はフェードだ。

ベストスコア60を出したコースでリベンジできるか注目!(撮影/矢田部裕)
彼のゴルフ人生を変えたのは、本人公認の師匠、香妻陣一朗との出会い。香妻プロから贈られた「もっと考えろ」という言葉が、百目鬼選手の意識を根底から変えた。「マネジメントやクラブについて、なぜこの球が出て、ここに打たなければいけないのか、もっと考えなさい。考えていない時間を作らないこと」という教えに、「今までも考えていたが、もっと考えなければいけないんだ、甘いな」と実感。以来、試合前にトレーニングに行ったりと生活も変わったという。
ベストスコア60を出したコース、そしてリベンジを誓う今大会で、香妻プロから学んだ「考えるゴルフ」を体現できるか。イメージもいいだけに百目鬼選手に注目!
初日スタート時間:6:40(IN)
百目鬼 光紀/高田 聖斗/金田 直之