スウィング動画をAIによる3D解析技術でデータ化することができる、コーチ専用のゴルフスウィング解析アプリ「スポーツボックスAI」。このアプリを活用しているゴルフコーチ・北野達郎に、DPワールドツアーの「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」で、欧州通算4勝目を挙げたロバート・マッキンタイアのスウィングを解説してもらった。
画像: ライダーカップ最終日の様子(PGA of America PGA of America)

ライダーカップ最終日の様子(PGA of America PGA of America)

こんにちは。SPORTSBOX AI 日本アンバサダーの北野達郎です。今回はDPワールドツアーの「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」で、欧州通算4勝目を挙げたロバート・マッキンタイア(以下マッキンタイア)のドライバースウィングをスポーツボックスAIのデータと共に解説させていただきます。スコットランド出身のマッキンタイアは、今年の全米オープンでJ・Jスパーンに次ぐ2位に入り、現在世界ランキング9位の実力者です。そんなマッキンタイアのスウィングの特徴は以下の2点です。

① ボール位置を真ん中寄りにして、ドライバーでもハンドファーストのインパクト
② フォローで左への傾きが多い分、アドレスはセンターに構える

それでは早速チェックしてみましょう!

ボール位置を真ん中寄りにして、ドライバーでもハンドファーストのインパクト

まずはアドレスとインパクトに注目しましょう。ボール位置は真ん中寄りで、左右のグリップはややストロングに握っています。そしてインパクトで特徴的なのは、胸と骨盤が両方ともアドレスの位置よりかなり右足寄りに移動している点です。「Chest Sway」(以下・胸の左右の移動)は胸がアドレスの位置から左右にどれだけ移動したか?の距離を表し、「Pelvis Sway」(以下・骨盤の左右の移動)は骨盤がアドレスの位置から左右にどれだけ移動したか?の距離を表します。(マイナスは左足方向、プラスは右足方向。)※マッキンタイアはレフティのため、右打ちとデータが左右反対になります。

画像: 画像①アドレスとインパクトの比較/胸と骨盤ともに右への移動距離が長め

画像①アドレスとインパクトの比較/胸と骨盤ともに右への移動距離が長め

スポーツボックスAIが独自で調査した、インパクトでの胸と骨盤の左右移動の海外男子ツアーレンジは、胸がマイナス6.9cm~プラス3.3cm、骨盤がプラス7.1cm~プラス15.7cmです。マッキンタイアはインパクトで胸がプラス5.8cm、骨盤がプラス19.8cmですので、いずれも大きく右に移動していくタイプであることがわかります。通常ですと真ん中寄りのボール位置で、胸と骨盤ともに右に移動するとアタックアングル(縦の入射角)はダウンブローになりやすいですが、マッキンタイアは0度のアタックアングルを心がけているそうです。

フォローで左への傾きが多い分、アドレスはセンターで構える

それではマッキンタイアのアタックアングルが、なぜダウンブローではなく0度になるのか? を探ってみましょう。「Sway Gap」は胸と骨盤の左右差を表します(それぞれマイナスは左、プラスは右)。「Chest Side Bend」は、胸の左右の側屈角度を表します(マイナスは右肩が下がり、プラスは左肩が下がる。※マッキンタイアはレフティのため、右打ちと左右反対になります)。マッキンタイアのアドレスでの胸と骨盤の左右差はマイナス4.0cm(胸が骨盤より左)、胸の側屈角度はプラス5度(左に傾く)で、あまり左に傾かずに構えているのがわかります。

画像: 画像②アドレスとフォローの比較 アドレスではセンターで構えているが、フォローでは胸と骨盤の左右差と側屈が大きい。

画像②アドレスとフォローの比較 アドレスではセンターで構えているが、フォローでは胸と骨盤の左右差と側屈が大きい。

あまり胸と骨盤の左右差を作らず、左への側屈も少ないアドレスに対して、フォロースルーでは、胸と骨盤の左右差がマイナス20.3cm(胸が骨盤より左)、胸の側屈角度はプラス61度(左に傾く)で、胸と骨盤の左右差と左への側屈が非常に大きくなっているのがわかります。この2つが大きいフォロースルーは、通常アタックアングルはアッパーブローになりやすいですが、マッキンタイア本人の解説によると、もともとアタックアングルは4度~6度のアッパーブローでインパクトしていたが、より正確性を重視するためにアドレスとボール位置を変えることでアタックアングルを0度に近いインパクトにしているそうです。

ただし、ドライバーでアタックアングルを0度にすると通常はフェースが開きやすく、プッシュアウトのミスが出やすくなりますが、マッキンタイアはあえてフェースのトウ寄りに構えることで「ギア効果」を利用して、左に打ち出しても右に戻るドローを打つようにしていると解説していました。元々のスウィングで出やすい傾向をアドレスで補って、加えて球筋への影響をバルジとロールがあるドライバーの特性を利用してカバーしているのは興味深いですね。

今回はロバート・マッキンタイアのドライバースウィングを解説させていただきました。今週はベイカレントクラシックが横浜CCで開催されます。PGAツアープレーヤーと日本の男子プロ達の迫力あるプレーを私も現地で観戦しますので、その模様は次回以降にお伝えできればと思います!

ロバート・マッキンタイアの優勝ハイライトはこちら!

画像1: Every Shot of Robert MacIntyre's Back 9 | Alfred Dunhill Links Championship www.youtube.com

Every Shot of Robert MacIntyre's Back 9 | Alfred Dunhill Links Championship

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